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操糸魔術を極めし者  作者: 阿呆之仔猫
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ミラ

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俺は授業を殆ど受けていない。

決して不登校な訳では無い。

この学校には特待生特権というものがある。

そのうちの一つが『授業を受けなくてもいい』というものだ。

だからといってサボっていい訳では無い。

これは優秀な生徒を縛らない為の計らいなのだ。


そんなわけで今日も堂々とサボ……学校内を探索している。

ここ王都は貴族区域、住宅区域、学校区域の3つの区画からなりかなり広大な敷地となっている。




入学から1ヶ月ほど経ち、今日は月に1回のテストの日だ。

テストは月末に行われ、年間で10回のテストがある。


このテストで良い点数取れなかったら特待生でも最低1ヶ月は授業を受けなくてはならない。

だが、魔法の才能がないレックスは授業を受けたところで意味が無い。

じゃあなんで入学したかというと、何となく。

最近、操糸魔術の研究が捗ってなかったから気晴らしに。


筆記はまだ1ヶ月目なので魔法の基礎ばっかりで簡単だった。

今回はなんの魔法を使っても構わないが魔法によって採点基準が変わってくる。


「火球」


レックスは火球を藁人形とは違う方向に飛ばした。

火球は油が塗られた魔糸を辿り藁人形目掛けて軌道を変え頭の部分に当たり一気に燃え広がる。

威力自体はは弱いが、普通真っ直ぐにしか飛ばない火球が空中で弧を描き飛んだのだ。

試験官は驚きながらも評価を手元の紙に書き込んでいる。




試験の結果は帰りのHR(ホームルーム)の時に発表され問題は無かった。

帰りのHRが終わり俺が立ち上がると


「相変わらず凄いね」


そう話しかけてきたのは……


「誰だっけ?」

「酷くない?クラスメイトの名前ぐらい覚えるでしょ普通。って言うかクラスメイト以前に……」

「以前に?」


彼女が何を言おうとしたのか少し気になったがスルーした。

俺は授業を受けてない為、クラスメイトの名前は曖昧にしか覚えていない。


「私はミラ。よろしく」


さっきから何故か男子達から冷たい目で見られている。


「1つお願いがあるんだけど。私に魔法を教えてくれない?」


ミラはレックスの机に両手をつき前のめりになっている為、上目遣いになっている。


「ごめん、用事があるから」とやんわり断った。

そう言うと周りの男子からの殺意を向けられた気がした。


「いつなら暇?」


( そう来たか )


「私ね、テストの点数がちょっと悪くて」


さっき発表された結果に危機感を覚えたのだろう。


「筆記?」

「実技」

「じゃあ、無理です」


筆記ならまだしも実技となると教える事など無理だ。


「なんで!?」

「あんまり得意じゃないから」


事実である。


「入学初日の時、わざと負けたでしょ。私、見てたんだ」


ミラが俺の耳に口を近ずけ小さな声でそう言った。


「バレてたか」


つい思った事を口に出してしまった。

あの時誰にもバレないように細心の注意を払ったのに。


「やっぱり。鎌をかけたんだよ」


手を抜いてたことがバレたからと言って正直どうでもいい。


「お願い魔法教えて」


ミラが言い直すと周りからの殺気が一段と強まった。


「なんでもするから」

「なんでも?」

「え……」

「やっぱ、無理」

「なんでそうなるの?話の流れ的に普通は引き受けるでしょ」


ミラはその後もなんかゴチャゴチャ言ってたがレックスはそれを全てを無視し逃げるように下校した。




少し寝坊した。

慌てて制服に着替え朝食を簡単に済ませ家を出ると、金色の髪をなびかせレックスの事を待っていた人がいた。


「ちょっと遅いよ。遅刻しちゃうよ」


そこに居たのはミラだった。

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