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君と歩んだ日々、君と離れて歩いてきた道。

 途中、湯屋へ寄って身体を洗ってきた。

 まあなんというか、酔ったままって訳にもいかなかったしな。

 幾分濡れたままの髪を厚手の布で拭いて、肩に掛ける。


 恰好悪いか、なんて思ったが、ここで部屋まで戻るとギルドに来るのが億劫になる。理由はあっても、別に今日じゃなきゃいけないなんてこともない。


 そんな言い訳を重ねて今日まで来たんだとしても。


「おつかれさん」


 また机で書き物をしていたから、こっちから声を掛けた。

 悪い。

 今回は遠慮せず話をしようと思ってる。


「ん……雨でも降ったの?」


 顔をあげたアリエルが俺を見て眉を寄せた。

 違う、と言って、また受付前の席へ腰掛ける。


 ギルドは随分と物静かで、他には誰の姿も見えない。普段なら蝋燭の灯かりに照らされている時間だろうに、薄暗くしているのは物資不足が原因か。

 フィリアの店でも料理の数は絞っていて、別の所への炊き出しに回していた筈だ。


 別段過剰に外部からの物資に依存していた筈はないから、供給側や販路を回す側の人手不足が原因だろうな。

 また少し、荷運びクエストを増やしてやるか?


「いいや。少し酔いを醒ましたかった」

「だからって……ほら、拭き方が雑だから」


 俺が肩に掛けていた布とは別に、ちょっと上等そうなものを持ち出したアリエルが問答無用で頭を拭いてくる。


「髪伸びてきたんじゃない? 今度切ってあげようか」

「それほどでもないだろ。伸ばすつもりもないが、まだ先でいい」

「似合わない。もっと短い方がいいじゃん」


 髪を弄り、引っ張ったり手櫛で好き勝手に形を変えたりしてくる。


 俺だって無頓着って訳じゃないが、今のはまあ、ちょっとな。


「酒くさ」

「すまんな」

「血と肉まで酒で出来てんでしょ、冒険者」

「あぁ」


 昔はもうちょっと控え目に言われていた。

 それから、別れてからは不満そうに。

 最近は真っ直ぐ、認めているようにも聞こえる。


「真面目にやってんじゃん。最近さ」

「誰かさんに絞られたからな」

「あー、親切に教えてあげたのに」


 ふざけて頭に顎を乗せてくる。

 肩後ろに見事な感触。

 長仕事で疲れの溜まった、女の匂いがした。


 興奮する。

 十分に。


 いい女だからな、アリエルは。


「感謝してるよ」

「でしょう?」


 だから、とも言わずに、しばらくそうやって俺に引っ付いていたが、思い出したみたいに離れて行って、さっきまで書き物をしていた机から瓶を持ってくる。

 小さな木のコップが二つ。


「酔い覚まししてきた相手に飲ませる気か?」

「どうせ血肉まで酔ってるんでしょ。付き合ってよ」


 注がれた酒の色を見て眉をあげた。

 ここいらじゃ珍しい、葡萄酒だ。


「よく手に入ったな。貴族の飲むもんだろ」

「神殿で普通に作ってるわよ」

「だから、それを貴族に売り捌いてるんだろ?」

「学が無いわねぇ、冒険者。こっちじゃ珍しいだけで、少し南へ行けば葡萄はよく栽培されてるの。土地の物は土地の者へ。離れてるから値が張るだけで、貴族の飲み物じゃないわ」

「さいで」


 なんでも昔、南から追い出された一部の貴族が、平民と自分達は違うんだとか主張する為に故郷から取り寄せ、有り難がって飲んでいるんだと。


 自分を蹴り出した相手に頭を下げて酒を売って貰っているなんざ、理解し難い。

 いや、神殿で作ってるんだったな。


「薀蓄はそのくらいにして、貴族の味をいただこうじゃないの」

「飲んだくれ相手に出したのが間違いだったかしら」


 言いつつ注いでくれて、薄暗いギルド会館の中でコップを打ち合わせる。


 一口舐めて、その甘さに驚いた。

 蜂蜜でも使ってるのか、かなりもんだ。

 それでいて仄かな渋みを感じる。


「前に飲んだのはかなり酸っぱかったがな、こんなのもあるのか」

「大抵の葡萄酒はそうねぇ。産地で飲めば違うらしいけど、離れた所へ回すなら甘くするのがいいのかも。すぐ駄目になるから」


 蜂蜜酒ってのも飲んだことはあるが、これはこれでいい、のか?

