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夜明けのまにまに  作者: AL Keltom
おまけ編
86/88

2,これからの事

 


 ――その後、俺たちは街道にそって歩き、そして近くの町にたどり着いた。



 獣人と角の生えた二人組、そして顔を隠した手足の無い男。

 こんな怪しげな連中を、止めてくれる宿はこの町には無かった。



 仕方なく俺たちは、町の外にある林で野宿することになった。

 幸い林の周囲には、他の旅人や商団などがテントを張って宿にしている。

 その中に上手い事紛れれば、不用意に怪しまれることも無い。


 俺たちは、焚火を囲んで今後の事について話し合っていた。



「やっぱりあの女が、今後も何もしてこないなんて絶対ありえない!ここなんかじゃなくて、もっとできるだけ遠くに逃げないと!」


「そうですねぇー、どこか行く当てはあるんですか?」



「どこか遠くまで行けば、安全に定住できるところも見つかるはず!」


「具体的には?」


「それは……特に思いつかないけど………そもそも私、学が無いから、このへんの地理とかも知らないし、文字の読み書きとかもできないし………その辺は全部アルがやってくれたから………」



 ――ん?


「だったら、私の故郷に行きませんか?」


「それって前に俺に言っていたやつ?」



「そうですそうです!あそこなら三人とも周囲から変な目で見られることも無いと思います!食べ物もいっぱいあるし、私の姉妹とか家族も沢山いますよ!」


「ミーニャの姉妹………会ってみたいかも………」


「それってどこにあるの?」



「ここからずっと南の……あの昼間見た山脈を、確かロネ山脈だっけ?を越えた更に南に大きな島があります!そこの森林の一部の地域がそうです!森林と言っても、木の大きさはその辺の木なんかじゃなくてそれの何十倍もある木ですよ!」


「それってあの切り立った崖みたいな山を登って越えるって事?アルを抱えて二人だけで行くにはちょっと……」



「いえ、あの山脈は険しすぎますし、恐ろしい怪物が出るとかで、立ち入り禁止になっています。大回りにはなってしまいますが山脈の両端、海に面したところがあります。そこからなら標高も低く安全に通れます」


「両端ってことは二か所あるの?」



「はい、一方はここから南東にある王国領に、もう一方はここから北西にある帝国領にあります。南に行くわけですから、近いのは南東の方です。実際私も故郷からここまでそっちできたのですが……」


「じゃあ、そうしましょう」


「しかし、王国領をずっと通るわけですから、あの女の追跡が続くと思われます。そう言った意味では、遠回りにはなりますが、帝国領に入ってそこから南下していった方が安全かもしれません」



「じゃあ、そっちにしましょう」


「いや、でも帝国領は奴隷制を採用しています。それゆえに、不法な人攫いも少ないですがあると聞き及びます。私達二人でなら主様を守り切れるとは思いますが、どちらにせよ危険が付き纏うことでしょう」



「だったら、私は帝国の方に行きたい。あの女とは二度と顔合わせたくないし……それに今まで行ったところじゃないから物見遊山としてもいいかもしれないし!」


「ちょっと!私たちは遊びで行くわけじゃないですよ!もっと緊張感を持ってください!」


「少しくらいは気晴らしも必要でしょ!ペットなんだから口答えしないで!!」


「そんなひどいです!主様も何とか言ってやってください!!」


「いや、ミーニャはそれを了承して付いてきたんじゃないの?」



「うぅ、主様までそんな……」


「アルは、どっちがいいと思う?最終的に私はアルの決定に従うわ」



「うーん、そうだね、俺もこの世界を探索してみるのはいいかもしれない。知見を広めるという意味でも、気晴らしという意味でも……でも、帝国って名前はなんか怖そうで……本当に危険は無いの?」


「治安という意味でなら、王国も帝国も変わりません。何なら、ここよりは帝国の方が良いくらいです」



「じゃあ、きまりね!とりあえず、帝国領に入るまでは、先を急ぎましょう!」


「そのために、今日は早く寝てくださいね!明日は夜明け前には移動を始めますからね!!」


「分かってる!」




 いつかのミーニャとしていた野宿生活にフィアルが加わった形になった。

 あの時に比べれば、一人加わっただけでも、会話がかなり弾んでいるのがわかった。


 ――そして、俺たちはミーニャの取ってきた食材を食べながら、就寝準備に取り掛かるのだった。



活動報告に『夜明けのまにまに』のあとがきを掲載しました。

このお話の今後や外伝について書いてあるので、彼らの今後が気になる方はぜひに――

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