第39話 テロ組織の台頭
「速報です。現在世界中で破壊工作、諜報活動などを行なっているテロ組織が、この地にも現れてしまいました。
なんとそのテロ組織は"この場所には政府の極秘施設があるため、その研究内容を奪取させてもらった"と、声明を出しています。」
「その現場の場所に、アンディリポーターが向かってくれてます」
「アンディリポーター!」
街のビルに設置されておる大きい電光掲示板には、リアルタイムのニュースが流れていて気になって足を止めて見ていた。
そのリポーターが居る場所には見覚えがあったからである。
「はい、こちらアンディです。今その現場に来ています」
「あちらに見えるのが、テロ組織が襲撃を仕掛けた"国立第一総合病院"です。
こちらからでも見えるほどに火の気が立ち昇っているのが分かります。
警察によりますと、テロ組織は病院に異能で武装して襲撃したそうです。
しかも、その余波で病室にも被害が出ており、複数人の怪我人が出てしまいました」
ナタリーとの面会を終えて、家に帰ってから買い物のために外に出ていたメアだったが、エコバッグを持ったまま病院に向けて走った。
「………」
病院の前には数時間前とは全然違う景色が広がっている。
規制線が敷かれていて、多くのメディアやガヤで人がごった返していた。
その人混みをかき分けながら、規制線の前まで辿り着くと警察が待ち構えている。
「どいて!私は友達の…ナタリーの安全を確認しないと!」
この時の私は、何が何でもナタリーの安否を確認したかった。
だが、警察はメアのあまりの迫力に気圧されそうになるも、自分の職務を弁えているため負けずに止めた。
「君、落ち着いて。今の病院はどんな状態か分からないんだから、入っちゃダメだよ」
警察が説得を試みるが、メアはそれでも強行突破をしようとするので、無理やり押さえつけるはめになってしまった。
「離してよ!私は……」
この時は警察の手によって、私は鎮圧された。
警察もこのような出来事に慣れてしまっているので、上層部に連絡して彼女の親御さんを呼んで貰い 引き渡した。
私は目を開けると、自室のベットで眠っていた。
しかも、隣にはお母さんが座っている。
こうなると、今までの出来事は全て夢なのでないかと勘ぐってしまうが、お母さんの方を向くと悲しそうな表情をしている。
それを嫌でも察してしまった。
「ナタリーがどうなったのか教えて」
お母さんは、この事を我が娘に教えないといけないとメアが寝ている間考えていた。
しかし、正直に教えるしか選択肢はなかった。
「ナタリーちゃんは爆発に巻き込まれてしまったのよ。しかもそれから意識が戻ってこないらしいのよ」
メアは嫌な予感が当たってしまって、さらに気分が悪くなっていった。
メアのお母さんは、こうなることが分かっていたが、やはり自分の娘に教えることは辛い。
でも伝えないわけにはいかなかった。
そのせいでメアは布団にくるまって泣き出してしまった。
さすがの母でもこんな時に、どのように声をかけていいのかまったく分からなかった。
なので、そのままメアの姿を見ながら静かに扉を閉めた。
テロ組織の病院襲撃事件から少し時間が経っても、メアはいまだに部屋に引き籠もっていた。
お母さん的には、ご飯を部屋の前に置いておいたら食べてくれるので一安心ではあったが、それでも不安は募るばかりであった。
そんな日常を1週間ほど過ごしていると、突如家のチャイムの音が鳴った。
この時間に来客が来る予定は無かったので、誰かと思って扉を開けるとスーツをピシッと着た男が立っていた。
「アポも取らずにすみません。私はこのようなものです」
そう言われて差し出されたのは、名刺とは少し異なるが似たようなものだった。
それを受け取って見てみると
「えぇっと、"異能省"教育局のハズキー・ブライトネスさん…でよろしいの?」
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