九話め。バカにならなりきれるけど、かっこよくとかはなれません。
笑いかけに行く。
口頭を挙げ、目を細める仕草。
……なにやらネタとかするのとは違う恥かしさがありますねコレ。
遠めに幽霊娘を捕らえているものの壁があるかのように俺はウロウロとしてしまう。
不詳ワタクシメは女の子に笑いかけるなんて恥かしい事をした事が無い。
全裸で踊れと言われれば、葉っぱ付きでスリラーだろうが盆踊りだろうが踊りきってみせる自身があるのだが。
「……お前は今とんでもなくバカな事を考えて無かったか?」
後ろから失礼なことを言われた。
振り返った先に居たのはイケメン。
俺の勇士を見に来たというより、面白い物を見に来た感じである。
そんな顔の良い糞野郎に悪態を付く。
「ウルセー! そういうのペンギンって言うんだゾ! コラァ!」
モヤモヤを散りあえずイケメンにぶつけてみる。
「偏見な。 何でお前北極生まれになってんだよ」
っぐ、っぐぐぅ。
普通に突っ込まれて普通に恥ずかしい!
「へっへー! 残念でしたー! ペンギンは南極にも今すぅー! 俺が言ってたペンギンは南極の方ですぅー!!」
「俺はテメーのそんな感じのムカツク会話がしたくて来たわけじゃねーんだよ!!」
イケメンに青筋が立っている。
どうやらストレスのお裾分けには成功したらしい。
取り合えず一矢報いる事は出来たよう。
「どーせ女の子に笑いかけるとか恥かしくて出来ねー、 全裸で踊れといわれれば葉っぱ付きでスリラーだろうが盆踊りだろうが踊りきってみせる自身はあるのだが……。 とかしょうもねー事考えてたんだろうが」
一文字一区間違えずに当てられた!?
「テメーエスパーか!!」
「ソワソワウロウロしてる後姿見てたら誰だってわかるっツーの」
教えて天にいるお母様。
全裸でスリラー踊ろうとか考えてるのが解る後姿ってどんなのでしょうか。
いやお母様死んでないけど。
「ったく、じれったいな」
「俺はお前みたいに慣れてねーんだよ!」
「女の子に話しかけるなんて簡単だろーが!」
「シャイなんです。ぼかぁシャイなんですぅ」
「全裸で踊れるとか考えられる奴にシャイなんて言葉が当て嵌まると思うなよコラ」
「……」
暫しの無言タイム。
イケメンの言葉に俺の頭の中で審議中...審議中...審議中...
審議終了。
「……いや当て嵌まるだろ」
俺の言葉にイケメンが、がっくりと肩を落とす。
「じゃぁ俺が口説いて来てやるよ! お前が凹む面を拝んでやるからな!!」
そう言って何故か俺に意味深な笑みを向けるとイケメンは幽霊娘に向かって歩き出した。
あの野郎まさか俺より先にアゲハを笑わせて、やーい笑わせてやったぞーみたいな事する気か! 子供か!!
いやアイツはそういうキャラでは無い。
それじゃ何だあの意味深な笑いは。
良く解らんが、アイツの素敵笑顔で幽霊娘が笑うのだろうか
……見物させて頂こう。
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