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想像の世界〜自分のオリキャラになりました〜  作者: 旧天
第2章 つかの間の日常になると思っていた
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ボツ案

本日2回目の投稿です

ルナフが意識を失い白目を剥いた。表層人格であるルナフが意識を失ってしまったら内在人格であるNには届かない。つまりもう手遅れ。


Nなぜ?

なぜあちら側に潜ったの?


それとも潜らされたの?

潜らないといけないほど重要なことがあったの?

何か大切なものでも捨てられたの?奪われたの?


ルナフは修行前にNは眠っていると言っていた。そして彼女が嘘をついていないというのは読心でわかっている。つまりルナフに嘘をついて潜ったのだ。もしくは緊急事態で説明する暇もなかったのか。


ルナフの体が跳ね上がり慌てて意識をルナフの心に向ける


************


俺たちに出番を

主役をやらせろ

捨てるな!

出番は私のものよ

こんなところもう嫌!

忘れないでよ!


************


ルナフの目がギョロリと私のことを見る。瞳の中に複数の瞳が見えた。虫の複眼ともいうべきなのか。1つ1つの瞳の色などは違うが全員憎しみや恨み、妬みといった感情がこもっている。


ルナフを放り投げ慌てて距離を取る。あの瞳を見ていると私まであちら側に引きずられそうになる。


いや……一部持っていかれた

ただ見ていただけで持っていかれた。


何を持っていかれたのかはわからない。


だけど自分を構成しているものがいなくなっている。自分の中に空白があるように思える。自覚はあるのに何がなくなったかわからない


来る


消されたオリキャラたちが


ボツにされたオリキャラたちが


面白くないから、つまらないから、もう必要ないからと



作者に捨てられたオリキャラたち(ボツ案)


ルナフの体が痙攣し始める。意識がないはずなのに両手が顔へ……目へと伸びていく。そして一息に自らの指で目を潰した。悲鳴はない、機械のように自身の体を傷つけていく。指の骨を折り、体重をかけて腕を折っていく。彼女の意思ではないのに自分の手で体を傷つけていく。


吐きそうになるのを堪える。あまりにも醜悪だから。他者の体をのっとりその体を生贄にして自分たちを現界しようとする執念があまりにも醜い


彼女の血液から黒い蛆のようなものが現れると彼女に纏わり付く。死体に産み付けられた蛆のようにルナフに集り始める。念力で潰していっても数が多すぎる。範囲攻撃をするとルナフごと潰してしまう。それは主の意思に反する。


カサカサ


私を見つけた蛆が次々と寄ってくる。


念力でバリアーを作り出すがそれを食い破り私に噛み付いてくる。また(パンゲア)がいなくなる。自分が失われていく。少しずつ自分が誰なのかわからなくなっていく気がする。自分の体ごと念力で潰す。登ってくるやつも近くにいるやつも念力で押しつぶす


そうしている間に蛆がルナフを飲み込み1つの黒い塊となると膨れ上がっていく。腕が生え、足が生え、目ができる。目は上部に大小複数個できてそれぞれが独立してあちこちを見る。そのうちの1つと目が合うとまた何か持っていかれた。変形が終わった瞬間私の中に存在する使徒としての私が叫ぶ


逃げろ

倒せ

怖い


こんな反応するということが奴らが世界を滅ぼそうとしているということだ


そして世界を滅ぼそうとしている存在から守るのが我々使徒の役目


特級特異点の対処とは別に使徒の役目を果たす時が来るとは


だけどダメだ

今の私ではボツ案たちを相手することはできない。対峙しただけで負けてしまう。この世に存在する生物では相手することができない。これを相手できるのは主のみ。この世に存在しない唯一無二の存在だけだ


あのお方にしかこれは対処できない






「改魔法、魔槍グングニル!」


私の背後から赤い槍が飛翔していきボツ案の上半分を吹き飛ばした。槍のように見えたものは長い杖で上半身を吹き飛ばすと回転し、放物線を描きながらこちらへ戻ってきた。



「この世に存在しない者? だったら特級特異点も含まれるな」


私に纏わりついていた蛆が全て潰れる。塵も残さずに消滅した。一瞬だった。


「特級特異点?!」


戻ってきた杖を手に取ったのは私たちが追っている覚醒者の1人、特級特異点の?だった。だが普段とは明らかに様子が違う。


まず肉体年齢

普段は十代半ばほどの少女だったが色々と成長して色気がでている。


そして服装、大きな三角帽子はそのままだが普段の軍服コスプレとは違い胸元が大きく開いて体のラインを隠そうとしないピッチリとした服。そしてミニスカとハイニーソによって作られた絶対領域。それら隠そうとしているのか少々丈の長いローブを羽織っている。


これが本来の姿なのだろうか? 

それとも変身してパワーアップする設定でもあるのだろうか?


「特級特異点? そんな分類みたいな呼び方じゃなくてみんな(向こう側の人)が呼んでいるみたいに謎の美女(ハテナ)って呼んでよ。それとも使徒だから私の本名も覚醒名も神様から教わっているのかな?」


戻ってきた長杖の先で私の頬をグリグリとする。それを払って立ち上がり頭を下げる


「存じ上げませんが助けていただきありがとうございます」

「よし貸し1、だから手伝って。ボツ案を消すぞ」


礼を言った瞬間貸し借りについて話してきたがボツ案を倒すことはこちらの最優先事項でもある。


彼女の出自は不明

何度目かの巻き戻しからいきなり現れた謎の覚醒者


天災の日以前の経歴が一切不明


だけど?はルナフたちを助けようとしていることはわかっている。彼女の行動原理はNとルナフの救済


敵対関係にありますがルナフを助けるため、ボツ案討伐のために協力するのは信じられます


「わかりました一時停戦です。こちらも松村ルナフがいなくなるのは避けたいので」

「よろしい、ウェルカムワンダーワールド」


私に向けて魔法をかける。効果は不明ですが害はなさそう。


「あいつらに関しては私は専門家だ。対処方法を知っている。そして私にはそれを実行する力がある」

「どうするつもりですか?」

「現実の世界から切り離すよ!」


とんでもないこと言い出す?

現実の世界から切り離すことは異世界を作り出すといっているのと同じことだ


「ボツ案の本体と繋がったままだからいくら削っても回復するし早く接続を解かないと松村ルナフとかろうじて留まっているNがボツ案に連れていかれて2人とも存在が消滅する。それに接続を解かないと松村ルナフたちを救出することはできない」


現状私には彼らを倒す手段はない。時間がない。彼女の提案にのるしかない


「わかりました。その提案に乗りましょう」


ボツ案は再生を終えると私たちを見つめてくる。私たちを忘れさせようとしているのだ。慌てて目をそらそうとするが?に無理やり向けられたので目を瞑る


「大丈夫、さっきの魔法で一時的にあんたを私の世界に引き摺り込んだから影響しない。さっき奴らは現実の世界にしか干渉できないからな」


恐る恐るボツ案と目を合わせても先ほどまでとは違い何も失わなかった。


?は杖を地面に突き刺して魔法を使用する

この結界を展開している私だからわかる。彼女はこの結界ごと現実の世界から切り離そうとしていることが。そしてボツ案の本体とルナフの接続を切ったことも。


他の物語の法則に干渉できるあたりさすが特級特異点というべきなのでしょうか


あの集合体に感情があるのは不明だけど接続が切れたことに驚いたのかボツ案は目を見開いた。

対象に?は口の端を吊り上げた。


「ハロー! アンダーワールド!」


初期案主人公候補の1人です


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