 飲み慣れないと何とも言えないな。


 干し葡萄ともまた少し違った甘み。

 やっぱり蜂蜜か。


 エールにも甘い種類は普通にあるが、ここまでやるなら蜂蜜酒でいい気も、しかし確かに葡萄の渋みや酸味も加わって悪くはない。


「うーん」

「高かったのよぉコレ」

「値段で味は測れんが、もう一杯確かめてみたい所だな」

「はいはい」


 酒を注いで貰いながら、不意に景色が重なった。


 あぁ、昔はよくこうしていた。


 いつも一人でって訳じゃないが、先輩の受付嬢も遠慮してくれて、夜勤で暇してるアリエルへ酒を持って行って飲んでいた。

 たまに盛り上がっちまうこともあったが。


「っふふ」

「なに、思い出し笑い?」

「いやなに。ギルマスから盛大に尻を引っ叩かれたのを思い出してな」


 机にアリエルを押し倒してよろしくやっていた時に、大声で『緊急警報!!』と叫びながら俺の尻を叩いて来たんだ。

 しかも限界寸前の時だったから、思わず出ちまった。

 アリエルが悲鳴をあげて、大慌てで服を着ていったのまでしっかり覚えてる。


 当のギルマスは咎めるでもなくさっさと奥へ行っちまったが、しばらく周辺の安全を完全に確認してからでないと勃たなくなって大変だった。


「ぁーーーー…………ロンドがしばらく不能になってたアレね」

「不能じゃねえよ、ちゃんと安全確認すれば大丈夫だったろ」

「自信無くすといけないからって言わなかったけど、あの時のアンタ、普段より小さくなってたから」

「今更突き付けないでくれよ」

「引っ張り出したのはそっち」


 飲んで忘れることにした。

 甘さが口の中に広がって、結構な勢いで酔いが回る。


 元々酔っていただけについ身体がふらつく。


「こら、椅子から転げ落ちるわよ」


 引っ張られて、寄り掛かるようになっちまったから、気を入れ直して普通に座った。


「……嫌なの?」

「そういうんじゃねえ」

「私は別にいいのに」

「そうじゃなくて」

「じゃあなに」

「だから」

「うん」


 沈黙が降りる。


 アリエルは気にした様子もなく葡萄酒を舐めて、蝋燭の灯かりに照らされながら口端を広げている。


「今日は心配して来てくれたの? また倒れるかもって」

「あ、いや……」

「確かに何人か新人が抜けていったし、戦果確認で市壁に登ってた熟練も数名死んだ。ギルドはまだまだ本調子じゃないわ。けど大丈夫。ちゃんと立て直せる様に、色々と頑張ってる所だから」


 それについてはもう感謝しかない。

 アリエルは重要な交渉事や議題を任されるくらい、ギルドでの地位を得ている。

 俺なんかが荷運び一つするよりずっと大きなことが出来る。

 すげえよ。


 だから、改めてそんな時に、こんな話をするなんて。


「それともさ」


 蝋燭の火が揺れる。

 表が暗くなった。

 分厚い雲が、月を隠したんだろう。


 気の早い夏の虫が小さく鳴き始めた。


 アリエルは小さく微笑んで、それからぐっと瞼を閉じて、言った。


「リディアさんとの事で、私に話したいことでも出来た?」


 やっぱりさ。

 お前は、よく分かってくれてるよ。

 俺自身よりもずっと、俺の事を。


    ※   ※   ※


 どこかすっきりとした様子でアリエルは身体を伸ばした。

 まるで、重たかった荷物を降ろせたみたいな、そう見せる為の動きをして見せて、俺へ笑い掛けてくる。


「そもそもさ、前のザルカの休日中に、ギルドでゼルディスさんが騒いでたじゃない」


 あぁ、そうだ。

 随分と派手に口喧嘩もした。


「私がソレ、見逃してるとでも思ったのかなあ? 元々彼の発言は苛烈過ぎるって職員の中でも言われてたし、最悪こっちでパーティから切り離して、別の所へ移るよう打診することも考えてたの。それを見事に支えちゃったのが居たから、今もそのまま据え置かれてる……なんだっけ、俺の女だぞって?」


「あの頃はまだ、そこまで考えちゃいなかったがな」


「色々と事情がありそうだったし、あちこちで世話妬いてるアンタの顔を立てて、各自が勝手に黙ってるだけ。リディアさんだって、女王陛下だなんて呼ばれたりもしてるけどさ、怪我人見たら涼しい顔して完治させて去っていくんだもん、人望あるの」


 バルディやグロースが気付いていた理由も同じだろう。

 ゼルディスが吊し上げをしていた時、あの二人も一緒に居た。まだ面識も無かったエレーナなんかは、俺だってことにも気付いてなかったみたいだがな。


「慌てたの」


 知らずに支えられていたことに気付いて、何ともいえない気持ちで黙り込んでいたら、アリエルが自分の右脚を椅子の上まで引っ張ってきて、抱いた。


「だって、アンタが好きそうな要素山盛りだったもんね、リディアさん。真面目で、人付き合いとか上手くなくて、でも頑張り屋で…………私と違って冒険者だ。アンタと一緒に走っていける。待っているしかない私じゃなくて、冒険者で居たいアンタを引き摺り降ろす様なことは言わない」

