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Brain Project  作者: SARU
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旅立ち

第2話投稿遅くなりすみませんでした。

さて、前回はよく分からないところで終わってしまったので今回は自分なりに綺麗に整えたつもりです。

少しずつ成長していきたいと思うので温かい目でBrain Project第2話をご覧下さい。

第2節、旅立ち




「システムアナウンス、システムアナウンス」

無機質で機械的な響きのある声が中央都市セントラルフロントに響き渡った。

「な、なんだ、、、、!」

「何が起きてるってんだよ、、。」

周囲から困惑した声が聞こえる。今、ここにいるプレイヤーは実に千万人はいるだろう。パニックが起こればたちまち大混乱となる。そんなことを危惧した俺を嘲笑うかのようにシステムアナウンスが響き渡った。

「《ワールドエンド》にログインしているプレイヤーの諸君、こんにちは。」

ボイスチェンジャーを使っているようで、不安を煽られる声だった。

「説明するまでも無いと思うが、私が君達をこの世界、《ワールドエンド》へと強制ログインさせた人間だ。」

「なんだと、、、!」

俺は戦慄していた。今この《ワールドエンド》内部にシステムアナウンスを流せるということは、このハッカーは完全にシステムを掌握したのだろう。今の俺に分かることは、なにかとんでもなく良くないことがこれから始まるということだけだった。

「私は別に君達をどうこうするつもりは無い。身代金目的さ。だから安心してくれていい。」

なるほど、確かに身代金目的なら俺達に危害を加えることは無いだろう。

「おっと、、敵の妨害、、、はい、、うだ、、。」

突然、男の声にノイズが入り聞こえなくなった。

その直後、今度は別の男の声が聞こえてきた。

「プレイヤーの皆さん、落ち着いてよく聞いてください。現在一時的にシステムを取り戻し、システムアナウンスのみできる状態にあります。」

どうやら正規の運営がシステムの一部を一時的に取り戻し、システムアナウンスをしているようだ。

「犯人は身代金目的と言っています。確かにこれは事実ですが、身代金が入っても皆さんをログアウトさせる気は無いようです。皆さんがログアウトする方法はただひとつ。このゲームの最終ボスを倒し、その先にあるシステムコンソールで犯人が展開したファイアウォールを突破することです。」

「なん、、、だと、、!」

このゲーム、《ワールドエンド》にはグランドクエストがある。それは世界の果て《ワールドエンド》にたどり着き、最終ボスを倒して世界の終焉を止めること。だがこのゲームが開始されてもう20年経っているが未だに進んだ割合は30%程と言われている。

「現在こちらでも解除を試みていますが恐らく内部のコンソールからでないと解除はできません。」

「無理に決まってんだろ!」

「何十年かかると思ってんだ!?」

途端に周囲から罵声が響く。当然だろう。20年で30%ということは、単純計算であと50年程かかるのだ。

「・・・・・どうやらそろそろ時間のようです。こちらも全力を尽くし・・・ブツ!」

どうやら回線が切れたらしい。男の声は聞こえなくなった。

「ふざけんなっ!」

「クソが!クソが!」「俺らをなんだと思ってやがる!」

突如、次々と罵声が響きわたった。中には狂ったように剣を振り回す奴までいた。

「恐れをなしたみたいだね。」

突然後ろから話しかけられて驚きながら声の主を見る。そこにいたのは俺の親友であり、最高の相棒シズクと俺の幼なじみであるサクヤだった。

「びっくりさせんなよ。イカれた野郎に襲われるのかと思ったぜ。」

「それはイツキが臆病なだけだよ。」

それからお互いニヤッと笑う。こんな状況だがシズクとのこういうやり取りは心に平穏をもたらすようだ。

「二人とも黙って。さっさとここを離れましょう。」

サクヤにガシッと腕を掴まれて引っ張られる。コイツはいつもこんな風に俺達の軽口を適度なところで止めて、正しい方向に導いてくれる。

「分かったからサクヤ、離してくれよ。」

「じゃあさっさと自分で歩いて。」




「で、これからどうするんだ?」

路地裏まで引っ張られ、ようやく止まったのでこれからの予定を聞いてみた。

「決まってるだろ。僕達がこのゲームをクリアするんだよ。」

「は?何言ってんだ?正気か?3人だけじゃ到底無理だぞ。」

シズクは馬鹿ではない。そもそもこのゲームをクリアすること自体難しい話だということは、とっくに承知かと思っていたが。

「それが可能なんですよ。サクヤ、見せてあげて。」

するとサクヤは一枚の紙をオブジェクト化した。

「これ、読んでみて。」

受け取って読んでみる。

「えーっとなになに、クリアまでのクエスト詳細。

双月は光輝く、灼熱地獄、ワールドエンド・・・。

これはなんだ?なんでこんな物を持ってる?」

これは普通のプレイヤーが持っているようなものではない。

「えーっと、その・・・。なんかよく分からないけど何故か私のアイテムストレージに入ってたの。」

「入ってた・・・?いつからだ?」

「多分、さっきのハッキングしてきた人の話が終わってから。」

「なんだって・・・?」

恐らくこれは正規の運営がこのゲームをクリアするためにランダムに選ばれたプレイヤーに渡したのだろう。だとすれば俺達はこのゲームをクリアする義務があるわけだ。

「よし、とりあえずあと3つのクエストをクリアすればいいわけだろ。なら思ってたよりずっと簡単だ。まずはこれをすべてのプレイヤーに公開して、全員でかかる用意をしよう。」

「そうだな。このクエストは全部最高難易度だけど、みんなでやればそんなに難しいものじゃないよね。」

シズクも前向きだ。思っていたよりも簡単かもしれない、そんな希望が見えて俺達は少し前を向くことができた。

「よし、行こうぜ!」

俺が叫ぶとあとの2人もついてきた。さっきの街に向かって走り出す。どこからか雷鳴に似た音が聞こえたが俺は止まらず駆け抜けた。

ご覧頂きありがとうございました。

今回はイツキ以外にも主要キャラが出てきました。シズクとサクヤですね。基本的にこの二人にイツキを含めた三人で、この物語は進んでいくのでこの三人は特に心理描写を書いていきたいと思っております。

さて、今回から次のお話の題名だけ後書きで書いていこうと思います。何故かというとなんとなくかっこいいからです。はい、完全に自己満足です。

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。

それでは第3話、闇の剣士アリスをお楽しみに。

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