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マジック&スカイ  作者: 安良久 理生
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プロローグ

 僕の目の前には死神が飛んでいる。

 そいつは虫のような姿をしている。それも一メートルはありそうなデカいやつだ。ぱっと見ても蚊をモチーフにしたのだろう、全身は細身で顔の先っぽに尖った針のようなものが付いている。もっとも、体の色は黄と緑で悪趣味だ。

「うわああぁっ!」

 もう少しでぶつかりそうだったのを、必死に体を捻って避けようとしたけどすぐに思い出して、機体を左に旋回させてギリギリで回避に成功する。僕のすぐ右横を、大きな蚊が羽音をたてて通り過ぎる。

「あっぶなー!」

 少し距離をとったところで、機体に取り付けられたサブウェポンを発射。初心者向けだとして、ロージーから勧められた誘導式の小型の爆弾というか、円盤というか、とにかく二個の物体が機体から放たれる。操縦席からは背後がよく見えないので、さらに左へ旋回すると、ちょうど大きな蚊に攻撃が当たったところだった。その瞬間、蚊の上にはHPを示すゲージが表示され半分まで減るのが見えた。

「もう一丁!」

 まだメインウェポンの射程範囲には入らないので、再度小さな円盤爆弾を発射。操縦席に備えられたマナゲージが減少し、ゆるやかに回復していく。怒った蚊がこちらに接近するが、その前に爆弾が爆発して敵のHPを全損させる。

「よっし」

 僕はそこで小さくガッツポーズをするが、ふと顔にかかる影に気が付き、見上げると上空から別の蚊が急降下してくるところだった。回避は間に合いそうにないが、慌てて加速用のペダルを踏み込もうとした時、僕の機体の下方から多数のミサイルが飛来する。ミサイルは連続して敵に当たり、一気に敵を消滅させた。直後、ロージーの操る野獣のような機体が下から飛んできて横に並んだ。

「ヒロー、油断しちゃだめだよ」

 操縦席のスピーカーから彼女の声が聞こえる。

「ごめん、助かったよ」

「いいってことよ」

 くすくすと明るく彼女は返してきた。

「さ、ステージクリアまであと三匹、付いてきて」

「うん」

 ロージーの機体に先導されて、僕たちは飛んでいく。


 ここはVRゲームの世界。『マジック&スカイ』の空だ。

 そして今日が、ロージーに誘われてこのゲームを始めた僕の初飛行になる。

亀更新予定。

一週間に一話か二話くらい書ければいいかなーと。

あえてRPGではなくSTGですが、はたしてどこまで行き着くか。

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