?のターン!〜退場〜
旧天「……」
N 《……ねえ、火曜日以降何していたの?》
旧天「ちょっとラスベガスに」
N 《私とゲーム、どっちが大事なの?》
というわけで
長い盆休みをいただきました
そしてまた主人公が出ません
ちなみに、ゲームとNだったらNとります
N 《だったらさっさと書いて!》
今回グロ系です
食事中の方は速やかにブラウザバックを
そして虫やグロやリョナが大丈夫な方だけお進みください。
ダメだという方は今回の話は次回の前書きで要約しておくのでそちらでご確認ください
グロリョナ注意: レベル3
東京都庁の屋上に?はいた
端っこから足を出してプラプラとさせながら目を閉じて鼻歌を歌っている。Nのものとよく似た軍服とワンピースで大きな三角帽子をかぶっている。その傍らには新宿駅でも今朝の都庁でも所持していなかった長い杖がある。両端から鞭のように紐が伸びている。
『現在東京23区全域に、避難指示が発令されています』
そして夜の東京に響き渡る避難指示。避難指示が発令されているにもかかわらず平然と仕事をしている人が多くいる。東京湾に巨大なドジョウが出現し、某怪獣映画のようになってしまう可能性があるのに危機感を全く持たない。まさか自分が死ぬだろうとは思っていないのだろう
鼻歌を止めて表情が硬くなる。目を開け、冷めきった視線を眼下の東京に向ける
「平和ボケした日本人共め、避難指示が出されているのに全く警戒していないじゃないか」
?は片目だけ閉じる。彼女の瞼の裏には東京湾の今の様子が映っている。
ちょうどパンゲアが海中から飛び出してきたところだ
「まったく……主人公は何やっているんだか。まあ、覚醒者のほとんどが主人公だけど」
そして少し離れたところで慌てている様子のルナフがいる。Nが消滅してしまい必殺技のやり方も何もわからない状態であたふたとしている
その姿に呆れて杖を持ち立ち上がると頭上でクルクルとマーチングバンドの指揮者のように回し始める。杖の両端に結び付けられた赤色の紐も遠心力で浮かび始める。回転は徐々に速度が上がっていき、やがて残像が出るほど素早く回転するようになった。
だが、何を考えたのかため息をつくと回転をやめてその場に座り込む
「やらないの?」
「っ……誰?!」
?はとっさに空中に足場を出現させて屋上から距離を取る
そこにいたのは……男の子にも女の子に見える小さな子どもだった。
「僕? 僕は神様だぞー!」
幼稚園児くらいの見た目で元気いっぱいの子どもというのが第一印象だろう。
無垢という言葉も当てはまるかもしれない
「神様? ……そういう覚醒者か」
彼女が一体どういう判断を下したかはわからないが敵ではないと思ったらしく上げかけていた手を下ろす。
「ここは危ないよ、お母さんのところに帰りな」
「大丈夫! もしもの時はお兄ちゃんが守ってくれるから」
「そうなんだ」
?の索敵範囲にそれらしき反応はない。物語の中ではお兄ちゃんが陰から守ってくれていたかもしれないが今はいなくて当然である。
ーいざという時は私が守るかー
?はまた屋上の端へと戻り座り込む。
その隣に男の子が座る
「……面白いものはないよ」
「いいの! お兄ちゃんを見ているから」
?は少し考え
見えない兄かと決めつける。自分の物語にもそういう設定のキャラがいたし覚醒者でいてもおかしくはない。
「そ……どんなお兄ちゃんなの?」
「う〜ん、一途?」
「乙女かい……お兄ちゃんに恋人とか奥さんいるの?」
「好きだけどまだ告白していない」
「ヘタレか! ……私も人のこと言えないけど」
?は遠くを見つめる。彼女は一体誰を思い浮かべているのだろうか
「それで、助けないの?」
「ああ…………見えているの? あの戦いが」
「うん、神様だから」
「神様だったらあの弩ジョウは消せない?」
「昔はできたけど今はできない」
申し訳なさそうに目を伏せる子ども
「……まあ、できる私がやっていないのに文句言うのは間違いか、ごめんね」
「大丈夫だよ」
?もそうだ。弩ジョウを一撃で倒せる攻撃手段を持っているが使わない。周囲を巻き込んでしまうからではなく、制約があるわけでもない
それでも使おうとしていない
?にだって事情はある
神さまにだって事情がある
「あのちっちゃな女の子ってあなたにとってどんな人」
「ルナフのこと?」
「うん。Nの記憶があるちっちゃな女の子」
「うんそうだね」
?は微笑みながら杖を神さまの喉元に当てる
杖は赤色の光の粒が渦を巻くように纏っている
まるで、Nの流れ星のように
「質問に質問で返すようで悪いけど貴様は一体何者だ」
神さまはさっきまでの無垢な子どもという雰囲気から変わり得体の知れない怪物の雰囲気が漂う
杖を一瞥すると?を見上げる
「君は一体何者だ。二人称のところはルートや言っている人で変わるけど……Nが登場する物語ではよく使われるフレーズだよね」
「答えろ」
「だから言っているじゃん。僕は神様だって……あなたがルール違反の覚醒者であるのも僕は知っているよ」
「っ……」
ルール違反と呼ばれたことで?の表情が一層険しくなる
