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想像の世界〜自分のオリキャラになりました〜  作者: 旧天
第2章 つかの間の日常になると思っていた
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特級特異点アンダーワールド

お待たせいたしました


章タイトル『つかの間の日常』なのに日常してなくね?

と思っている方がいると思いますが




おっしゃる通りです。

章タイトル変えます

日常は話の間にチョコチョコ挟んでいく感じにします


ブックマーク評価ありがとうございます。

気がつくと私たちは夕暮れの花畑にいた。咲いている花は彼岸花。果てしなく広がっていて地平線へと消えていっている。空は真っ赤に染まっていてあと数分もすれば空は完全に黒くなるだろう。


そして今自分のいる位置がわからない。私は地球上ならば自分のいる位置を把握できる設定を使徒として持っている。把握できないというのは別の星か?が作り出した異世界のどちらか。先ほどの会話からおそらく異世界に分類されるだろう。


空気が異質だ


臭いとか淀んでいるとかそういうわけではない。落ち着かない、誰かに隠れて見られている。そんな感じだ。


?が杖を地面から引き抜くとボツ案をしばらく眺めて頷いた。


「とりあえずこれ以上悪化することはない。とにかく削る」

「ええ、ですがルナフごと削ってはダメ」

「その通り。とにかく張り付いているやつを削る。ルナフはあいつらの下腹部、人間に置き換えると子宮にいる。それ以外は削り出すぞ。それから忠告だ。あいつに近接はダメだ、遠距離で攻撃しろ。あいつに取り込まれると少々面倒だ」


作戦は遠距離でひたすら削る。実態を持っているから倒せるはずだ。削りきったらルナフを救出する。最悪私が精神干渉してケアする。


ボツ案はかろうじて人の形を保っている。二足歩行だが短足で異常に太い。胴体はさらに太く目が大量についていて醜悪だ。


もう設定が失われることはないがそれでも悍しく思う。


?が魔法陣を展開させる


「改魔法、横打ち花火!」


赤色の魔法陣から放たれた火の玉はボツ案の直前で破裂して赤色の花を咲かせる。熱と音と光と衝撃がボツ案に伝わり吹き飛ばしていく。


私もそれに続くように念力を直接かけてボツ案をえぐり取る。まるで発泡スチロールを破壊しているかのように簡単に砕けて落ちていく


なんか拍子抜けだ


「なんか」

「黙って手動かせ。この世界にあいつらが存在していると考えただけで反吐が出る。改魔法、ジャイアントインパクト」


喋ることすら許してくれない。


この世界は彼女の世界、そこに得体の知れないものを入れるのは耐え難いことなのだろう。ルナフを助けるためだからこの世界に引き摺り込んだのだ


もう既に上半身は無い。

纏わり付かれると厄介だがこうして正面から戦う分には簡単だ


でも何かおかしい


全く反撃してこない。抵抗して特大の攻撃とかしてきてもおかしくはない。それともファンタジーとかの戦闘キャラじゃなくてラブコメみたいな非戦闘キャラなのか?



『シズメ!』


急にボツ案が再生した。


咄嗟に?を抱えてその場から離れた。

直感だった。その場にいたらいけないという予感

それは正しかった。


視界が赤く染まり数瞬遅れて衝撃が、その次に轟音が伝わってきた。バランスを崩し?とゴロゴロと転がる。


私たちが立っていた場所がゴッソリと消滅していた。避けなかったら死 、もしくはボツ案に取り込まれてしまっていたかもしれない。彼岸花が衝撃で舞い散る。


呆然とする

あれがもし現実にいたら

ただ事では済まなかった


「やれ」


?から聞こえたような気がした。?の顔を覗くと般若のような顔をしていた。


『全てシズメ我らの世界にシズ』アンダーワールド!」


何が起きたのかわからなかった。

再生したボツ案が吠えた瞬間?が叫んだ。


ボツ案が上半身が吹っ飛んだ。?が何かしたのかはわかるが何が起きたのかは不明、能力を使った瞬間がわからなかった。


状況的にアンダーワールドと叫んだ瞬間だと思うけど能力を使った気配がなかった。


「ねえ……いつまでそこにいる気なの」


?が私から離れてボツ案へと歩んでいく。ボツ案の目が輝きビームが放たれるがバリアーによって反射されボツ案を削る。


?に寄り添うように人の形をした黒い靄が現れる


「いつまで居座るつもりなの?」


ボツ案の腕が伸び?をつかもうとするが正体不明の斬撃によって切り刻まれる。


新たに現れた黒い靄が?の後に続く


「自分たちが捨てられたからって私たちも道連れにするの?」


次々と黒い靄が現れる。同じ姿をした靄は1つとしていない。


『苦しみを、同じ苦しみを』

「まあ気持ちはわからないわけではないけど。親に捨てられるようなものだからね」

『分かってたまるか!捨てられた我らの気持ちが』

「それがわかるんだよ、私も巻き戻しで消されたボツ案だから。誰も覚えていなかった。姿もなくなった。自我が削られて自分が失われていった」


現実の人間(ハテナ)が消された?


