第1話 俺、栂谷 漣の日常...とその終焉
新しく執筆活動を始めました、濡鴉と申します!
個人的に好きな「異世界転生」と「科学」を組み合わせてみたいという着想で始めました。
至らぬ点ばかりかとは思いますが、読んでくれる方々と一緒に作り上げていきたいと思っています!
よろしくお願いします!
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???『...やりましたねっ!レン様っ!これでこの世界は救われますっ!』
「............」
???『レン様っ!?大丈夫ですかっ!?』
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........
....
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. . . 夢か?
女神級に美人な人が俺に話しかけていたような...
まあ、現実がこんな俺だから、それこそファンタジーな夢も見ちまうってもんか...悲しいもんだ...
今日も今日とて、ひとり寂しく暮らすボロアパートで目覚め、輝きもない研究所での務めをごくごく無難にこなし、ボロアパートで1日を終える。そんなパッとしない科学研究者。
それが俺、栂谷漣 28歳だ。
小さい頃から数学や理科に興味津々だった俺は、関連分野の本を片っ端から読み漁り、その情報を自分のものにしていくのがとてつもなく楽しかった。
中学生になって英語を習い始めてからは論文にも手を出し始めた。さすがに難しかったが、それを理解し得た時の感動は俺を惹きつけるのには十分過ぎたんだ。
そんな訳で高校大学と、理数科目(+英語)はダントツトップで将来有望とまで囁かれた俺だったが、俺の頭は記憶特化で新しいことは思いつけないらしく、先端研究をする方々のお手伝いとして人生を過ごしている。
......
と、誰に語るでもなく過去を振り返る俺は、今まさに研究室にて実験データを取っているところだ。
他の研究員たちは...まあ、毎度のごとく俺抜きで飯でも食いに行ったんだろう。
もはや、慣れたもんだ。ささ、実験に集中しますかね...
えーーっと? 塩素酸カリウムの自己酸化還元反応のデータ収集...何に使うデータだよ...まあやるけど...
「ねー、漣は行かないのー?夜ご飯ー。」
急に話しかけられてびっくりした。まだいたのか、真夏も。
椎名真夏はおっとりした感じの女性で、同期だからか何かと気にかけてくれるようだ。
『俺はいいよ。まだ実験終わってないし。真夏こそ終わったなら追いかけたらどうだ?』
「んーーーー。いこっかなあ。じゃあそろそろ出るねー。」
『おう、楽しんでこいよ。じゃ、お疲れ様。』
「んー、やっぱりー漣もー...『却下だ』」
「ちぇー。おつかれさまあー。」
おいおい、赤リンは出しっぱなしかよ...
黄リンの処理で精一杯でしたか...
てか何の実験だよ...
はいはい、俺が片付けますよーっと。
どこかぼーっとしていた俺は、塩素酸カリウムを持ったまま赤リンの片付けをしようとしてしまった。
ぼーっとしてさえいなければ、そんなことはしなかっただろうし、床が濡れて滑りやすくなっていたのにも気づいただろうに。
『...うおっ!!??』
俺は盛大にこけた。この時驚きで冴え切った俺の頭は"死"を予感した。
『あぁ。...やらかしt』ドゴォォォォン!!!
赤リンと塩素酸カリウムの大爆発で俺はひとたまりもなかった。
なんてことない人生だったが、こんな終わり方とはなあ...
まあ他の人、特に真夏はいなくてよかった、かな。巻き込まなくてよかった。
...........
.......
「何っ!? 漣! 漣!?」
そんな声が聞こえるような...聞こえないような...
...
そうして俺の意識は消えた。
第一話をお読みいただきありがとうございました!いかがでしたでしょうか?
これから不定期ではありますが投稿していくつもりなので、応援よろしくお願いします!
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