「それは違う」

「違わないよ。だって、ほら、私が今でも本当は辞めて欲しいって思ってること、薄々は気付いてるでしょ」


 それは、少なからず感じていたことだ。


 応援しようとしてくれている。

 だけど内側では、無理をしていた。


 昔を思い出すくらいには、痛々しさがあったよ。


「だがそうじゃない。そう思っていても、自分の気持ちよりも俺の意思を汲んでくれていたことも分かったから、今回の、裏仕事の話だけじゃなくて、色々と……感謝している」


「感謝なんて要らない。私が欲しかったのは愛情だけ」


「それは……」


「言わなくていいよ。多分、コレだって私の嫌な計算が絡んでる。だっていつも言ってたもんね。私のせいで、ずっと悩ませちゃったから」


 パーティ内での恋愛は禁止。

 誰かを本気で想ってしまえば、判断が鈍る。


 だから、ずっと不確かな関係までに留めてきた。


 自分の弱さを知って、そいつを封じようとしてきた。

 偉そうな理由を並べて結局は自分を制御し切れないってだけのこと。


「だから、言わなくていい」


 口にしてしまえばもう目を背けることは出来なくなる。

 曖昧さの上に胡坐を掻いて、相手に負担を押し付けることも。


「分かってる。ルーク君達が戻ってきた時の宴会でさ、楽しそうにしてるの見た時、もう引っ込んで我慢してるなんて出来なかった。結局私は嘘を吐いて、《《貴方》》にとって都合の良い女を演じてみせただけ。それでこんなの、惨め過ぎるじゃない。せめてさ、意地くらいは張らせてよ。アンタ、に、とって……大切なものを守るくらいはさ」


「いいや」


「言わないでよ……」


 それでも、押し付ける。

 でなけりゃお前、ずっとずっと抱え込んだまま、誤魔化し続けるだろ。


 とっくに終わってなきゃいけなかった関係だ。

 いや、終わっていたのに、未練を残した。


 半端に期待させて、昔みたいになれるかもって、俺だって何度も思ったさ。

 最低のクズ野郎と呼ばれても構わない。

 嫌ってくれ、なんて、都合良過ぎて言えやしないが。


 延々と燻り続けたあの日々から、先へ進む為には。


「なあ、アリエル」


「やだ」


「俺は」


「聞きたくない」


「俺はな」


 顔を伏せ、いやいやと首を振って、見ないふりをする。

 なのに、俺の服の裾を掴んだまま。


 雫が落ちた。


 シン――――と静まり返ったギルドの中で、かつて何度も言葉を交わし、逢瀬を重ねて、そしてこれからも顔を合わせるだろう場所で。


 言った。


「俺は、リディアの事が好きなんだ」


 言葉が想いを形にしていく。

 もう逃げられない。

 誤魔化せない。

 ずっと抱えてきたもどかしさ、北域で再会した時に感じたあの強い想いと、後ろめたさ。


 そいつを知っちまえば、もう戦えない。


 なんて言って、逃げていた。


 けどそんなんじゃ、この先へ進めない。

 俺も、お前も。

 いい加減、あの日の結末を認めるべきだ。


 離れて歩いて来た道が、いずれ交わるかもしれないなんて、ズレたままに想い続けてちゃいけない。


「………………馬鹿。ホント馬鹿。私なんかの為に、どうすんのよ、馬鹿」


 全てお見通しでなんとも心地良い。

 かつての俺の、最愛の人。


 そっと立ち上がって、去ろうとした。

 けれど彼女の手は未だに俺を掴んでいて。

 困ったな、なんて思っていたら、立ち上がって来た。


 触れる唇は避けなかった。


 何度も触れ合い、愛情を囁き合ってきた。


 今だってそう。

 思い切り抱き締めることが出来たのなら、どんなに良かったか。


「さようなら、馬鹿な冒険者。どっか行っちゃえ。情に流されて死ぬ前に、自分でケリくらい付けなさいよっ、馬鹿」


 離れたそれは、もう二度と触れ合うことは無い。


    ※   ※   ※


 手が落ちた。

 涙が落ちた。

 テメエ勝手に傷付けた女が、ただ膝を抱えて泣いている。


 そこに背を向けて去ろうとして、なのに猛烈に思い出が襲い掛かって来た。


 あぁ。


 あぁっ、そうだよ!!


 最高の日々だった。全力で愛し合った。今でさえ、その想いの熱が残ってる。なのにテメエだけ綺麗なままか。人間関係整理して、押し付けて、格好付けて、半端者のまま逃げ帰るつもりかよ……!!


