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Brain Project  作者: SARU
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襲撃

VRMMOモノを書いてみたいと思い、書いてみました。Brain Projectは自分の作品では2作目となります。

まだまだ慣れないことばかりですが頑張りますのでよろしくお願いします。

〜プロローグ〜



2039年、現在の日本では新生児の脳にAIを搭載したチップを埋め込み、その人間の視覚や聴覚などの五感にアクセスすることによって限りなく人間に近いAIを誕生させる計画が進んでいる。

この計画は2019年からスタートしたが、今のところそのチップによって、なんらかの事故が発生したという事例は報告されていない。

このチップは保護者の同意無しには埋め込めないためAIを搭載しない新生児もいるがそれは少数派であり、約8割はチップを埋め込むことに同意する。その理由は、このチップを搭載することでゲームができることにある。このゲームはただのゲームではなく仮想世界に行くことができるのだ。ジャンルはMMORPGであり、プレイしているとまず空間認識能力が高まることが立証されたため賢い子が増える。またジャンル柄、人と関わることも多いためコミュニケーション能力が鍛えられるのだ。最近の子どもはこれらが不足していたため、このゲームをさせることによってこれらの能力を養おうとする保護者の考えからAIを搭載する新生児が増えたのだった。

この計画が開始されてから20年がたった2039年、現在でも真性AIを誕生させることはできていなかった。






第1章〜旅立ちの日



第1節、襲撃



俺の名前はイツキ。17歳。ごく普通の高校生だが俺はほんの少しだけ特別扱いされることがある。それは俺の頭に搭載されているAIである《サリア》が少し優秀だからだ。《サリア》はNo,100000、つまり100万番目に誕生したAIだ。俺は幼い頃から俺のチップに搭載されているゲーム《ワールドエンド》で遊んでいた。《ワールドエンド》をすると現実世界で生活しているよりもAIが学習しやすいらしい。俺はこのゲームの世界に深く魅了されていた。

現在、2039年の今はどこも真性AIの研究機関になってしまい子どもが遊べるような空間は無かった。だから俺はこのゲームにのめり込んだのだ。どこまでも自分の力で歩いて行けるこの《ワールドエンド》は真の別世界だった。



「おい!幕上!」

ハッと目が覚めた。どうやら授業中に眠ってしまったらしい。

「あぁ、すみません。」

この先生は口うるさくああ言えばこう言うことで有名だ。素直に謝っておいたが、

「黙れ、俺が聞きたいのはそんな言葉ではない。いくらお前のAIが優秀でもそれはお前が優れているわけではないんだよ。ちょっとばかし優れているからって調子に乗るなよ。」

そう、確かにそうだ。確かに俺が凄い人間な訳では無い。昔から俺は同じようなことを言われ続けてきた。俺の周りの大人はみんなそうだった。このAIを搭載する制度は2019年に始まったので今の大人にはチップがない。《ワールドエンド》をすると空間認識能力が高まるという学者の意見はやはり正しかったようで今の子どもは賢く、中には学校の先生よりも頭がいい子もいるようだ。そうなってくるとやはり大人としては面白くないわけでたまにこのような大人がいるのだ。

「すみませんでした。今日は体調が優れないので早退することにします。」

こういう醜い大人を見るのに疲れていた俺はなんだか授業を受ける気にはならずそのまま帰ることにした。

俺の父親もこういう人だった。昔からそれなりに成績の良かった俺は《ワールドエンド》に没頭していてもあまり両親に口うるさく言われなかったが、それが父親の怒りを買ったのか父親は事あるごとに

「お前が褒め称えられているのはお前自身が優れているからではない。自惚れるな。」

と言っていた。

ふうっと息をつきながら俺は見慣れた道を帰った。





俺はレベル356のネームドモンスター《フロストキラー》に対し炎属性値120の単発技《紅蓮斬》を繰り出す。「ピギャー!」というありがちな断末魔と共に《フロストキラー》は倒れた。

「エクセレント」という機械的な声に俺のレベルが397に上がったことを伝えられる。早退した俺は特にすることも無いので《ワールドエンド》をプレイしていた。いつもはパーティを組む仲間がいるが、みんな学生なのでまだ学校にいるだろう。そのため今日の俺はソロだった。

「キモいな。あんなのがいるからこのゲームは民度が低いって言われんだよ。」

「ホントそれな。」

近くから声が聞こえた。俺に向けて言っているのだろう。こんな時間帯にログインしている奴なんて、俺のように学校を何らかの理由で早退した奴か、不登校やニートしかいない。MMORPGなのだからこういうことはしょっちゅう起こる。その気になれば俺は、このプレイヤー達をキルすることは可能だろう。だがいちいちそんなことでプレイヤーキルなんかしていたら俺は1日100人くらいキルしなければいけなくなる。

「キモいか、、、。」

俺はしょっちゅう半ば嫉妬じみたことを言われる。それは俺がトッププレイヤーだからだろう。

現在の《ワールドエンド》の平均レベルは大体100だという。いかに俺が突出して高レベルなのかが分かるだろう。だが俺は、目立たないようにできるだけレアな装備を付けるのは控えるようにしている。それでも目立ってしまうのはそれなりに有名になってしまったからだ。《最強の剣士》や《最強バカ》などと数々のいらない称号を頂戴している。なんだか疲れてしまった俺はそそくさとログアウトした。




「速報です。現在ブレインチップ社のサーバーが何者かによってハッキングを受けているとのことです。今のところ詳しいことは分かっていませんが情報が入り次第お伝えします。」

ニュースキャスターが慌ただしく速報を伝えた。ブレインチップ社とは俺達の脳のチップを管理している会社の名前だ。何が目的かは分からないが、どの道何もできないだろう。俺達のチップの情報は、何重ものファイアウォールによって厳重に守られていると聞いている。どのぐらいすごいかと言うとスーパーコンピュータでも突破するには100年以上かかるらしい。人間ごときがいくら頑張っても乗っ取るのは不可能なのだ。

突如、俺は強烈なめまいに襲われた。視界が歪む。

「なんだ、、、!これは、、、?」

そのまま俺は倒れ込んでしまった。突然目の前に《ワールドエンド》にログインするときの画面が現れる。実際に現れる訳ではなく俺の目にはそう見えるというだけのものだが。その画面にはsystem errorとだけ書いてあった。

「強制、、、ログイン、、、!?」

その直後、俺の意識は途切れた。




「なんなんだこれは!」

「ふざけんな!」

ものすごい喧騒の中俺は目が覚めた。

「なにが、、、起きたんだ?」

俺はまずここがどこなのか考える。今俺がいるのは間違いなく《ワールドエンド》の中央都市セントラルフロントだ。次に現在の状況を考えた。が、何も分からなかった。唯一分かるのは俺と同じように何も分からないプレイヤー達が俺の周りに数え切れないほどいるということだけだった。

《第1節,襲撃》では、イツキがハッカーによって《ワールドエンド》内部に閉じ込められるところまで書けました。トッププレイヤーであるイツキにはこれから大きな壁がありますがイツキと一緒に《ワールドエンド》を攻略していきたいと思っています。これから頑張りますのでよろしくお願いします。

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