龍崎&アリス&Nのターン!
ここのキャラがここで繋がって…ここの過去が消えて……
特急特異点は出しすぎるとインフレしちゃうから初期案通りに…
《と考えていたら午前中が潰れた旧天がここにいます》
いつもありがとうございます
もう何十年も前のことだ。
初夏の新月の夜に友人4人で杯を交わした。私を含めたこの4人が末世の北極星の初期メンバーだった。どういう偶然か私たちは4人とも巻き戻しの記憶を引き継いでいたのだ。
巻き戻し後の時間は日本時間の2018年6月14日午前零時
このことから日本人が行なっている可能性が高かった。もしアメリカ時間とかだったら私たちは諦めていたかもしれない。
調査を進めていく内にある存在に出会った。
神さまと名乗る男の子とそれにつきそう数人の使徒たちだ。最初はそういう設定の奴らかと思ったら覚醒者でも出来ないこと、死者蘇生や星を砕く程の力、たった1人で国連軍を消滅させたことから信じるようになっていった。
彼らも私たち同様に巻き戻しに立ち向かっているのかと思ったが違った。彼らは巻き戻しの犯人、通称オーバーワールドと呼ばれる特急特異点の抹殺で結果的に巻き戻しを止めることになると言っていた。私たち達と神さま達は協力関係を結び調査のスピードが一気に早まった。
特急特異点というのはこの世界のルールから逸脱した存在であること。タイムトラベルや世界創造を行える者が特急特異点と呼ばれる。覚醒者も設定上タイムトラベルなどが出来たとしても現実では出来ないようになっている。それなのに出来るようになってしまった覚醒者がいるということだ。
因みに特急特異点とは別にただの特異点も存在している。それが因果から外れた覚醒者達や、会ったことはない転生しても記憶を引き継いでいる人たちのことらしい。ただの特異点は放置しても問題ないが特急特異点がその力を悪用すると世界の法則が乱れてしまうため早急に対処する必要があったらしい。
ただ一つ納得がいかなかったのは神さま達も犯人の正体がわからなかったことだ。
調査をさらに進めていく。私は犯人が何を目的として巻き戻しを行なっているのか考えた。次第に犯人の思考が分かり、それに似た覚醒者を探し始めた。記憶を引き継いでいるのは日本では百人程、存在が露呈していない人がいたとしてもそんなに多くはない。さあ、同じ思考をしている覚醒者を見つけようとしたところで
オーバーワールドに私だけ襲撃された
正確にはオーバーワールドの手下に
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「あなたがオーバーワールド?」
「そうではございません。私はあなた方がオーバーワールドと呼ぶ創造主様の忠実な僕、イナバと申します。創造主様の命によりあなたを抹殺しに参りました」
イナバは英国紳士のように例をすると腰にさしていた剣を引き抜く。私も刀を鞘から抜く。私たちの周囲は結界が張られていて救援を呼ぶことは不可能。逃げようにも逃げられない。
そして気配から強者の風格がしている。
絶体絶命
バリン!
「なんか妙な力がしたと思ったら喧嘩の最中か」
「取り敢えず突っ込むのはやめてって言っているよね!」
私たちの間にその2人は降りてきた。黒髪の少女に体から銀色の光が漂い、金髪の女性は少女を追うようにその隣に立つ
ここは神奈川県の某所
彼女達のテリトリーだ。覚醒者達が彼女達のテリトリーで暴れると彼女たちに制裁を加えられる。そんな場所で結界なんか張っていたら突撃されてもおかしくはない。
「誰かと思ったらポラリスの隊長じゃん。アリスがぶん殴った子じゃん!」
「本当だ、Nが突撃魔法使って吹き飛ばした龍崎さんじゃん……こっちは?」
2人ともイナバを見てもう一度私を見て穴が塞がった結界を見てまた私を見ると
「ごめん」
Nがアリスを私の方に吹き飛ばすと銀色の光を纏った左の拳で後ろを殴る。接近していたイナバの剣とぶつかり、体ごとこちらに吹き飛ばされてくる。アリスとNが私の両脇に滑るように着地してイナバを睨みつける。
「龍崎ちゃん、あれが巻き戻しの犯人?」
アリスは状況を察して尋ねてきた。突撃してからの短時間で状況を察せることに驚きだ。
「違う、巻き戻しの犯人の手下」
イナバは追撃しようとはせずこちらが話し終わるのを待っているようだ。Nを攻撃したところで面白そうにこちらを見つめながら剣を舐めている。
完全に舐められている
「頭にくるけど完全にあちらの方が実力は上ね」
「そうなの? あなた達程なら……」
Nは左拳を見せてくれた。正確には左手首から先がなくなった腕を。魔法で処置はしたのか切り口は塞がっている。痛覚を切っているのか涼しい顔をしているが冷汗をかいている。
「それにアリス、今反応できていなかったでしょ」
「バリス乗っていない私なんてただの人間よ」
「律儀にあいつが搭乗してくれるの待つと思うの?」
「待ちますとも」
「「「待つの?!」」」
「逃しは致しません。創造主様から目撃者も消せと言われておりますので」
イナバは剣をそれぞれに向ける。アリスは胸元のペンダントを握る。Nは結界に魔法を撃ってみたが壊れることはなかった。一度壊されたので強化したようだ。
「巻き込んでしまってごめん」
「それはいい、自分で首を突っ込んだから」
「私もNを止めなかったしね」
アリスはペンダントを引きちぎると放り投げる。ペンダントはカシャカシャと音を立てながら内側から次々と金属などが出てくる。あっという間に3mを超える巨大なロボットになる。
「それに、巻き戻しする奴の仲間ならぶん殴らないと気が済まないし」
アリスは飛び乗る
「あのね、私たちじゃ敵わないって言っているでしょ」
Nは左手を掲げると手首から先に魔力で出来た銀色の腕が現れる
「まあ、それでも戦わないといけない時がある」
Nの足下に巨大な魔法陣が出現する。
私も能力を使用する。
どの道、逃げられないのだから戦うしかない
「手下を倒せなきゃオーバーワールドも倒せない、これは避けられない戦い」
龍脈が励起する
「アリス、バリス、出撃します!」
「戦争仲裁人、N、これより参戦する!」
「龍の化身、龍崎華、押して参る!」
私たちはオーバーワールドの手下に挑み
敗北した。
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久しぶりにあったNは私のことを覚えていなかった。
これもオーバーワールドの仕業か
アリスって現実時間で1年半ぶりの登場です。
Q そもそもアリスって誰?
A 大輔の前任
《その大輔も忘れられている気がするけど》
大丈夫、次章は大輔の話だから