「僕だってせっかく生まれてきた子は消したくない。だけどルールはルールだ。何かしらの制裁を与えなくてはいけない。現在、ルール違反を犯したのは二人いる。僕はこの二人を特急特異点と呼んでいる。特異点周囲には本来の時間の流れとは違う。このループした時間が一つ目の特急特異点のせい。そしてそれに唯一完全に抗えることができたあなたが二つ目の特急特異点」
八葉の考察通り?は巻き戻しの影響を受けていない。
「『?の覚醒名』、君は最果ての未来で何を見た」
その言葉を聞いた瞬間?は都庁の屋上から身を踊らせる。?はまだ一度も自分の名前を名乗ったことはない。元から知っているとしたらNのみ、そのNも存在していない。
?は落下しながら新宿駅の時や今朝の八葉とのやりとりのように落ち着いた雰囲気ではなく慌てた様子で叫んだ
「ハロー! ワンダーワー……かはっ」
?の右脇腹に槍が突き刺さる。痛みに顔を歪ませるが耐えきれず口から鮮血を吐き出す。その鮮血の中にわずかに黒く蠢くものも見える。蛆のように
地面と激突する寸前、?は持っていた杖を地面に向ける。落下速度がゆっくりとなっていき、ふんわりと膝をついて地面に着地することができた。
都庁前の道路に人通りはなく、何かしらの力が働いているようだった
?が降りた直後に神様が?の背後に降り立つと無造作に槍を引き抜く。鮮血が吹き出す、そこにもまた黒く蠢くナニカが混じっている。吹き出した黒い蛆は地面に落ちると全て?の方に向かっていき?の体を登っていき槍によって空いた風穴から、耳から、口から、鼻から入り込んでいく。
?声にならない叫びを上げて地面に倒れこむ。それでも逃げようと痛みと恐怖を我慢して腕に力を入れる。風穴から血管に侵入したのかその腕の内側で小さな山が行ったり来たりとしている
「まさかそれを使うとはね」
逃げようとする?には目をくれずに血に混じっていた黒く蠢く蛆のようなものを神さまは踏み潰す。神さまには登って来ようとしない
「いらないものとして捨てたのに、いらないものとして忘れたというのに、わざわざゴミ箱に行って拾ってきたのか」
?はダメージが大きいらしく返事はせずに這うように神様から距離を取ろうとするが亀のように遅い。蛆の方が速い
「仕方ない、もう一度捨ててくるか。お前ごとな」
神さまは?の襟元を掴むと暗くなった道を歩んでいく。見た目とは違い軽々と引きずっていく神さま。?に抵抗する力は残っていないのかもう動かなかった。
ひきづられていく途中、?の服の中から懐中時計が落っこちる。それに気づくことなく、もしくは気づいているけど放っておいている神様はそのまま消えていく
消えかける神さまと?
?が消える僅か一瞬、彼女は笑みを浮かべていた
誰もいない都庁周辺
しばらくすると人通りが戻り騒がしくなっていく
蛆もどこかに行ったのかもういない
?が落とした懐中時計は通行人に蹴られてあっちこっちに転がっていく
夜中では落ちていても気づくことは難しい。さらに通る人のほとんどが覚醒者が現れたことによって慣れない仕事や対応をしたりして疲れ切っている人たち。時計を見つけたとしても拾う気にはならないかもしれない
だがそれを拾った人がいた
「なるほど……だから私に回収させにきたのか」
黒髪の長髪でヴィクトリアン風のメイド服を着ている少女。髪飾りの赤い花を身につけており形は鈴蘭のようだ
「君の物語では唯一の対神武器だからね。これをなくすのは惜しいはずだ」
独り言を呟くと肩掛けの鞄からアタッシュケースを出す。どう見ても鞄よりも大きい。
アタッシュケースに入れる前に目に見える汚れは全てふき取ると丁寧に布に包んでしまう
アタッシュケースを持ち上げると同時に空からつり革のついたロープが降ってくる。上空には巨大な鉄の船が浮かんでいた。宇宙戦艦とかSFで出てくる船といった感じだ。
そしてその存在に誰も気づいていない
メイドの存在にも気づいていない
ロープにつかまり、つり革に片足をかけると引き上げられていく
上がっていく中、東京湾の方を見つめるメイド。パンゲアが弩ジョウに飛びかかっているところだ
だが彼女はルナフの方を見ていた
ルナフはあたふたをしていたが突然体が硬直した。
「さあ、見せておくれ……必殺技を」
N 《新キャラ二人出たと思ったら片方また女かよと思ったそこの読者! 安心して!
このメイド登場済みだから》
ここで休みの間考えていた今回の話のボツ案
触手ルート: 体内の黒く蠢くものは蛆のようなものではなく触手のようなもので神さまがいじって暴走
決戦ルート: 単純に?対神さまで神さまが勝つ
なぜ蛆ルートになったか?
N 《実家の物置の中で亡くなっていたヤモリを埋葬しようとスコップで持ち上げたら蛆が出てきたから。旧天は最初触手ルートでグロリョナ回にしようとしていたよ》
そして前書きのグロリョナレベル
レベル1 : 血が飛び出してくる程度
レベル2 : 四肢切断したり腹を割いたりする
レベル3 : 旧天が調子に乗り始めて登場人物の体内から得体の知れない触手やらドジョウやらを出す
レベル4 : 旧天が調子に乗って絶好調になって最高にハイな状態で書くグロリョナ回
レベル5 : レベル4以上
今回は得体の知れない蛆とかを?から出しましたのでレベル3です
タグにグロとリョナつけておきます
なろう内のグロ系、リョナ系読んで書きかた学んできます。次グロリョナ書くときはレベルアップした文章を書きたいです




