ケルさんのご飯係③
「(特売の洗剤が残っていて良かった……)」
ニコニコしながらショウはアパートのドアを開いた。
ドアが開いた音がケルの耳にも届いたのだろう。
けたたましく鳴き始めたケル。
しかも入っているケージに体当たりしている音も。
「がぅがぅ!がぅがぅ!ぐるるるぅ………!!」
「今から開けるから少し待ってて」
鍵を小皿の上に置き、ケルのケージを開けたショウ。
開けた瞬間にケルはショウの胸に飛び込み、尻尾を激しくフリ始める。
「ただいま。ケルさん」
「ぐふぅ………ぐふぅ………」
ショウに優しく頭を撫でられご満悦のケル。
とりあえず自分のお昼ご飯は何を作ろうかとショウが悩んでいる時だった。
ブー!ブー!ブー!ブー!ブー!ブー!ブー!ブー!
スマホのバイブが響いた。
ショウはケルを抱き上げたままスマホを操作し、届いたメールを確認した。
少しだけ目が冷たくなった。
「今日の夜か………」
机にスマホを置き、ショウはケルに話しかけた。
「ケルさん。今日の夜は何時ものご飯が食べれるよ」
「わふぅ!わふぅ!わふぅ!」
何時ものご飯っと聞いた瞬間、大喜びのケル。
テンションが上がったケルを下しショウは黒色の鞄を開けた。
「(えーっと………ノート、ノート)」
あった、あったと1冊のノートを手にした。
パラパラと捲ると残りがあと僅かだと気が付いた。
「もう、このノートも終わりそう…また新しいノート頼まないとなぁ……」
ノートを閉じ、黒色の鞄に閉まった。
ケルの方に目を向けると今だにテンションがMAX状態だ。
「まだ時間はあるから、お昼ご飯を多めに作って……夜はそれを食べれば良いか…」
豆腐があったら麻婆豆腐にしようっと考えながら料理を始めたショウだった。
その後は何時も通り洗濯物を仕舞い、ついでにトイレ掃除もしたのであった。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
晩御飯を片付け終わると時間を確認した。
午後8時。
「(もうそろそろ行かないと………)」
何時も学校で着ているコートを着てマフラーを首に巻きながら、爆睡しているケルを起こした。
「ケルさん。起きてー。ご飯食べに行くよー」
「わぶぅ!!」
びっくり箱の様にケルは飛び起きた。
再びテンションMAX状態。
「落ち着いてケルさん。リード付けれないでしょ」
よしよしっと頭を撫でながら、ショウはケルの首輪にリードを付けることが出来た。
「電気よし。ガスよし。水道よし……っと」
最後にノートが入っている黒色の鞄を肩にかけ、アパートのドアに鍵をかけた。
「ケル、行こうか」
「わふぅ!!」




