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やめない



「ハハッ、そういう感じなわけ。


信じらんねぇ、本当。


そりゃこんな時間になるでしょ。


急いで仕事終わらせて、


それから電車乗って、


何時間かかると思ってんの。」



「分かってるよ!


先週何時間もかけて


行って帰って来たんだから。


でも、そんな言い方しなくても…」



しまった、そう思った時に、



「先生、私達先に帰ります。


また月曜日、さっき言ってたの見てね!」



ニコニコと笑いながらも、足早にその場を立ち去る。


どうして、冷静になれないんだろう、


もっと言い方だってあるのに。



「もう、やだ。」



心の中で呟いたつもりだった。


でもそれはハッキリと声に出てて、


慶太は大きな溜息をついた。



「じゃあ、もう、やめる?」



「やめない、そんな事言ってない。」



自分が思った以上に大きな声だった。


静まり返った空間に響き渡り、


急に恥ずかしくなって、思わず俯く。





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