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?の情報

《第3章終わるのあとどれくらい?》


ここからこうなって……ああなって


《まだかかるそうです》

「ポラリス……龍崎……聞いたことないわね」

「私もです」


Nさんも聞いたことはないらしく首を横に振りながら答えた。


ポラリスとは一体どんな組織なのでしょうか? おそらく因果の脱出と同じく巻き戻しに対抗する組織だと思われますが日本人は100人ほどしか因果から外れていない。狭い業界だから同業の者なら見たことはなくても聞いたことぐらいありそうなのですが。


ひょっとして闇の組織みたいに表舞台には絶対に出ないようにしているのでしょうか?


「そうかい、それじゃあオーバーワールドという名は?」


次に龍崎さんが尋ねてきたのはまたもや聞き覚えのない単語でした。そもそも人名なのか組織の名前なのかその他なのか分からないです。


all over the world (世界中で)


という英語ならわかりますが


「私は知っているわ」

「知っているんですか?」


オーバーワールドについては聞いたことがあったようで解説をしてくれた。


「巻き戻しの犯人の通称よ。特急特異点とも呼ばれている。私たちが最終的に倒すべき敵よ。このオーバーワールドで合っている?」


敵ですか。


オーバーワールドが巻き戻しの犯人の通称。意外なところで通称とはいえ巻き戻しの犯人の名前を知ることになるとは。特急というからには一級とかいるのでしょうか? また、特異点とはどういう定義で決められているのでしょうか?


そしてオーバーワールドが誰なのかは分かっているのでしょうか?


「ええ、合っているよ。そこの可愛い子は知らないのに落とされたの?」

「あ〜……この子については複雑な事情があってね」


龍崎さんが怪訝な顔をする。


「最近因果から外れた子なの」

『信用できないから大雑把にしか教えない』


Nさんのコートの私にしか見えない位置に日本語の文章が現れた。確かに出会って間もない相手に自分ですらよく分かっていないことを話してしまったら相手の信用を得られない。


バルデの時も『最近外れたばかりで分からない』と言えば良かったと今更ですが反省します。


「なるほどね…… (減る人間もいれば) (増える人間も) (いるのね)


龍崎さんはNさんの説明でとりあえず納得したらしいです。何かぶつぶつ言っているのは聞き取れませんが独り言でしょう。


「そういえば貴女達二人は?」

「自己紹介していなかったね。私はN、風属性の魔法使いよ」

「ルナフです。氷属性の見習い魔法使いです」


龍崎さんはNさんについては聞き流しているように見えた。対して私のことをジッと見つめてくる。


************


「そっくりじゃん、師匠に」


八葉さんと目が合う

その目は暗く、底が見えない闇のようだった。見れば見るほど引きずり込まれてしまう。


深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている

のだ


八葉さんはこの言葉を体現した人だと思った


************


記憶がフラッシュバックした。

物語の記憶を思い出したのではなく自分が現実で見た光景と似た状態になって過去を思い出したのだ。

一言でまとめるとデジャヴ


龍崎さんは八葉さんみたいに深いわけではないがそれに似た深淵のような感じがした。


「尚更不思議ね。オーバーワールドの脅威になりそうにもない覚醒者がここに落とされるなんておかしいね」


考えていたら聞き捨てならない単語が出てきた。


落とされる?

ということは上れば現実に帰還できるということなのですか? どうやって上るかはわかりませんが。

それから何故、私達がこの場所に来た原因をオーバーワールドの仕業だと断定しているのですか?


「」

「まあ、今はどうでもいいわ。それよりも?と名乗る覚醒者について詳しく教えてくれるかしら」


質問をしようと口を開いた瞬間龍崎さんの殺気が膨れ上がった。驚いて口を閉じてしまい質問する機会を失ってしまう。Nさんを見上げると何も反応していなかったので私だけに殺気が向けられていたようです。


何も知らない子どもは黙っとけということでしょうか


「いいわよ、一通り説明するから質問はその後に、ルナフもね」

「わかった」

「はい」



「と言っても私も詳しくは知らないわ。(ハテナ)と名乗る覚醒者は正体不明なの。本名もわからない。会う度に姿が変わり、年齢も変わる。性別は女性で魔法使いの覚醒者であることしか分かっていない。情報はこれだけよ。何の目的の為に行動しているのか不明だし謎に包まれている。質問は?」

「その情報はどうやって集めた?」

「使徒と呼ばれる覚醒者達を知っている?」

「勿論、神さまと名乗る存在に従う選ばれし覚醒者達のことね」


神さま?


そんな覚醒者いるのですか?


「使徒からの情報なら信憑性は高そうね。だけど、使徒達からもたらされた情報がこんなに少ないなんて」

「使徒達も情報はこの程度しか持っていないはずよ。パンゲアからの情報だから正しい筈」

「納得」


龍崎さんは情報の出所を聞いて信憑性が高いものだと判断したらしい。何故パンゲアさんだと信じられるんですか?


「パンゲアって嘘つくとすぐに顔出るから。無表情のくせに嘘ついた途端悪巧みする顔になる設定持ち。これ覚えておくといいよ」


私が疑問に思っていたことをNさんは分かっていたらしく聞かなくても解説してくれた。


そしてパンゲアさんはセルフ嘘発見機ですか。


「他に質問は?」

「ない、そちらの二人は?」

「私はいいわ、ルナフは?」


質問といえば先程龍崎さんに殺気を出されて牽制されたことがあります。今も僅かにですが殺気が向けられています。それに、この程度の質問ならNさんも考えていると思います。それなのに質問しないということは何かしらの理由があるからかもしれません。


だから


「大丈夫です」


私は嘘をついた

いつもありがとうございます


ブックマーク評価感想などして頂けると幸いです


《最近後書きのネタが思いつかない作者がここにいまーす》

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