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第56話〜キラーマンティス襲来〜

【名 前】キラーマンティス

【種 族】昆虫

【レベル】41

【基礎能力値】

 体 力:3,290/3,290

 魔 力:140/140

 筋 力:31

 生命力:19

 敏捷性:37

 器用さ:36

 知 力:11

 幸 運:15

 スキル:増殖《キラーマンティス固有スキル:戦闘時5分に1回仲間を生み出す》

     ラッキーパンチLv5《5%の確率で幸運値×100倍の固定ダメージを追加する》

「ギィイイイッ!!」


 二体の耳をつんざくような雄叫びとともに、二本の鎌を振り回して襲いかかってきた。


「ふっ!」


 俺は剣を下段に構えたまま、地面を滑るように移動する。

 そして、すれ違いざまに相手の足を切り裂いた。


「ギェエエッ!!」


 苦悶の叫び声をあげながら地面に倒れるキラーマンティスにトドメを刺すために近づいていく。

 だが、もう一匹のキラーマンティスが背後から迫ってきたため、横っ飛びをして攻撃を躱した。


「くそっ! 急がないといけないのに!!」


 悪態を吐きながら体勢を整え、今度はこちらから仕掛けることにする。

 地面を蹴って走り出し、一気に距離を詰めていくと、キラーマンティスは大きく口を開けて噛みついてきた。


「はっ!!」


 紙一重で回避すると、カウンター気味に首筋へ斬撃を叩き込んだ。


「ギギャッ!!」


 鮮血が噴き出し、緑色の体液が辺りに撒き散らされる。

 俺は怯んだ隙に更に踏み込んで、腹部へ突きを放った。


「はあぁぁあっ!!」


 気合いと共に放った一撃が深々と突き刺さると、キラーマンティスは断末魔を上げて動かなくなった。

 仲間を守るようにもう一体のキラーマンティスが鎌を振り上げる。

 俺はそれ以上の追撃を中断させられ、後ろへ飛び退いた。


「遅かったか……増えちまった……」


 倒れたキラーマンティスと鎌を振り下ろしたキラーマンティスの腹部が大きくうごめく。

 うごめきはキラーマンティスの尾の方へ移動していき、新たな個体を生み出そうとしている。


(今っ!!)


 生まれてしまうものは仕方がない。

 キラーマンティスが増殖するために動けなくなる隙にキラーマンティスへ襲い掛かる。


「キシャアアア!」

「これで!!」


 尾から物体が飛び出す瞬間に、立っているキラーマンティスの首を切り落とした。

 首を失った胴体は力なく地面へ倒れ込み、ビクンビクンと痙攣する。


(よし……あとはコイツだけだ)


 足元に転がっているキラーマンティスの頭も踏み砕いてとどめを刺した。


(へんか……ちっ!!)


 倒したキラーマンティスのステータスを変換する暇もなく、生み出されたキラーマンティスが俺へ鎌を振るってきた。

 間一髪で避けることに成功するが、このままではまずい。


(消耗戦はこちらが不利だ……五分以内に倒しきらないと……)


 キラーマンティスは固有スキルの増殖でどんどん数が増える。

 この調子で増えていくのであれば、いずれ追い詰められるのは明白だ。

 消耗を避けてスキルを使用しなかったが、もはやそんな余裕はないようだ。


(一気に決める!)


 ダラダラとキラーマンティスと戦っている方が危険と判断し、剣を上段に構える。


「空破斬!!」


 振り下ろした俺の剣先から斬撃が飛ぶ。

 衝撃波を伴う斬撃は生まれたばかりのキラーマンティたちに襲い掛かる。


「ギイイィィィ!!!!」

「ガァァァァァ!!!!」


 俺の斬撃は二体のキラーマンティスに直撃し、その体を大きく仰け反らせた。


(倒しきれないのはわかってる!)


 その隙を逃すことなく、俺はすかさず間合いを詰めて剣を振るう。


「はぁぁっ!!」


 渾身の力を込めて振り下ろされた剣は、一体目のキラーマンティスの胴体を右肩から斜めに両断した。

 しかし、二体目はまだ倒せていない。

 すぐにバックステップして距離を取ると、二体目が振り下ろしてきた右の鎌を避ける。

 鎌が俺の右腕を掠めていった。


(いってぇ!!)


 腕の痛みに顔をしかめつつ、振り向きざまに水平切りを放つ。


「このぉ!!」


 その一撃でキラーマンティスの体に大きな傷が刻まれる。

 それでも致命傷には至らなかったようで、キラーマンティスは再び俺を襲ってきた。

 ただ、その鎌が俺に届くことはなかった。


(やっと効いてきたか……やっぱりLv1だと遅いな)


 キラーマンティスはビクビクと小刻みに動いている。

 俺がスキルで散布していた麻痺の霧がようやく効果を発揮したらしい。

 キラーマンティスの動きが鈍ったところで、俺は剣を構え直した。


「これで……終わりだぁぁ!!」


 雄叫びを上げながら、キラーマンティスを脳天から両断する。


「ギッ……」


 短い断末魔を上げて、キラーマンティスの体が崩れ落ちた。

「ふぅ……終わった……変換、変換っと」

 俺は剣を鞘に納め、両断したキラーマンティスの能力を変換した。


【名前】トール

【種族】人間族

【年齢】18歳

【レベル】0

【基礎能力値】

 体 力:1,930/5,000(★)

 魔 力:410/2,035

 筋 力:50+2(★)

 生命力:50(★)

 敏捷性:50(★)

 器用さ:50+2(★)

 知 力:50(★)

 幸 運:44

 スキル:吸血Lv1《与えたダメージの1%体力が回復する》

     急所攻撃Lv1《1%の確率で即死》

     状態異常耐性Lv1《10%の確率で状態異常を無効化》

     フィールドアシミレーションLv1《1M圏内のフィールドを自分の意のままに操る》

     パラライズミストLv1《相手を麻痺させる霧を放つ》

     両手剣熟練度Lv1《両手剣使用時攻撃力1%増加》

     空破斬Lv1《範囲攻撃:攻撃力100%》

     ラッキーパンチLv1《1%の確率で幸運値×100倍の固定ダメージを追加する》

 装備品:鉄の剣:攻撃力8(筋力+2 器用さ+2)

     革の胸当て:防御力5

     革の肘あて:防御力2

(ちょっと休憩してから進むか……疲れた……)


 ステータス画面を眺めてから、休憩を挟むことにした。

 地面に腰を下ろして水筒に口をつける。


(それにしても、なんでこんな変化しているんだ?)


 俺は前々から感じていたゲームとこの世界の違いについて考え始めた。

第56話をご覧いただきありがとうございました。

もしよければ、感想、ブクマ、評価、待ってますので、よろしくお願いいたします。


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これからもよろしくお願いします。

次回は明後日公開します。

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