敵の設定が酷すぎる件 〜Nの一度目〜
Nのターン！
2020/1/22
一部修正しました。
Nの一度目
学校を後にして箒で適当に飛び回る。
行くあてもなく、何をすべきかわからない。
学生なら学生らしく勉強しろと言われるかもしれないが、それ以外にやることがない。
Nとしてはやることはある。
記憶の解放
記憶、記録から抹消されたオリキャラに関する情報を取り戻すことだ。
なろうとかに小説をあげていた人も空白のページが続いているらしい。
そしてそれを読んでいた読者の記憶からも消えていた
何かあった筈だということしかわからない
一部のアニメや小説、ゲームも同様
某掲示板はみんなで記憶を取り戻……！
私は魔法障壁を上に張った。
そこにぶつかったのは巨大な火柱
私の障壁にヒビが入る
嘘でしょ！？
私は物語上は人間の中では最強に最も近い魔女っていう設定のはずよ
それなのにヒビが入るなんて
ということは相手はチート転生か
初期設定の時点で最終決戦クラスの力を持っているなんて
「ちっ、これを受け止めるか」
炎が消え、男が現れる。
箒なしで浮かんでいる
「無駄な抵抗はやめて大人しくしろ、さもなければ容赦はしない」
「容赦も何も、私が何かした？」
男は鼻で笑うと左手で
「あ、チート転生でよくある鑑定眼ね。犯罪履歴でもあった？ まあ確かに物語の中では殺人しているけど。こちらではやっていないよ。というか自分を鑑定してみたら？ 殺人未遂が犯罪履歴にあるはずよ」
自慢しようとしたものを言い当てられて顔が引きつっている
漫画とかだったら顔に怒りマークが付いていそうだ
それはさておき
無駄な戦闘は避けたい
相手はチート、私より強い
私が使えるのは風属性と無属性の初級、中級、上級、超級までのいくつか。
初期設定の時点で人間の中では最強に近い魔女でよかった。
チートと言えるほどは強くないよ。某イギリスの魔法学校の校長ぐらいだよ。
周りは空、下は住宅地
さて、戦って無事か？
否
あの火力よ、無事でいられるわけないじゃん。
ならば逃げる
「まったく、チートで最強とかズルしてんじゃないよ。どうせ今のあなたなら町一つ潰せるぐらい強いんでしょ？」
男は呆れた顔で
「ズルではない、転生で異世界の神様に特権でもらったんだ。町一つは余裕だ」
まじ？ 余裕？
町一つが余裕なら小さな都道府県なら頑張れば潰せるということでしょ。
「あんた努力しないで手に入れた力なんでしょ？ その力で国救って世界救って『勇者(笑)様すごーい(棒)』って言われるんでしょ。自分の力ではない神様がくれた力で。言いかえるなら先生が内緒でくれた模範解答を使って満点とって『スゲェ(棒)』と褒められるのと同じよ」
男は「うるさい」と言いながら炎を放出してくる。
お？ 煽りに乗っかってくれるフレンズか
避けるのは簡単だ。
どこからくるのかわかっているなら
「その神様がくれた力をあなたは使いこなせている？ 模範解答をもらったからってその分野が自分の知識として蓄えられる？ 」
私は男の周りグルグル周りながら聞く
「俺は使いこなせている」
男は私を狙おうとするが捉えきれないようだ
「いーや、使いこなせていなね。私はグルグル周っているだけで何も妨害していないのに当てることができない。チートならできるでしょ？ 私より早く飛び、私が射程距離になる範囲攻撃の魔法を使うことぐらい」
男はその手があったかという顔をする。
「まったく努力しないで今まで生きてきたんでしょ？ だって考えていないんだもん。どうせ年齢=彼女いない歴なんでしょ？ いつか自然に彼女ができると思った？ 世の中そんなに甘くないよ？ 頑張って努力したって報われない人もいるんだよ？ 部活の朝練を誰よりも早く来てしていたのにレギュラーになれなかった人もいるんだよ？ 勇気出して告白しても振られる人もいるんだよ？それなのに君は努力しないでズルしているんだよ。 一般人がなんて言うと思う？ 地獄に堕ちろ！」
中指立てながら言ってやった
図星なのか顔が真っ赤にになっている
「ねぇねぇ、今どんな気持ち？ まったく攻撃してこないやつを倒せなくてどんな気持ち？ 逃げていることしかできないやつに指摘されてどんな気持ち？ 悔しい？ 殺したい？ 今度会ったら教えてね？」
私は超級魔法『流れ星』でその場から離脱する
逃げるは恥だが、煽るのを忘れるな
箒に立ち乗りしながら相手を煽り、中指を立てている黒髪の14歳の少女を思い浮かべてみてください
髪型、服装はお好みで
それが師匠です
可愛いでしょ？
