表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

1.キャベツ畑

青い空。


白い雲。


今日もいい天気。


空気もおいしいし、水分で体も潤っているわ。



私はキャベツ畑のキャベツ。


だけど、私の畑の周りは、現実では見たこともない、生き物がうろついているの。


例えば、空には大きな翼の生えた恐竜みたいな生き物も飛んでいるのよ。


近くの林には、豚顔の大きな人間と剣を持った人間が戦っていたこともあったわ。


え?何でキャベツなのに見る事が出来るかって?


何故だか分からないけど、周りの事が視覚情報として分かるのよ。


もちろん私に目なんてついてないわ。キャベツだから。






私は昔、人間だった。


交通事故で死んで、キャベツに転生したみたいなの。


正確には外見がキャベツの植物よ。


色々と体の感覚を調べたり、得られる視覚情報等で判断した結果、このキャベツ畑のキャベツは全て私の体なの。


地面の中では、根っこですべて繋がっているの。


竹で言う地下茎ね。養分も根っこに蓄えられるわ。


あと、驚くことに蔓の触手みたいのが出て、動かせるの。


キャベツを食べにくる外敵を追っ払う事に使っているわ。とても便利よ。


でもそんなキャベツは存在しないわよね。


私も分かってる。そんなキャベツはキャベツじゃないわ、化け物よ。


でも、畑に並んでいる様子を見てくれると分かるけど、日本人なら私をキャベツと呼ぶわ。


だから、私はキャベツって事にしてね。


そしてもう、キャベツだという事を自覚して2日経つわ。


私は根っこを少し伸ばしてみたの。


土の中にすごい養分の塊があったわ。


その周囲の土は、凄い濃厚な窒素源など力の源がしみだしているのよ。


私は、何だか分からないけど根っこを伸ばして養分を吸収したわ。



キャベツだから人間の味覚とは違うのだけれど、



とても美味しい。



そして、養分を吸収して1週間ほど経ったわ。


私の地上に出ているキャベツの2つが大きくなったの。


その大きなキャベツの中では、赤ん坊みたいな生き物が発生している感覚があったわ。


そう、赤ちゃんよ。たまに中で動くの。


ビックリね。


そして、数日後、赤ちゃんが生まれたわ。


おぎゃー、おぎゃーって泣くの。


あそこを確認したら付いてなかったわ。


可愛い女の子達よ。


でも私は転生前、結婚もしてないし処女だったのに、2人の母親になっちゃった。


ちょっと微妙な感じ。


赤ちゃんを産んだ後の葉っぱは、触手と同じく動かせるので、赤ちゃんを抱いたりしたわ。そしてその葉っぱの空間はまるでベビーベットのようよ。


後、触手の一部が変わって先っぽから栄養満点の液が出るようになったの。


その栄養満点の液はキャベ液って呼ぶわね。


私は、キャベ液を赤ちゃんに飲ませて育てたわ。


驚いたことに、すくすく大きくなっきたの。


次の日にはもうハイハイもして生まれたキャベツの近くを動き回っていたわ。


でも眠くなるとまた生まれたキャベツの所に戻って寝たわ。


そして、3日で10才くらいの体になったの。


その娘達に、私は葉っぱとキャベツの粘液でワンピースの服を作ったわ。


すごくかわいい娘達よ。


娘たちは私に話しかけるの。


「ありがとう、ママ。」


音声に混じってテレパシーみたいなもので私の思考に届いたわ。


その後も、娘たちは私からキャベ液を飲み、数日後には高校生くらいに大きくなったのよ。


成長速度は化け物だけど、可愛いし、私が生んだ娘だから感動ものだったわ。


そして娘たちは、「ママ養分持って来るね。」と言ってふらっと出て行ったの。


何処に行ったのかしら、私は心配したわ。


でも私は動けないの。何もできなかった。


心配で眠れない夜が続いたの。



数日後、娘2人は男性を2人連れてきた。


イケメンの2人よ。


恰好は、服の上から鎧みたいなものを付けているわ。


良くRPGのゲームで出てくるキャラみたい。


やっぱり、ここ異世界なのね。


でもすごいわ。彼氏なんて。


私も恋がしたい。



でも、娘たちは私に『イケメンさん達には話しかけないで』ってテレパシーで伝えてきたの。


そうよね。母親がしゃべるキャベツじゃイケメンに嫌われちゃうわ。


私は温かく見守ることにした。



娘2人は、そのイケメン達と仲良さそうに、話をしたり腕を組んだりしていたわ。


羨ましい。


しばらくすると娘達は、こっそり私にテレパシーを送ってきた。


『ママ、ちょっともらうわね。』


娘達は私のキャベツ部分の一部を摘み取った。


「お兄さん達、これ美味しいんだよ、食べて食べて!」


と娘の片方が言った。


「そうか、キミが言うなら美味しいんだろう。」

「そうだな。食べてみるか。」


とイケメン2人は答えた。


そして、私の葉っぱを一口食べる。


「う、何だこの甘さは!」

「おおスゲー!美味いぞ。」


バクモグバクモグ!


大きな葉っぱは瞬時に食べつくされた。


「もっと食っていいか?」

「俺ももっとだ。」


とイケメン2人は娘達に言う。


娘達は『ママ、またもらうね。』と言って葉っぱを数枚取ってイケメンに差し出す。


「「はい。食べて。」」


イケメン達は夢中で食べ始める。


結構大きいい葉っぱなので、数枚食べるとイケメン達は満足したわ。


「美味かった!なあ、健太。」

「ああ、ほんとに美味い。こんな葉っぱ初めてだ。」


するとイケメン達は、あくびをし始めて、その場で寝てしまったわ。


そして、娘たちが私に言うの。


『ママ、早く養分を摂取して。』


え?なに?


『養分ってなあに?』


と私は娘たちに聞いたの。


『ママ、それよ。起きないうちに摂取して。』


と娘たちはイケメン2人を指さした。


私は、目を疑った。


しかし、寝ているイケメンを見ていると不思議な感情が沸きあがったの。


美味しそう。


思わず私の触手が伸びる。


そして葉が伸びてイケメン達を包む。


イケメン達は葉っぱの中で私から出る黄色い液に浸かる。


「「気持ちいい。」」


とイケメンは寝言で言う。


そして数時間後、とけて私の養分になった。


養分は吸収して根に送られて蓄えられた。




終わった後、私はなんて事をしてしまったのだろうと思った。




でも、ここは異世界。”こういう世界なんだわ”と思った。




そもそも子供を産むキャベツ何て化け物だから。




私は魔キャベツね。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