「声をかけても誰も振り向いてくれない。触れることもない。誰も覚えてくれていない。私がこの世に存在していた痕跡がなくなっていった。自分の部屋が物置になって学校の自分の席が無くなって……自分はここにいるのに自分が誰なのか分からなくなって沈んでいった。貴様たちなら分かるよな、あの時間も空間も存在しない領域を、そこにお前たちはいたから」

『あの忌々しい領域か、ではなぜ我々に吸収されない?』


時間も空間も存在しない領域?

そんな場所が存在するのですか?

そもそも空間がないのに場所?


?の頭がさっきの衝撃でおかしくなったわけではなさそうだった。焦点は定まっていて真っ直ぐボツ案たちを見ている。


「本来なら貴様たち同様、ボツ世界の一部になる筈だった。自分がなくなっていき、ボツ世界に吸収されていった。そこで私がボツ案にしたオリキャラが『あの時の恨みを』ってね掴んできてね……怖かった、だけどそこで『ん?』って思ったんだ。こいつらは覚えているじゃないかって」


?は黒い靄たちを手でしめす


まさかこの黒い靄、全て彼女のオリキャラというのですか?


「こいつらは覚えていてくれた。だってあいつらは現実の住民じゃない。現実世界から忘れられてもこいつらが覚えている。私を知っている人はここにいるって。そう考えたらボツ世界が拒絶反応を起こしてぺって吐き出された。オリキャラたちもろとも」


黒い靄たちは増える。人の姿をしていない者たちも現れる。


「まあ、その後オリキャラたちに襲われたけどね。色々恨みが積もっていたらしくてね。でも知っている奴がいたからほっとしたよ。名前を呼んだら手を止めてちゃんと返事してくれてね。その時は泣いたよ。今まで想像上の存在でしかなかったオリキャラたちと話できて。みんな可愛くて大事なオリキャラだから」

『有り得ない、そんなことありえない! 捨てたボツ案を全て覚えていたのか!不要なものとして忘れた筈だ!』


ボツ案の集合体は声を荒げて全力否定して目からビームを出すが盾を持った靄が?の前に立ち、防いだ。


「なんか認識がずれているけど私にとってボツ案っていうのは『なろう』とかで公開しなかったり友人に話さなかった物語のことなんだよね。対して貴様たちは捨てられたオリキャラ、作者に不要だと思われたオリキャラたちがボツ案っていうことか……そういう作者もいるのか」


?は掌で杖を叩く。最初は軽くだったが徐々に強くなっていく。

怒っている

目の前のボツ案にではなくボツ案たちを作った作者たちに


「不要なオリキャラなんか作らないよ。私はそのオリキャラに合う物語を作る。作ってみたけどつまらないからボツ案にした(公開しなかった)話は多々ある、というかほとんどそう。だけど捨てることはない。書いた物語は全て保管している。突然浮かんだ物語やオリキャラも紙に書いて時間があるときに物語にする。だってせっかく出会った私しか知らない物語、そして私しか知らないオリキャラなんだよ。それにいつかその物語の続きが生まれるかもしれない。どこかで彼らとまた会うかもしれない。今みたいに。私は絶対に捨てもしない、忘れもしない」


?が目を閉じてからもう一度開けると人格が変わったというのはすぐに分かった。口調が変わっていたから。


「こんな作者だから私たちはこうして力を貸している。この作者が捨てられたとき、正直私はざまぁみろと思った。因果応報だってね。私と同じ苦しみを、憎しみを味合わせてやろうって、みんなで襲いかかろうとした。今のあなたたちみたいに……あまりにも醜かった」


私たちが対峙しているボツ案の姿は醜悪だ。まともにみていれば気がおかしくなりそうな見た目をしている。


対して黒い靄たちは人の姿をしていて嫌悪感がない。


「だけど勘違いだった。私たちは捨てられたわけではなかった。この作者は覚えていてくれた」

「全員の名前を呼んでくれた」

「この作者は俺たちをボツにした」

「だけど忘れたわけではなかった」

「私たちはそれで救われた」


表情はわからない。だけどこれだけはわかる。ここにいる靄たちは?がオリキャラたちを大切にしているように?を大切に思っている。


言葉には出さなかったがその領域でのやり取り以外にも何かあったのだろう。今この場にたどり着くまで多くの苦楽があったのかもしれない。現実世界に戻ってきてからも誰も覚えていない、それどころか我々使徒に追いかけ回されて一度は捕まってしまったのだから。


