食卓
すいません。投稿が遅れてしまいました。特に弁解の余地もありません。
ただただ謝るのみです。
すいませんでした!
経験はないが喧嘩別れ?のような状況になり、僕は家のは方角へ向けて歩いていた。
その帰り際、良く通うスーパーマーケットの前を通過しようと少し歩き出すと、丁度母さんが店の自動ドアをくぐっては僕に声をかけた。
何処で食べてきたの?と何気ない会話を交えながら、自宅まで荷物持ちを担い、帰路についていく。
15分かそこらで自宅に着いた。
帰宅後は夕飯まで時間はまだある。と、自室のベッドに身体を預けて力を抜く。一刻も早く疲れた身体を落ち着かせたかった。
「今日は疲れた」
大したことなどしてはいないのかもしれない。
でも、身体も胸の内も悲鳴を上げているのがわかる。
重たい感覚から瞼の裏に張り付く。彼女の寂しげな表情。
久しく感じることのなかった電車の中での人肌の温もり。
昨日とは違う今日があり。
今日とは違う明日がある。
今の心境は明日への面持ちをどう言う気持ちで待てばいい。
明日はこれ以上に変化があり、苦労を強いられるのか。それとも今日という日が偶々、災難の重なった日であっただけで、明日には元どおりになるのか。
いつも変わらない日常を送ってこれた僕に、久方ぶりの動揺。
ベットに仰向けで寝そべった状態で、感慨に浸る。
それから数秒。
考え抜いた結果、答えは出た。
……明日は昔と変わらない僕の人生に戻る。
変えさせはしない。
「……ああ、わかっている。僕は君の分まで生きなくてはいけない」
僕の悩む心に反応したのだろう。
音はない。
影もない。
彼は天井を見上げる僕のベッドの横に立っていた。
ギリギリ視界に映り込む君に手を伸ばす。
無言で覗き込む君の瞳には、何も写り込まない。
伸ばし続ける僕の右手。
僕の手が彼のお腹に届くと思った矢先。
彼は消えた。
瞬きをしてしまったのか。彼が自ら消える選択を取ったのか。
未だにわからない。
彼に触れる事は十七年間一度も果たせていない。
この描写だって、何度だって繰り返している。
でも、彼が現れたならそれが正しいと言うこと。
僕はいつもそう思うようにしていた。
「優希!ご飯出来たわよ〜。降りて来なさーい!」
……ハッ。
ベッドに寝転がる僕に向かって、下から母さんの大きな声が、登って来た。
無意識に身体が、びくりと反応した。
「暗い」
いつのまにか寝てたのか。
当然、明るい内に部屋へ上がった為に電気はつけていない。
時計を確認すると既に、18時を過ぎていた。
「何をしてたのこんな時間まで」
14時手前で帰ってから、部屋に上がるまで見届けていた母さんは、煮物に箸を伸ばしながら不思議そうに見つめていた。
「珍しいじゃないか。夕食の時間に下にいないなんて。母さんに聞いたら、14時には部屋に上がってたんだろう?」
母さんの隣。
僕から見れば正面に座っている父さんも、話の流れに便乗する。
大体、食事の時には家族三人で食卓を囲むのが、この家のルールになっていた。
「気づいたら寝てただけだよ」
本当にそれ以下でも以上でもない。
ただ単に寝落ちして、母さんの声に起こされただけ。
だが、普段の僕としてはあり得ないのも頷ける。
いつも疲れるような事はしないし。寝る時間だって、22時と決めている。それで、どうして寝落ちなんてしていたのか。
母さんと父さんはそれが引っかかっていた。
何か学校で変化があったと、勝手に結びつけた表情を浮かべている。
「そんな顔しても何もなかったよ。母さんも知ってるでしょ?僕が授業終わって直ぐ帰って来たことくらい」
二人から送られてくる興味を抱く熱視線を僕は、なんてことない。とご飯とおかずを交互に口に入れていく。
「そうなのかい?母さん」
「んー。そうよねあの時間で帰ってこれるって事は、学校が終わって直ぐに帰ったこないと無理かも」
「ほらね」
父さんは母さんに、そして母さんは僕に重たい気持ちを連鎖させる。
しかし、これで終わらないのがうちの親というもの。
「でも、午前中に何かあった可能性は大いにあると思うわよ?」
「流石母さん。父さんも同じことを思っていたところだ」
何が楽しくて、この二人に僕が責められているのかわからない。
仲睦まじい夫婦である事は、息子の僕が側から見ても理解できる。
だが、ここからがめんどくさい。