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魔王勇者と不死鳥少女  作者: 竹内優斗
断章 セントライト王国
18/38

02

本日2話目

 神聖歴四五三年



 勇者は今、玉座の間で王に向かって跪いていた。


「勇者ユウヤよ。約束通り、そなたにはこれから魔王退治へと向かってもらう」


「はっ!」


「そなたにはこの聖剣を授ける。きっと使いこなすことが出来るだろう」


 そう言うと、側仕えの者が剣を渡してきたため、ありがたく受け取る。


「さらに以前話していた通り、そなたのパーティメンバーとして同行する者を、こちらで数名程見繕った」


 そう言って合図をすると、壁際から三名ほどの人物がユウヤの前に現れた。


「それぞれ剣士、魔法使い、僧侶の三名である。勇者ユウヤよ。彼らと共に魔王討伐へと赴き、見事我ら人類の悲願を果たして見せよ」


「かしこまりました。私の力により、見事魔王を打ち果たして見せましょう」


 こうして、勇者ユウヤは旅の仲間を連れて、魔王退治へと向かうこととなった。



 旅をするにあたり、国からは色々と用意をしてもらった。聖剣のことは元より、空間収納のできる指輪や移動に使う馬車など。何日分かの食料も用意してもらい、早速空間収納を使うこととなった。


 そうした準備を終え、いざ出発するとなると、国民総出で旅立ちを見送られた。


 ユウヤはこれだけの期待を背負っているとわかり、必ず魔王を倒すと改めて決意した。



 王国を発ってから数日。勇者一行は馬車に乗って移動していた。


「これから長い間を共にするんだし、皆のことを知っておいた方がいいと思うんだ。だから、お互い自己紹介をしよう」


 そう提案したのはユウヤだ。彼の提案に他の三人も異論はないようで、この場で自己紹介をすることが決まった。


「じゃあまず僕から。僕はユウヤ、皆知っての通り勇者をしている。得意なのは剣術と、少しだけだが魔法が使える。いざという時、切り札の聖剣を解放して使うこともできる。これから仲良くしてくれるとうれしい」


 よろしく、と最後に一言付け加えた。


「俺はルイスだ。剣術しか取り柄が無いが、よろしく頼むぜ」


 次に剣士がぶっきらぼうに答えた。ユウヤより少し年上に見える、赤っぽい服を着た細身の男だ。腰の鞘には、剣の中では珍しい刀と呼ばれる武器が収められていた。


「私はニーナ、魔法使いよ。攻撃魔法は得意だけど、補助や妨害といった魔法は使えないわ。そこのところよろしく」


 魔法使いである女性は、勝気そうな様子だった。ユウヤと同年代で、黒いローブを身に纏っている。魔法を補助するため、手にはロッドと呼ばれる杖を持っていた。


「わ、私はケイトと言います。か、回復と補助魔法が使えます」


 最後の僧侶は、ユウヤより少し年下の少女だった。白いローブを着て、メイスと呼ばれる先端に突起のついた杖を持った彼女は、自信なさげにおどおどした様子で話していた。


 こうして全員が自己紹介を済ませ、皆で会話をしていると、ようやく目的とする国に到着した。



 魔王討伐というが、実際に脅威となっているのは魔王だけではなく、その配下たちも人々を苦しめていた。各地では魔王軍の脅威により、人類の生活圏がどんどん縮小してきている。そのため、旅の中ではそういった場所を解放していくことになる。


 今回到着した国はそういった場所の一つで、侵攻してきた敵軍は鬼人(きじん)族と呼ばれる種族によって構成されていた。

 鬼人族は頭に角が生えていて、二メートルを越す体に、強靭な肉体を持つことで知られている。種族全員が好戦的というわけでもなく、温厚な者もいる。

 しかしながら、魔王軍に属する奴らは特に好戦的で、人類を殺すことを楽しみとしていた。奴らを放っておけば、

 被害はどんどん拡大していくので、一番初めに対処する必要があるということでここへと送られた。


 この国では、全ての兵士を集めて鬼人族が国に侵攻するのを食い止めていた。だが、やはり戦力差というものはどうしようもなく、戦いは劣勢であった。そのような状況のため、勇者一行が到着したと聞くと、国民は大きく喜んでいた。


 勇者一行は彼らに助力するため、現在の状況について詳しく話を聞いた。どうやらこちらの三千ほどの勢力に対し、敵勢力はおよそ一万ほど。

 城壁を使った守りに徹しているため、現状は持ちこたえているが、それもいつまで持つかわからない。国の兵士も終わらない攻勢に段々と疲弊してきており、いずれ均衡は崩れそうということだった。


 守りに徹するだけでは勝てないと思ったユウヤは、自分たちが打って出て、敵の親玉を倒してくると提案した。その提案に彼らは喜びつつも、たった四人でそのようなことが可能なのかとも訝しんでいた。

 けれど、実際にここで証明することは難しいため、自分たちの力を信じてほしいと言うことしか出来なかった。


 そしてユウヤたちは現在、城門の外で魔王軍と相対していた。


 いきなり城門が開いたため、魔王軍としても何が出てくるのかと警戒していたのだろう。けれど、出てきたのがたった四人だけとみると、明らかな嘲笑が見て取れた。


 油断してくれる分にはありがたいので、四人は今のうちに攻撃を仕掛けることとなった。



 まずケイトにより、ユウヤとルイスに攻撃・防御、後は早さが上昇する補助魔法がかけられた。次に、ニーナが敵軍勢を減らすため、大規模な魔法術式を発動するべく詠唱を始める。それを見て、ユウヤとルイスはその場に二人を残し、魔王軍へと駆けていった。


 それを見ていた魔王軍は、こちらが真っすぐ突っ込んでくるのを見てあざ笑っていた。しかし、笑っていられたのは束の間だった。

 背後から飛んでくる大量の氷の刃を見て、今までの態度を一変して、顔を強張らせていた。


 ニーナの氷刃による攻撃魔法が敵に降り注ぎ、次々と敵軍を壊滅させていく。そして、いくらか数が減った敵軍の中、二人は道中斬り捨てつつも、その合間を縫っていった。

 敵軍は混乱していたため、進んでいくのは簡単だった。補助魔法による効果も大きいのだろう、二人は親玉と思われる鬼人族の場所まですぐに辿りついた。


 敵の親玉はこいつだと明らかにわかった。他とは異なり四メートルを超える体躯をしており、他の鬼人族から守られるように立っていたからだ。


 二人は周りにいる護衛を手早く倒した。そして、ようやく親玉と対峙する。


「貴様ら、一体何者だ?」


 奴がそう問いかけてくる。


「僕たちは勇者パーティだ!」


「勇者? なるほど、貴様らがそうか。ならば、ここで俺が始末しておくとしよう」


「はっ! 出来るものならやってみな!」


 こうして、魔族の親玉との戦闘が始まった。


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