それを乗り越えて彼女たちは今ここにいる


「だから貸してあげようと……ううん、力を貸したいと思った。私たちの作者にしてたった1人の読者だから」


そういうことか


?はボツ世界ににいたオリキャラたちに覚醒した。手段は不明だがこの世に存在しない(ボツ)設定のまま現実世界のまま戻ってきた。


そしてこの世に存在していないのに存在しているという意味不明な状態が生まれた。


故に特急特異点

ルール違反の覚醒者


だから巻き戻しの影響を完全に受けなかった。因果の脱出とは違って記憶だけじゃなく持ち物や身体的成長も変化しなかった。


進み続けることができた


もう一度?は目を閉じた


「そこで疑問に思った、あの領域は何を基準に取り込むのか?オリキャラたちと私の状況を照らし合わせた結果この結論に至った」


目を開けると悲しそうな表情をしていた。


「捨てられた、忘れられたと思っている存在が流れ着く場所。誰かが覚えていても本人がそう思っていたら領域へと沈んでいく。ひょっとしたら貴様たちの作者もそうじゃないのか? 忘れられているわけではないんじゃないか?」

『それはない!ない絶対にない』

『俺たちを捨てた!』

『私を忘れた!』

『ボツ案を覚えているなんてあり得ない』

『あいつも道連れだ!』


『シズメ!』


ボツ世界は手で耳があるだろう場所を塞いで頭を振る。そしてまた視界が赤く染まった。


すぐ近くまで寄っていた?目掛けて先ほどと同じ高火力の攻撃を仕掛けたのだろう。だけど?はその攻撃を片手で受け止めていた。右手に握られた怪しく輝く赤黒い光を化け物のボツ案に投げつけるとボツ案は体をバラバラにしながら吹っ飛んでいく。器用に子宮あたりだけは大きな塊になるように調整していた。



子宮以外の部位は空気に溶けるように消えていき、ルナフがいる子宮付近から再び再生を始める


「ほらね。まあ分かっていたけど話し合いで解決できることじゃなかったね。それに、本当に忘れられているかもしれない。私は貴様たちの作者じゃないから救うことはできない……ごめんね。だけどこれとそれは別の話だ。もう喋らなくていいよ。さっきから私の世界を壊しまくって。それに無関係な作者まで巻き込んで……覚悟しなさい」



強風が吹き荒れ彼岸花が舞い散っていく。花畑を見ると風は?中心に吹いていた。


自分から招いたとはいえ自分の世界を破壊しようとし、無関係なルナフを取り込みNを吸収しようとしていた。それに、ひょっとしたらボツ世界から脱出できる方法も示したというのに恨みの念に囚われて聞くことをやめた。差し伸ばした手を払い除けたのだ。


ボツ案たちは彼女の怒りを買っていた


「パンゲア、手伝ってと言っていながらこんなこと言うのはおかしいけどやっぱり手を出さないで。人格がオリキャラになっているあなたが手を出しちゃいけない。これは作者とボツ案の問題だから」


私は人格が完全にオリキャラに傾いている。私は作者ではなくオリキャラ側だ。

そして断れる雰囲気ではなかった。


「わかりました。ですが危なくなったら介入しますので」

「まあその時はお願い」


少し下がって彼女たちの戦いを見届ける

ボツ案の終わりを


?が杖をボツ案に向けるといくつもの魔法陣が展開される。


黒い靄たちがそれぞれ戦闘態勢をとる。


ある者は拳法のポーズをとり

ある者は巨大な銃のようなものを手にとり

ある者は弓を引き

ある者は刀を構え

ある者は口の中にブレスを溜める





「貴様たちの物語をここで終わらせる」







************



本名: ? / 覚醒名: ?

年齢: ? / ?

職業: ? / 特急特異点アンダーワールド

シンクロ率 53%


謎の覚醒者?、巻き戻しに真っ向から立ち向かうことができる特級特異点にして現実世界の因果から外れた存在。


アンダーワールドは?のボツ案の集合体の総称である。?の姿は?がボツ案にしたキャラの1人であり最初に作者に手を差し伸ばしたボツ案である。?は普段最初に手を差し伸ばしたボツ案しか能力が使えないが今回のように彼女のアンダーワールドに来るとアンダーワールドの53%の力が使うことができる。


シンクロ率が53%と低いのはまだアンダーワールドの一部から嫌われているため。戦闘になった場合パンゲアには敵わないがシンクロ率100%まで到達したらパンゲアに勝つことができるかもしれない


?のキャラがブレブレなのは?自身が何度目かの巻き戻しで存在しないものとボツ案にされて狂い、人格が削られてしまったため。アンダーワールドが思考などを補助して行動しているので補助したアンダーワールドによって微妙に性格が変わってくる。


座右の銘


心にいつも幻想を(fantasy )


10月31日

書き終わったら季節イベント専用の連載たちあげてハロウィンやろうかな


11月1日

ハロウィン終わっちゃった

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