第3話 ドキドキ♡同棲生活?
授業の課程が全て終わり、夕焼けのコントラストがキレイに映えている頃。
学園長との書類確認が終わった後、スターダスト学園の寮へと続く道をメアは1人で歩いていた。
「(あんな人が学園長で、この学園は大丈夫なのかしら!?)」
この学園の学園長は、すごく適当な人である。メアとの書類確認では、自分では何もせず、隣にいた別の先生にやらせていたほどだ。
「ここが学園の寮ね…」「事前情報で知ってはいたけど実際に見てみると圧巻ね…」
この学園に在籍している生徒は、約2万人近くおり、その大多数がこの寮で暮らしているため、その大きさは形容しがたいほどだ。
メアは、天まで届きそうなレベルで高いエレベーターを登り終えた。
「ここが学園長の言っていた私の部屋ね」
学園長によると、この学園の寮は全て2人1部屋らしいので、私の部屋には先住民が居るようだった。
"コンコン"と軽快なノックをして、メアは部屋の中に入ると、驚くべき光景が広がっていた。
「失礼するわね、私はあなたとおな………」
「ええぇ〜!なんでアンタがこの部屋に居るのよ!!」
メアの叫び声が、寮中に響き渡った。
「なるほど、学園長から新しいルームメイトが来ると聞いていたが、メアのことだったのか」
「まあ時期的に考えて、ある程度の予測は立っていたけどね」
「なんでアンタは、そんなに冷静なのよ!」
「先程も言ったが、ある程度のよそ…」「そういう問題じゃなくて!男女がおなじ部屋で暮らすというのが問題なのよ!!」
メアは相当取り乱しているようで、何時もより言葉遣いが荒くなっていた。
「そういうことか、それなら大丈夫だよ、俺がメアに邪な気持ちを持つことは無いからね」
「それはそれで、イラつくわね…」 「もうアンタじゃ話しにならないから、学園長に抗議してくるわ!」
メアは目の前の男では、埒があかないと思ったので学園長の執務部屋に向かう準備を始めていた。
それをヘルトはストップをかけた。
「それは、あまりオススメできないね」
「なんでよ!」
「メアも知っているだろ、あの学園長の適当さを…」
「た、たしかに行っても徒労に終わるだけな気もするわ…」(ってか、コイツ妙に、馴れ馴れしいわね…)
「じゃあ俺は、少しの間だけ寝ておくから、後で起こしてくれ」
「いや、まだ私には話したいことがあるんだけど!」
「……zzz……」
「寝るの早すぎでしょコイツ…」
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夜の帳が下り、静寂がその場を支配していた頃、メアはひとりでうなされていた。
「…私は常に1位じゃないと…"ナタリー"との約束が…」
「ふ〜ん、よくあるタイプの、過去の約束に縛られている系か……」「強くなりたい理由が、他人にある奴は、少しの出来事ですぐ脆くなる……」
そう呟いたヘルトは、まるでそういった人達を、たくさん見てきたような表情をしていた。
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「ん〜あまり寝られなかったわ…」
(やっぱり慣れない場所だと、こうなるわね)
朝になり起きたメアは、この部屋には自分以外に、後1人いることを思い出して、慌ててしまった。
「私、アイツに何もされてないわよね…」
メアは服の乱れ方などを、念入りに確認した後、安堵のため息を吐いた。
「はぁ〜さすがに何もされなかったようね」「そういえば、アイツはどこにいるのかしら?」
メアは、周りを見回してみると、備え付けの机で優雅に、紅茶を嗜んでいるヘルトを見かけた。
「おや?ようやく起きたのかい?」
「まあ、そうだけど…」
「聞くのが忘れていたけど、ルームメイトになったんだし、あなたの名前はなんて言うのかしら?」
(やっぱり男女が同じ部屋なのは、おかしいと思うけど…)
「俺の名前か?そういえば自己紹介してなかったね」「俺の名前はヘルト・アリーネスだよ」
(ヘルト・アリーネス?どこかで聞いたことがあるような名前ね)(もしかして有名人なのかしら?)
「昨日みんなの前で、自己紹介したから憶えていると思うけど、私の名前はメアリー・アウローラよ!」
互いの自己紹介が終わった後、それぞれで朝食をとって、その場の流れで2人一緒に学園に行くことになった。
※メアちゃんは、普段は優しい子なのですが、少々取り乱しているので、言葉遣いが荒くなっています。
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