 両手で頬を張った。

 目を覚ませ。


 あの日々を。

 あれからの日々を。


 こんな景色で終わらせるな。


 振り返った。

 泣き崩れているアリエルを見て、少しだけ怖気付いた。ふざけんなよとまた頬を張り、その手で彼女の腕を掴んで、いや、と思って膝を付く。


 驚いた顔がこっちを見る。

 僅かな期待。

 でも、それには首を振る。

「俺は、お前とは生きられない」

 こぼれる涙を見詰め、それでもと抱き寄せて、そして。


 力一杯口付けた。


 その身を抱き締める。


 いつかのように。

 いつかのようではなくなった、歩み続けてきた俺自身で。


「でもな。お前に会えて幸せだった。最高に、っ、幸せだったんだよ、俺は!! なあっ、アリエル!!」


「っ、っっ、のお……!! 馬鹿ぁああああ!!!」


「ああそうだ!! 俺は馬鹿だ!! こんないい女が居たのにっ、テメエの夢を諦めきれなかった!! 心の底から好きだったんだ!! 幸せだった!! アリエルッ、お前以上の女は居ないってずっと思ってきたんだ!! なあっ、お前だって、幸せだって思える時間があった筈だろう!?」


「うるさいいい!! なんなのよアンタはァ!!」


「お前が愛した男だ!! お前はっ、俺が愛した女だ!! それだけは変わるもんか!! なあアリエル、幸せだったろう……っ?」


「幸せだった……なのに、アンタ、っ、結局分かってくれなかったじゃない!!」


「そうだよ!! 夢を見た!! 憧れがあった!! 諦めきれなかったんだ!!」


「馬鹿っ! 馬鹿ァ!! 本当に、っ、なんでこんな…………っ、もっと、ちゃんと、あの時みたいにはならないようにって思ってたのにぃ……!!」


「でもこうなった……! 上手く別れようなんざっ、そんな器用な事が俺達に出来るかっ!! どうせ引き摺るだろうがお前は!!」


「一生の恋をしたの!! 貴方以外に考えられなくなったの!! どれだけ嘘を重ねてでも追い縋ろうとしたの!! 好きなのにっ、どうして…………っ、馬鹿……」


「あぁ」


 崩れ落ちたままのアリエルを抱いて、背中を撫でる。

 涙は際限無く落ちて行った。

 愛おしい人の匂いを胸一杯に吸い込む。


 ほら、こんなにも簡単に幸せを感じられる。


 それでもな。

 でも。


「俺は、リディアの事が好きだ。アイツを放っておけない。アイツに救われた。こんなにも好きなお前以上にな」


 腹に一発貰った。

 かなりキツめなのが、な。


「…………今追い打ちかけんな、馬鹿」

「あぁ」


 だけど回された腕が力一杯しがみ付いてくる。

 涙でぐちゃぐちゃになった顔で、いつか見た顔のようで、少しだけ違う、今のアリエルを見る。


「見るな、馬鹿」

「それは断る」


 ならとばかりに顔をあげてきた。

 じっと俺を見詰めて、真っ赤になった目で、口を尖らせる。


「愛してる」

「俺もだ。愛してる」

「嘘吐き」

「本心だ。けど、お前の気持ちには応えられない」

「本当に殺してやろうかしら」

「そいつは勘弁してくれ」

「どっかでヘマして死なれるより、自分の手で殺しておいた方が傷も浅くて済みそうよ」

「そういう訳にも行かなくなったんだよ。夢が出来た」

「はいはい、冒険者冒険者。ミスリル逃して数年固定のグランドシルバーが、何目指すっていうのよ」

「あぁ、聞いてくれ。まだ誰にも話してないことなんだ。お前に、一番に聞いて貰いたい」


 俺が告げた内容に、アリエルは涙の染み付いた目を瞬かせ、


「はあ?」


 なんて、最低の反応をしやがった。


「本気だぞ」

「歳考えろ馬鹿」

「さっきから思ってたが、馬鹿馬鹿言い過ぎじゃないか」

「馬鹿なんだから当然でしょ。今の言葉で確定した」

「はいはい」


 折角話してやったのに。

 少しばかり拗ねる気持ちで立ち上がると、彼女も自力で立ち上がった。


 あぁ久々にすっきりした。


「はぁ、なんかすっきりした」

「ははっ」

「なによお」


 別に何もない。

 あれだけ一緒に居たんだ、思考の癖くらい似通ってくるよな。


「いやなに、ちょいと惚れ直しそうなくらい、化粧が崩れてぼろぼろな顔してるからな」


 言うとアリエルは知った事かと胸を張り、


「もう遅い」


 拗ねた顔をして、それから息を落とし、小さく笑った。

 ソイツは、最高に魅力的な笑みだった。







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