第100話 影が差す
なんと今回で「異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する」は第100話となっています。
作者の初めての作品ですがこれほど連載を続けていられるのは、ひとえに読者の皆様のおかげです。
皆様の期待に応えられるよう、これからも連載をしていきたいと思います。
メイドさんに私はしごかれ続けた。
ベッドメイキングや洋服の洗濯、姿勢など色々な箇所にダメ出しされた。
何なら自分の中では自信のあった料理もボロボロだった。
教えられている身からするとおこがましいが、やはりヘルトがいっていたように完璧主義というか、細かすぎると感じてしまう。
ベッドのシーツはこの角度、洗濯する時はこれとこれを分ける、待機の姿勢はこうで腕をこのように組む。
など、細かすぎて嫌になりそうだ。
しかも、その様子をヘルトが後ろでニヤニヤして見ていたのが気に食わなかった。
その気持ちをぶつけようと思っても、メイドさんに止められた。
メイドさんからの指導は2時間以上続いた。
「もう…後ろで笑ってないで、あのメイドさんを止めてよ。大変だったんだから」
そう言うとヘルトは思い出し笑いかのように再び口角が上がった。
「ごめん、ちょっと面白くてね。でも学びになったことは多かったでしょ」
そう言われると返しに困る。
実際ためになる話などを聞けて、勉強になった面もある。
ただ労力と見合ってない気はしたが。
「まぁでも、その成果をせっかくだから見せてあげようじゃない!」
「おぉ〜それは楽しみだね」
メアは息巻いて立ち上がった。
これから何を見せてくれるんだろうか。
でも、あまり期待をしすぎてハードルを上げるのも悪い気がするな。
メアは得意顔で背筋を伸ばす。そして、肩の力を抜き、顎をわずかに引く
それから手を重ね、腰から上体を折った。
その後ゆっくりと上体を起こした。
これは念入りに教えられていたお辞儀をしているやうだね。
「どっ…どうだった?」
最初はあんな得意げだったのに、不安げな表情をしているメア。
威勢がなくなってしまったせいで弄りづらくなった。
これは感想をちゃんと述べないと。
「率直に言わせてもらうと、少しキレが足りないかな。動きにメリハリが無いというか」
また怒られてしまった。
やっぱり私には向いていないんだろうか?
どうしてもそんな風に思ってしまう。
「けど、完成度はすごく高くて驚いたよ。これなら他の貴族のパーティーに連れていっても良いぐらいだと思うよ」
あれ…?もしかして褒められている?
しかも、ベタ褒めされている。
これは調子に乗ってしまいそうだ。
「そう言ってくれると嬉しい。これで苦労が報われた気がするわ」
そんな他愛のない時間を過ごした後は自室に戻って静かに寝た。
正直もうへたへただった。
こうして妙に濃ゆかった1日が終わった。
街中を歩いていると奇妙な出来ごとに気が付いた。
歩道の脇にある、花の花弁に溜まった雨粒の一つひとつが、微弱な魔力を帯びて震えている。
ただふらっと目的も無く歩いていただけなのに、こんな現象と遭遇するとは。
魔力とは基本、生命に宿る。その魔力量は個体差あれど、そのルールは変わらない。
なのに、雨粒という生命の無いものが魔力を帯びていることは普通ではありえない。
なので、観察をするため近づいてみる。
するとその雨粒がものすごい速度でこちらに飛んできた。
この程度なら防ぐまでもないのだが、誰がこんなふざけたことをしてるのだろうか。
辺りに探知魔法を行使すると、一瞬だけ捕捉出来た。
しかし、すぐに感知外に逃げられてしまった。
転移などで逃げられる場合は魔力の動きがあるため逆に見つけやすい。
逆に魔力を使わないで純粋な身体能力や、魔力を伴わない異能を使われると少し厳しい。
探知の範囲はそこまで狭めに設定したつもりは無かったのに。
相手は相当手練れのようだね。
もしかして釣れたのかな?
だとしたら非常にありがたい。
長引いてしまうと、こちらのやる気が無くなってしまうからね。
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