2 これってどんなゲーム?
さて、ここらで『マジック&スカイ』というのがどんなゲームなのか、説明が必要だと思う。
前にも話したと思うけど、フルダイブ型のVRゲームはすでに市民権を得た存在だ。『マジック&スカイ』もそんなVRゲームの一つであり、ジャンルとしてはやや人気薄のシューティングゲームだ。
リアルさを追求したフライト・シミュレーターが多い中で、本作はファンタジーな世界観を持った、架空の世界で架空の機体に傭兵として乗り込み、魔法の力で生成されたミサイルやレーザーなどをぶっ放して、魔王軍と戦うというゲームだ。…………ツッコミどころがあるのはさておき、本作のウリはプレイヤーの操縦する機体やそれに搭載する武器を、ある程度自由に組み合わせることができるところ、そして公式サイトに動画が載っているブレス攻撃だろう。
たとえば、すべてのプレイヤーには三種類の機体がデフォルトで支給される。バランスの取れたドラゴンタイプ、パワーと装甲の厚さが自慢のビーストタイプ、その逆でパワーも装甲もやや頼りない代わりに機動性に優れたイーグルタイプだ。そしてそれぞれの機体で共通して装備可能な武器、タイプ専用の武器がある。
武器の種類としては、定番のミサイルとレーザー、誘導弾に地上攻撃用の爆弾、単なる魔力の弾なんてのもある。各エリアに存在するショップで武器を購入することが可能で、ショップによって品ぞろえも違うそうだけど、強い武器は機体もある程度強化されていることが装備条件になる。だから強いフレンドから強力な武器をもらって一気にパワーアップ、とはいかないらしい。
また機体と武器には属性が設定されている。光と闇の両方を含んだ光属性、炎系や氷系といった魔法そのものの魔属性、ミサイルや雷系の金属性、そしてどれにも該当しない無属性だ。光は魔に強く、魔は金に強く、金は光に強い。無属性にはそのような強弱関係は無い。
そして注目すべきは、機体ごとに異なるブレスを吐くことが出来るってことだ。ステージ中で敵を倒したり、ダメージを与えたりするとゲージが貯まっていき、マックスになるとブレス攻撃が可能になる。効果は抜群で、一気に形勢逆転も狙えるらしいので是非とも試したい。
また機体の進化度によっては、武器や機体の性能を向上させるオプションの装備箇所が増えることもある。今さらりと触れたけど、機体は敵と戦って経験値を積むと、進化させることが可能だ。最初の進化は経験値だけでいいけど、二回目以降はステージで倒した敵がドロップする素材を集める必要もあるそうだ。進化に使用する素材によっては、進化後の機体に属性がつくらしい。まあ、特に変わったシステムという訳ではないけれど、こういう何度も周回させる要素があるからプレイヤーも集まって来るんだろうね。進化についてはこれだけではなくて隠し要素もあって少しややこしいらしいので、ロージーに教えてもらいながら追々理解していこう。
そうそう、機体に搭載しているのは武器とオプション装備だけじゃあ無い。機体の生命線とも呼ぶべき、シールドとマナ・ジェネレーターがある。シールドはもちろん敵の攻撃を防ぐためのものだ。これが全損した後にもう一度攻撃に当たるとそこでゲームオーバーになり、ステージから町へ転送される。RPGと違ってデスペナルティなんてのは無いし、古いゲームのような残機性でも無いので、やる気があれば何度でもリトライ可能だ。
マナ・ジェネレーターは、簡単に言えば機体のエネルギーを作り出す心臓部だ。これで生み出されるマナが武器の弾薬となり、破損したシールド回復にも使われる。ということは、大きなダメージを受けてしまうとシールドの回復にマナがたくさん回されることになり、攻撃がし辛くなる。もし無理に攻撃すると、シールドの回復が遅れてしまう。だから、どちらを選ぶかの戦略も問われるし、シールドとマナ・ジェネレーターは資金を優先的に回して強化していかなくてはならない、とはロージーのアドバイスだ。もっとも、シールドとマナ・ジェネレーターは進化させるのではなく、先の町へ行けばどちらもより強いものが売られているそうだ。もちろんこちらもレベル制限があるので、いきなり高いものを買っても使えない。
ステージについても説明しておこう。ゲームの舞台となる、タイラリアン王国は魔王軍の侵略を受けている、という設定だ。王国はいくつかのエリアに分けられており、各エリアは複数のステージで構成されている。プレイヤーがステージをクリアすると先のステージに進めるようになり、エリアボスのいるステージをクリアすれば次のエリアと町が解放される。もしチームを組んでいる場合は、メンバーの誰か一人がクリアしたステージなら他のメンバーも間のエリアをスキップして挑戦可能だけど、まだ行っていないエリアのステージまでは無理なのだそう。
そしてステージをプレイするには、町のどこからでもメニューを開くことで行ける待機ルームでチームメンバーが揃うのを待ったり、野良で募集をかけることも出来る。いざメンツが揃えば、もちろんソロの人もだけど、そこからステージへと機体ごと転送される。それまで機体はメニューの中にしか存在しない。発進ドックのようなものがないのは、たぶんレイド戦のように集まる人数が多くなると場所が取れないからだろう。
そうそう、このゲームには特殊ステージとして、特定曜日しかオープンしないレイドステージと素材集め用のステージ、常設のスコアアタック、PvPといったものがある。ま、ビギナーの僕にはあまり関係なさそうなところばっかりだけど、ある理由からスコアアタックには挑戦してみたいとは思っている。
うん、僕がロージーから聞いたり、公式サイトで集めた情報で今知っているのはこんなところか。最初のステージは無事にクリア出来たし、次のステージへ行ってみよう。
属性の設定追加と、武器の進化を削除しました。属性があった方がバリエーションも増えますからね。武器の進化まであったらややこしいので要らないな、と。
光属性はレーザーしか思い付かんかったので、闇も含むことにして、種類は少ない代わりに強いのが多いというようにしようかと。




