メイドの備忘録②
いつもの時間に投稿できなくてすみません
金曜日はメイドの日です。
時系列は首都防衛線の
?with八葉のターン!の直前です。
特急特異点アンダーワールドの第一使徒バチカル、通称メイド。
彼女の主な活動はアンダーワールドが保有する宇宙船の管理と維持、そして?のサポートである。少ない時でさえ1日に一回心停止する?が少しでも楽できるように様々な方面でサポートする。それが彼女の役割である。
その中には敵の排除も含まれる。
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時は八刃と?がいつもの場所で遭遇する直前まで遡る。
都庁の屋上でメイドは?の帰りを待っていた。?があの時、都庁の屋上に来たのはここでメイドに回収してもらう為である。
メイドの近くにはつり革があり、つり革のワイヤーを辿ると夜空へ消えていっている。光学迷彩をされているため、見ることはできないがワイヤーはアンダーワールドの船に繋がっている。
「巻き戻しがされちゃったから時間感覚がズレているのかな?」
この数時間前に巻き戻しが起きた為、彼女の持っている時計は本来とは違う時間を指している。彼女のは巻き戻しが起きる前の時間だ。予定では十分前には合流していた筈だが、?が来る気配は無い。
ガタン!
屋上の扉が開く音がしてメイドは警戒度を上げる。空を飛ぶ?は階段を使わない。使うとしたら本庁の職員、もしくはーー
「不確定要素を排除しようとするのは当然の事……か」
扉の方を向くと続々と覚醒者が集まってきていた。誰もが目を虚にしていて何かを探すゾンビのように動いている。メイドは屋上の中心にいるのにゾンビのような覚醒者はメイドのことが見えていなかった。
「現実世界から抹消された私がオーバーワールドに見えるわけありませんもね」
覚醒者の挙動と巻き戻し直後の襲撃などから誰が操っているかを把握したメイドはスタンガンをポケットから取り出すと覚醒者に触れないように立ち回り全員を気絶させる。1人倒れるたびに他の覚醒者がメイドの方を見るがその姿を認識することが出来なかった。蹂躙される覚醒者の視点では周りの人が次々と倒れていくようにしか見えない。
操っている覚醒者を通して見ていたオーバーワールドも同様であった。
全員が気絶すると、メイドは気絶させた人たちを
キィ
扉がゆっくり開かれる音がした
「今日は千客万来ですね」
メイドはそう呟くと新たに現れた覚醒者を見る。どうせオーバーワールドの操り人形だろうと思って呆れていたがメイドの予想とは違った。
「八葉……?!」
防寒コートを纏った女子高生の覚醒者、八葉だった。彼女はバチカルのことが見えないのかキョロキョロとして、屋上の隅に並べられた覚醒者を発見する。
「誰が?」
八葉の問いに答えられる覚醒者はその場にはいなかった。八葉は転がっている覚醒者たちに触れて誰かに電話をかける。
「もしもし私メリー、今警視庁にいるの」
八葉たちは姿を消した。
ーーご愁傷様です。
そして1分もしない内に帰ってきた
ーー何で帰ってくるの?
何故八葉がここに戻ってきたかは八葉自身にしか分からない。
それから数分後、?と八葉が遭遇した。それを屋上の端でメイドは見ていた。
ーー何で?がここに来るのが分かったの?




