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想像の世界〜自分のオリキャラになりました〜  作者: 旧天
第2章 つかの間の日常になると思っていた
46/167

土曜日

そろそろ日常も終わらせないと


今回挿絵があります


ブックマーク評価ありがとうございます

松村家の朝は母親の怒声で始まる


「いつまで寝てんの! 部活でしょ!」

「無理、寝る」

「もうお姉ちゃんたち起きているよ。圭太なんかランニングから戻ってきているよ」


我が家の朝というのは天災の日以前と比べてもそんなに変化していない。変わったことといえば俺が修行のために身体強化で毎朝ランニングをし始めたぐらいだ。妹は部活に所属していて土曜日は午前中に練習がある。だが今見た通り妹は朝が弱くて、というか夜更かししているからなかなか起きない。更に寝起きだから不機嫌Maxで周囲にあたり始める。とくに野郎どもには強く当たるので俺と父親は朝だけ接触禁止令が出るぐらいだ。何故か母親にだけは強く出ないので自然と妹を起こすのは母親、もしくは姉の役目となっている。


一体いつまで妹の反抗期は続くのだろうか?


《すごいよね、お姉さんの反抗期が終わって松村君の反抗期の始まりだと思っていたら妹さんの方がいきなり反抗し始めたからね》


そうなんだよな。小学4年から中学一年までずいぶんと長期間反抗しているよな。昔は体格の差でなんとか押さえつけたりすることができたけど今だと無駄に体力ついているから抑えられない。更にルナフ、つまり幼女になってしまったので俺の腕力が低下しもう手をつけられなくなってしまっている。身体強化を使えば押さえつけられるかもしれないが体格の差で持ち上げられたら手出しできない


急募、喧嘩で妹に勝つ方法


《私は正面から受け止めて押さえつけたよ》


Nはいくつもの魔法陣を展開する。確かにNなら体術でどうにかできるし魔法使えば一般人は手も足も出ない。


Nが展開した魔法陣は大きさも書かれている文字も同じものが一つとしてない。さらっと多重魔法陣同時展開するあたりさすが師匠で主人公だよな。ルナフになってから魔法使い始めて魔法一つ制御するのがやっとなのにそれを戦闘でもないのに同時展開するなんてな。


Nは頬をポリポリとかくと魔法陣を消してから深呼吸をして目を閉じる。Nの周囲に風属性の魔力である銀色の光の粒が漂い始める。だがその量は俺のとは比べ物にならないぐらい多い。別のものに置き換えるとルナフの魔力はコップ一杯分だとしてNの魔力は25mプールぐらいあるのではと思える。銀色の魔力がさざ波のように広がり


数えきれないほどの魔法陣が同時展開される。

Nって褒めると照れて調子に乗るんだよね


《あ、計算間違えた》


そういうとNは倒れこむ。そういえばあったな、魔力を使い過ぎると貧血みたいになって倒れるっていう設定が


《ごめん、調子乗って魔力使い果たした。一時間ぐらい寝ているから呼ばないで》


了解


Nが消える


じゃあ俺はシャワー浴びるか。


***********


「ふんふんふ〜ん♪」


汗をかいた後のシャワーというのは気持ちいいものです。Nさんの下で修行していた時も修行上がりのお風呂やシャワーは至福のひと時でした。Nさんと一緒に入って


沈められたり

体型を比べて絶望したり


Nさんとはいるとロクなことがなかったような気がしますがとにかく物語の時でも好きなことでした


『お風呂は心も体も洗える場所だから』


ってNさんも言っていましたし


「ん?」


シャワーを浴びてバスタオルで体を拭いていると今まで気づかなかった私の体の特徴に気づいた。私の魔力核は脊椎のあたり、具体的にいうと肩甲骨の間あたりにある。その上に薄らと痣がある。よく見ないと分からないぐらい薄いのと背中なので鏡を使わないと見れないのと元男という後ろめたさがあってジロジロと見ようとしなかったからか今まで気づかなかった。修行の時にした怪我は全て回復しているから残る筈ではないのに。


ということは思い出していないだけで私の体に元からあるものなのでしょうか


この痣がその通りだとしたら後々重要になってくる筈なんですよね。私たちの物語に限らず痣といえば何か重要ことを指し示している筈。例えばこの痣は勇者の証であるとか神の生まれ変わりとか本人が覚えていないだけで過去に壮絶な経験をしていたとか


それに通常の痣にしてはやけにはっきりとしているし真ん中付近が文字にしか見えない。明らかに何か意味しているようにしか思えない。


挿絵(By みてみん)


私は思い出していないだけで重要な役割を持つキャラだったのでしょうか?



物語の根幹に関わるほど重要な

所謂チェーホフの銃として


物語の序盤で登場していた要素が後々になってからその重要性や役割が明らかになったりする小説の手法だ。


弾が入った銃が登場したらその銃は発射されなければならない


私に置き換えるとただNさんが弟子を取るというためだけに作られたキャラクターではなく弟子が必要な場面が出てくるということだ


今思い出している段階では痣のことは物語内で書かれていない。となると後付け設定なのでしょうか?物語の設定を作者目線でどのぐらいまで思い出せているのかすらわからないから後付けなのかすらわからない。後半で明かされる部分は初期から構想していても思い出せないのだろうか?


Nさんの弟子ということが物語には不可欠だった?

そのNさんの弟子ということ自体に意味があるとしたら?

Nさんの弟子ということ自体に何か役目があるのでは?


というかそもそも


N()()()()()()()()()()()()()()()()()()


何故必要だった?

ただ弟子という存在を出したかったから私をつくった? 

貴族に誘拐された子どもを助けて弟子にしたエピソードを作りたかっただけ?


それだとおかしい

だって3番目にお気に入りのキャラだ。それ以降何かしら活躍したりしないはずがない

だってこれは()が書いた物語だ。()のことは自分がよくわかっている。お気に入りなら必ずどこかで活躍させる。それも最終決戦で一発逆転の一撃を放ったり実は勇者だったりとかする


()だったら絶対にする


ただの弟子のわけがない


だけど何故今までこのことに気がつかなかった? 少し考えれば私がただの脇キャラのわけがないというのは考えられた筈


何故考えられなかった?

何故気にしなかった?

痣を見ていなかったから?

痣はただのきっかけに過ぎない。3番目にお気に入りという時点でこの考えに至っていてもおかしくない



考えついていないことがおかしい


じゃあ今になって何故思い出した?


状況が変わったから? 

何故急に考えられるようになった?




まさかだけど


Nさんが眠っているから?

Nさんが思考操作しているから?

予約投稿試験1日目

日常ももうすぐ終わります


続きがきになる! 面白い! と思っていただけたらブックマークしていただけると幸いです

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