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操糸魔術を極めし者  作者: 阿呆之仔猫
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下克上

すみませんが都合により次回の投稿は約一週間後になると思います。


誤字脱字の報告お願いします。

しばらく経ち学校からお呼び出しがあった。

もちろんレックスだけではない。

合格者全員だ。

今日は制服を新調するためだ。


制服の見た目は日本の物に近いが、動きやすさの面では雲泥の差がある。


「結構動き易いんですね」

「いつ何が起きるかわからないからよ」


制服は体操着のように軽い。

まるで羽でも生えたかのようだ。


レックスの身長は平均とほぼ変わらない160後半ぐらいで普通の体型の為すぐにサイズが決まった。

レックスの背後にはこれから新調する人達が蟻のように並んでいる。

今日だけで全員の新調を行うのだろう。

制服に関してはまた後日学校に取りに来なくてはならない。


ついでにクラス発表もあった。

レックスの名前はAと書かれた欄にあった。

後で知った事だがクラス分けは成績順になっているらしい。




数日経ち新調したばかりのシワひとつ無い制服を纏い、入学式に参加するために登校した。

階段を上り恐る恐る扉を開けると教室はとても静かだった。


「1番乗りか」


席は出席番号順になっており黒板に座席表が描かれていた。

机の上には教材が山のように積まれている。

その教材をパラパラと捲り適当に目を通した。

内容はどれも魔法の基礎ばかりだ。


一通り目を通し終えた時、教室の扉が開いた。

2番手にやってきた子と目が合った。

教室の隅々まで確認した彼女は無言で自分の席へ向かった。

肩の辺りまで伸びた銀色の髪と紺色ブレザーがマッチングしている少しおませな美少女は静かに席に座ると肘を着き外の風景をボーッと眺めた。


その後、ぼちぼち人が集まってきた所で先生が教室に入ってきた。

先生は目の下に隈があり薄汚れた白衣を着ている。


「このクラスの担任になったフィースだ。後は適当に自己紹介でもしといてくれ」


それだけ言うと教卓に突っ伏した。

出席番号1番が空気を察したのか立ち上がり自己紹介を始めた。


因みに2番手に来た彼女はエルナって名前でレックスと同じ特待生だった。超適当なホームルームが終わると学校の案内が行われた。


一通りの案内が済み教室に戻ってきた。

分かったことは兎に角広い。

しばらくの間は迷子になるだろう。

そのまま今日は解散になった。


「お前が特待生のレックスか?」


背後から突如話しかけられた。


「何か御用でしょうか?」


見覚えのない顔に一応下手に出ておく。

もし貴族で怒りを買ったりしたら面倒だし。


「勝負しろ」


特待生の座が奪えるわけではないが、この学校では下克上は日常茶飯事らしい。

勝ったところで周りに威張れるだけ。

まさか初日から噛みつきに来るとは思ってもみなかった。

ペドロと名乗った男子生徒は校庭の空きスペースへ向かった。


結果から言うと圧勝だった。

やってて馬鹿馬鹿しくなった。


彼は剣士で身体強化の魔法を習うために入学したらしい。

スタートと共に剣を握りしめ一直線にレックスに向かってきた。

だが、彼は突如転んだ!

周りの野次馬からはそう見えただろう。

実際はレックスが魔糸を足に絡め転ばせた。

勢いよく顔面で地面を滑ってレックスの所まで来たのでため息をつきながら水鉄砲並みの水刃を彼のうなじ辺りに当て勝敗を決めた。

周りの野次馬は彼に呆れたり嘲笑ったりしていた。

レックスのせいで彼の株は大暴落しただろう。


( 勝負を挑んだ奴が悪い )


入試の結果にそんなに不満があるのか、その後も続々と勝負を挑んできた。

13人目を倒した所で、相手するのもめんどくさくなってきた。


( わざと誰かに花でも持たせてあげるか )


「僕もいいかな」


( こいつでいいや )


見た目は弱そうだが、悪そうなやつには見えない。

それどころか紳士にすら見える。


「開始!」


開始と同時に火球を放った彼は絶え間なく次々と火球を放った。

今まで1番強い。

勝つ事は簡単だが、大人しく降参した。


野次馬どもは彼を胴上げし校庭の一角だけがお祭り騒ぎになった。

みんなの視線が彼にいったのを確認し、逃げるようにその場を去った。


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