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絵本より、世界一幸せな魔女さまへ  作者: 早乙女 仲人
ああ、なんて夢見がちな女の子!
7/15

世界一の、王子様!

少女は夢を見ておりました。

優しい母と、少し不器用な父に頭を撫でられて、くすぐったくて、少女は笑います。


そんな少女を、母と父は愛おしそうに見下ろして、そして、甘い甘い言葉を吐くことを。


「可愛い可愛い、私の子」


「可愛い可愛い、俺たちの子」


そう、言われることを(愛されることを)


少女はずっと夢を見ておりました(願っておりました)


そんな日が、来ることはありませんでしたが。


―――――


遠くの方から、馬車が揺れる音がします。

遠くの方から、馬の足音が聞こえます。


村にいる子供たちは無邪気に遊ぶ笑い声(ノイズ)が聞こえてきます。

少女は、耳を塞いで、目を固く閉ざします。


少女にとって、村にいる子供たちの声はあまりにも、幼くて可愛らしくて(憎くて)元気で(吐きそうなほど)楽しそうな声(耳障りな声)だったのです。


そんな時でした。コンコン、と窓がノックされたのです。


少女(眠り姫)はゆっくりと瞼を開けました。そして、微かな欠伸を零しながら、窓の方に視線をやります。


そして、目をぱぁっと、まるで太陽のように輝かせたのです!


そこには、王子様が立っておりました。


太陽に照らされ、キラキラと輝く金色の美しい髪と、まるで海を閉じ込めたような青い瞳。


ああ、まさに世界一の、王子様!(少女の朧気な理想)


王子様はうっそりと微笑ます。

少女は、飛び出さんと言わんばかりに窓を開けました。

王子様は、確かにそこにおりました。

少女は、幸せそうに微笑みました。


王子様は、そんな少女に手を差し伸べます。

少女は、その手を取りました。


王子様は、少女に笑いかけました。


「迎えに来ました、私の愛しい人よ(おひめさま)


少女は、照れたように笑いました。


「もう、遅いですよ。私の王子様(理想の人)!」


王子様は、くすくすと笑みをこぼしました。


「申し訳ありません」


おひめさま(少女)もつられて、くすくすと笑みをこぼしました。


「まっていました。ずっと」


おうじさまは、おひめさまの手をとると、キスをおとしました。


「わたしの おひめさま(わがままなひと)、さあ いきましょう」


それから、その むらで おひめさま(少女)の すがたを みたものは とうとう おりませんでした。



____ところで、貴方はどうして閉じようとしているのでしょうか?


まだ、終わってはいませんよ。


夢は、まだ覚めません!

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