決闘
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「おはよう」
いつもより早い目が覚め時間に余裕を持って登校していると後ろからキースがやってきた。
「ああ」と返した。
「今日は珍しく早いね。寝癖も無いし」
「そうなのか?」
普段から寝癖など気にしていないし、今日も直してきたわけではない。
「いつもこんな時間に来てるのか?」
「ん〜、僕も今日は少し早いかな。なんか目が覚めちゃってね」
そんなたわいもない話をしながらも学校に近づいていく。
「僕はレックスの本気を見てみたいな」
学校の敷地に入った時キースがそう発した。
その為レックスは歩みを止めてキースの方へ振り向いた。
「本気って何のだ?」と尋ねようとするが、身体が何かに反応し反射的に反り返っていた。
すの時鼻の先にかすりそうなほど近くを真っ赤な炎が通った。
反り返った勢いを利用しバク転をしすぐにキースを視界に捉えた。
「魔術士とは思えない反応速度だね」
「どう鍛えようと自由だろ」
「そうだね。でも体術使いの方が向いてるよ」
「余計なお世話だな」
冷静を装ってはいるがレックスはかなりの混乱している。
( 何が目的なんだ?この前の闘いで手を抜いたことにでも怒っているのか? )
「火球」
「危なッ!」
レックスは身体をひねり火球を避けるとキース目掛けて一直線に駆けた。
もちろんキースが黙って見てるはず迎撃しようと次から次えと火球を放つ。
その火球達をはっきりと音が聞こえるほどスレスレで避けながら進む。
「歯食いしばれッ」
そう言いキースに殴る事をアピールした。
キースは咄嗟に腕をクロスさせ顎を護った。
だが最初から狙いはそこでは無い。
駆けてきたスピードを利用し足を払った。
キースは地面が崩れたかのように体勢を崩した。
「降参だよ」
「一体何が目的なんだ?」
「いや、なんで魔法を使わないのかなって気になって。聞いても答えてくれそうになかったから」
確かに聞かれても適当に誤魔化していただろう。
特待生がたいして魔法を使えないなど言えるはずがない。
「それより大丈夫か?」
レックスが心配しているのはキースの足だ。
かなりの勢いで足払いをしてしまった為、もしかしたら骨が折れているかもしれない。
「自業自得だから気にしないで大丈夫だよ」
( これは怪我をしたのか? )
だが、キースが大丈夫というのなら大丈夫なのだろう。
「普通いきなり襲いかかってくるか?」
「それは本当にごめん。でもレックスなら大丈夫だって信じてたから」
レックスは今回のことを不問にし、2人で教室へ向かった。
朝のHRが終わり今日も授業を受ける気は無いので教室を出ようとしたところでミラに呼びかけられ足を止めて踵を返した。
いきなり止まったせいで誰かにぶつかってしまった。
ぶつかったと言っても軽く肩が当たったぐらいだ。
「あ、ごめん」
レックスは反射的に謝った。
「こちらこそ」
彼女も振り返りそう言った。
「「「………………」」」
その瞬間教室は凍りついたかのように静まり返った。
その理由はレックスもすぐにわかった。
エルナの左目に魔法陣が浮かび上がっていた。
それはレックスもよく知っている物だ。
「その左目、魔眼か?」
その指摘にエルナは、はっと急いで眼を手で隠し下を向きながら教室を脱兎のごとく出ていった。
「「「…………………」」」
「れ、れれレッ君大丈夫?」
暫く沈黙が続いたが、その空気を最初に打ち砕いたのはミラだった。
「大丈夫?って軽くぶつかっただけだろ」
「いや、だだだって魔眼だよ。何もされてないよね」
ミラがなんでこんなに慌てるのかはわかっている。
この世界では魔眼は死の象徴として恐れられているからだ。
何故そのような言われ様なのかはよく分からない。
魔眼持ちは人間じゃないや極悪人のみが手に入れることができるなど、確たる根拠もなくそのような悪い噂ばかりが流れている。
物語とかでも悪役として出てくることが多々ある。
それらが何重にも積み重なり、世界中の人が特に根拠もなく魔眼を怖恐れ迫害している。
もちろんミラやキース、この教室にいる全員も例外ではないことが今日わかった。
そんな状況にレックスは気持ち悪さを感じた。
「俺は大丈夫だ」
「よかったあ」
ミラは安堵のため息を吐き、ドクドクとうるさい心臓を抑えた。
「凄く怖かった」
ミラは嘘ではなく本当に思ったことを口にした。
「ああ、驚いたな」
キースもミラに賛同し、エルナが出ていった扉を見た。
レックスは気付いたら教室を出てエルナを探していた。
しかし校舎内を探し回ったが見つかることは無かった。
そしてエルナが魔眼持ちということはあっという間に学校中に広がってしまった。
前回の投稿から結構期間が空いてしまってすみません。
あくまで趣味でやっているのでリアルで忙しくなると投稿できなくなってしまいます。
本当は1週間ぐらい前に投稿しようと思えば投稿できたけど