1-7 星の力
確認してみたら8日連続更新初めてでした
ブックマークありがとうございます。
ーー星はあなたの味方よ
どの星を指しているのだろうか?
地球、即ち龍脈の力。
天体、天空魔法陣と呼ばれるロストマジックが私たちの物語にはあるがやり方を知らない。
ポラリス、英語で北極星のことだが龍崎さんは私の味方だというのでしょうか? でも、失礼なことを言いますが大いなる存在に立ち向かえるほど大いなる力ではない。恐らく違うだろう。
この中で一番取り掛かりやすいのは龍脈だ。龍脈があるのは龍崎さんが使用していたことから明らかである。体を壊すデメリットを除けば簡単に使うことが出来るので
「龍脈って現実世界にも存在していたんだ」
迷信だと思っていたが実在していた。ひょっとしたら魔法使いも実在していたのかもしれない。それこそ幻想上の生物たちもいたのかもしれない。
地面に手を当てる。魔力を波のように地面に伝えようとすると地面からの強烈なエネルギーが魔力に呼応する様に邪魔して霧散する。この世界で魔力感知が使えなかったことを思い出したと同時に、使えない理由に気づいた。
この世界は現実世界と比べて龍脈が活発だ。地面に手を当てて魔力を伝える度に強力なエネルギーが伝わって霧散させる。左手を地面につけて右手を空中に向ける。右手から魔力を空中に出すと地面から龍脈が伝わってきて空中の魔力も霧散させるのが左手で分かる。このせいで魔力感知だけ使えなかったのだろう。
ちなみに空中から出した魔力は光の粒のように実体化したものではなく、波のように体内にある状態のままだ。可視化、魔法に変換途中の魔力には反応しない。
龍脈は地面から空中に出た瞬間に分からなくなる。その理由は不明だが空中に
何故こちらの世界だけ龍脈がこんな反応をするのだろうか? こっちが正常で現実側が異常なのかもしれない。
切り替える。
体を壊すから使わないようにしていたが現実世界の龍脈は違うかもしれない。パッチテストみたいに少しだけ体に触れさせてみて大丈夫なら使えるかもしれない。魔力消費の激しい叛逆を頻繁に使うから無尽蔵にある龍脈を使えるなら願ったり叶ったりだ。
たしか……使い方は
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「いいルナフ? 成果を出せない魔法使いたちが簡単に強大な力を得れるからって龍脈に手を出すの」
活火山の火口の上空でNさんは箒に立ち乗りでいた。私はそれを火口の縁で見ていた。火口の底には溶岩が溜まっていて縁に立っているだけで火傷しそうなぐらい暑い。
噴火の最中であるため、溶岩が勢い良く飛び出して山を下っていく。私が立っているところにはNさんの障壁が張られているから被害はない。熱もいくらか遮断しているがもう少し遮熱して欲しかった。
「だけどそれは破滅へ道!」
Nさんは
「この火山のように人間は自然を操ることができブヴァ!」
「Nさん?!」
吹き上げた溶岩がNさんを飲み込み。障壁が張っているから無事だというのは分かるが心配をしてしまう。
「とまあ、近づいただけで身を滅ぼすこともある」
「ひっ」
背後から私の肩を掴み殺気を私に向けながら、更に低音で言う。火山の近くだと言うのに寒気がする。
「だけど知識として知っておく必要はある。やってはいけない知識、禁忌を犯さないように知っておかなくてはならない」
Nさんの手が肩から背中へと移っていく。体内で魔力を生み出す魔核がそこにある。
「龍脈は星の魔力、人間は生まれながらにして星の恩恵を受けて生きている」
Nさんは魔核を探るように背中を撫でる。
「だから感謝を伝えながらお願いする。今からその祝詞を教えるわ。だけど決して星に言ってはいけない。さもないと死ぬよ」
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……思い出したらやりたくなくなった。あのNさんが本気で脅していたのだ。魔法使いがやってはいけない禁忌として。未熟な私がやってしまったら星の怒りをかってしまうだろう。物語とこちらの世界は違うとはいえ、私は同じなのだ。身を滅ぼす設定がアレルギー反応のようになっているかもしれない。
試してみるのは簡単だがリスクが大きすぎる。
「何やってんのさ」
「ワッ……ビックリした。何で強い人は背後に立ちたがるんですか?」
龍崎さんが私の背後に立っていた。話し合いの後、小屋の近くで素振りをしていたが終わったのだろうか?
「龍脈にちょっかいを出しているようだからさ、気になったさ。そしたら無防備に首を出しているから刀を抜いたらどう反応するか予想していたのさ」
イタズラを考える子どものように、何か企んでいる顔をする。
「多分死ぬのでやめてください。それと、さっきNさんが星はあなたの味方よって言っていたので龍脈を使えるか試してみたかったんですが設定上死ぬので」
「……そういうことさ」
「え?」
龍崎さんが顔をしかめて私の隣に寝転んだ。
「龍脈を使うっていうのがそもそも間違いなのさ。自分自身が龍脈になるのさ。星を使うと考えている時点で星を見下している。それに怒って相手を滅ぼすさ。真似してみな」
あまりにも真剣な顔で言うので何も聞き返せず、言われた通り龍崎さん同様に仰向けになる。空を見上げる形になり、視界一杯に灰色の世界が広がっている。地面は硬く、寝るのには不向きな場所だ。
「そしたら私が指示するようにするさ。返事はいらない、言われた通りするさ」
「……」
言われた通り返事をせずに龍崎さんの声に耳を傾ける。
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夜となった日本の上空、?たちの船。甲板の上で普通に寝ていた?を起こさないようにバチカルはお姫様抱っこすると船内へと向かっていく。
「始まったね」
眠っていた?がいきなり起きてそう呟いた。その表情は子どものように無邪気な笑顔だった。
「うれしそうだね」
バチカルはそんな?の顔を見て?以上に嬉しそうな顔をする。唐突に?は言ったが、?の全てを知っているバチカルは即座に察して引き返して空がよく見える場所に移動する。
「もちろん」
?は天に、月に手を伸ばす。
「ヒガンはもうすぐね」
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