ルナフ
本日3話目
ーー何で出来ないんだろう?
周りには出来たことが私にはできなかった。出来たとしても練度が低かった。私は凡才よりも下だったのだろう。
悔しかった。
必死に修行した。
それでも負けた。
『こんな奴、足で纏いだ』
『ハッキリ言っていらない』
どれだけ努力しても認めてくれなかった。
何度も倒された。
何度も負けた。
何度も挑んだ。
周りは私を嘲笑した。
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ーー何で私は小さいんですか?
相手は腕を伸ばせば簡単に届くのに、私は全身を伸ばしてようやく届く。
相手が一歩進むのに私は二歩必要。
体重が軽いから簡単に持ち上がる。
どれだけ努力しても覆せない弱点が私にはあった。
周りはそれを馬鹿にした。
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ーー何で認めてくれないんですか?
私は貴族に攫われて蠱毒をさせられました。自分が生きるために仕方なかったとはいえ人を殺めてしまった。殺人とは忌み嫌われることです。仕方がなかったでは済まされないのが世界なのだ。
『殺人鬼の言うことなんて信用できない』
『こんなのを生かすNも狂っているな』
『血の臭いがする』
あぁ、私はいらないんですね
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ーー何で?
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ーー何で?
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『こんなこともできないのか?』
できません。
『チビって惨めだよな』
何で馬鹿にするんですか?
『殺人鬼は殺してしまえ!』
私は好きでやったんじゃない。殺さないと私が殺された……。何で理解してくれないんですか? 私は生きちゃいけないかったんですか? 貴方達はあの状況になったらどうしたんですか? 力も何も持たない子どもにどうしろって言うんですか? 何が正解なんですか?
何でみんな私のことをいじめるんですか?
こんな思いするなら
あの時死んでいれば良かった。
あと4話更新します