エピソード9
はあはあ。私は息を吐いた。
フィーネさんに教えてもらったダンジョンに来ていた。
そのダンジョンには比較的ポーションを持って言っていたので、
なんとかヒカリソウがあったところにたどり着くことができた。
そこにたどり着いて、採取していると、音がした。
大きな音。
その音を聞いて私は金縛りのように動けなくなり、なにか頭がくらくらしてきた。
すると、頭の中に何かが浮かんだ。
そこには楽しそうな七人組がいた。
七人の顔はぼやけて見えるが、楽しそうに話している。
これが私の記憶なのか?
一人の人が
「ベルが本当にこのチームにいてよかった!」という。
ベル、、、、。フィーネさんが言っていた人と名前が同じ。
すると
「そうだね、ベルに会えたのは一生の幸運だよ。」という声がする、
さっきとは違う女性の声。
誰かに似ている気がする。
そうだ、フィーネさんの声だ。
私は彼らの過去を見ているのか?
「ゴメンな、、、。」
次は男性の声が聞こえる。
「しょうがないよ、しなければならないことがあるんでしょ?今まで楽しかった。
それが、これからも残っていくんだから。」
さっきとは違う女性。この人がベルさん?
「、、、、、、。これからもお前らは冒険者を続けていくんだよな?」
「うん!やらなければならないことがあるから。沢山の人を私のポージョンで助ける!
薬師としての、私の仕事。そうでしょ?」
随分元気な声だ。
そして、また場面は切り替わった。
そこには四人しかメンバーがいなくて。
「私、ダンジョン行ってくるね?」
「大丈夫?私は用事あるから一緒に行けないし。」
「大丈夫、この私だよ?」
「、、、、、。」
また場面は切り替わる。
すると今の状況と同じ状況だった。
そう、前に魔物がいる。
恐ろしい魔物が。
そこから逃げていく、少女。
彼女はそして森の中に入る。
そこからの記憶がない。
そっか、そこで、、、、。
点と点が繋がった。
私が薬師としての才能があるのは、元々それで活躍していたから。
そして、経験値がなかなか増えないのは、、、、。
そっか、増えていたんだ。と。
自分が隠してしまったんだ。
メンバーが脱退して。
思ったように仕事ができなくて。
それで逃げるようにダンジョンから出てきて。
もう、いいやって、投げ出したかったから。
新しい人生を歩みたかった。ただそれだけ。
そっか、私がベル本人だったんだ。