人は見た目が九割九分九厘
壁と天井の境目がわからないほど真っ白な空間に、同じく真っ白な丸椅子が置いてある。
長時間居たら発狂しそうなココは…?
『ようこそ、Another Frontier Onlineの世界へ』
女性とも男性とも言える謎の声のした方に振り返ると、昔のSF映画i R○BOTみたいな白い人型が居た。
…私はいつの間にウ○ル・スミスになったんだ?
『はじめまして、私はキャラクターメイキングをサポートさせて頂くAIになります』
お…おう運営よそこはテンプレの美人AIとかじゃないのか
「どうも初めまして、今回はよろしくお願いします」
かなりビビったが、意外とこういう感じのAIも嫌いじゃない。なんかロマン感じるし。
『まず始めに、貴方様のプレイヤーネームを教えて下さい。なお他のプレイヤーとの差別化の為、名前の重複は認められません』
うん、知ってるー。まあおっさんだしそんな凝った名前にしなくても良いか。一応中世風の世界観だし…
「カタカナでシロで」
『その名前は既に使われております』
ノータイムで返された!まぁありきたりな名前だしそうだよな…って事はそこら辺のは全部使われてるかも知れない。
でも考えるの面倒だしネーミングセンス無いから昔ゲームで使ってた名前にしとこう。
「カタカナでシンプソンでお願いします」
『その名前は使われておりません。この名前で宜しいですか』
流石にかぶって無いと思っていたがホッとした。さて次はアバター設定かな?
『次にAFOの世界でのアバターを設定します。身長は実際のものより±10㎝以内の変更をお勧めしております。これより大幅に変えた場合、動作に違和感を覚える可能性がございます。またAFOは現実とは別の世界な為、性別等の変更は自由となっております。』
そこら辺の規約やら何やらは、公式サイトと取説読んだから問題ない。
しかしネカマやネナベOKとはAFOも強気だよなぁ、まあある種そこら辺の揉め事はMMOの醍醐味と言っても過言ではないからな。
「取り敢えず性別は男、自分の外見を素体に身長を10㎝プラスして下さい」
すると突然目の前に2m近いガタイの良いおっさんが現れた。
あー自分で言うのも何だが…これはゴツいな。
自分の元の身長が190㎝近くあり、若い頃から興味本位で空手や柔道などの格闘技に手を出していたからガタイもいい。あまりにも見た目の威圧感が凄く怯えられやすいので、出来るだけにこやかに・爽やかに・丁寧にを人生の標語として生きているくらいだ。
ちなみに学生時代のアダ名は「優しいグリズリー」だった。
それから髪と瞳の色を金にしたり、肌を少し白っぽくしたり、余りにも顔がそのままだと身バレが怖いので全体的に彫りを深めにして、外国人みたいにしてみたりした。
自分で言うのも何だが、なかなか良い感じに仕上がったんじゃないかな?
…海外のアクション映画に出そうな感じでさ。
人は見た目が9割!!(特大ブーメラン)(圧倒的自傷)(ポジティブメンタルで差をつけろ)