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限定解除〜Nのターン!〜

本日二話目です

次回は来週の土曜日を予定しています


ブックマーク、評価ありがとうございます

失念していた


使徒の存在を


まだ私が肉体を持っていた時に現れた最強クラスの存在


何度か勃発した第三次世界大戦で列強諸国を返り討ちにし、何度も文明を破壊した。

それと同じくらい世界を救った


覚醒者の中でも特別な存在

たった一人で世界をひっくり返せるほどの力を持った存在

神に祝福された存在


この世界が物語だとしたら、作者の超お気に入りでむちゃくちゃ強くなった存在



天災の日から最低でも半年過ぎないと見かけなかったがまさか天災の日に会うことになるなんて


彼女を前にしてルナフが動けなくなるのはわかっていた。声をかけてもルナフには届かないだろう。

表情が乏しいが纏っている雰囲気は強者のもの。


これを前にまだただの女の子であるルナフが動けるわけがない

ならどうすればいいか?


選択肢は

1、相手に従う

私の記憶

だが私を気絶させるほどの力を持っている、そして彼女は人間ではない


2、祈る

ルナフが私の言葉を聞けるようになるまで待つ


「弱い……」


あなたに比べたら弱いのはわかっている!

そもそもあなたが強すぎる!


「限定解除を許可します……」


************


さっきまでルナフを通して見ていた光景が自身の目で見える

といってもこの肉体はルナフだ

私の目ではない。

ルナフの体が私の意思で動く


「一ヶ月ぶりというべきでしょうか、N……?」



ルナフの体型を即座に理解して放った身体強化の拳は彼女が常に展開している障壁によって止められる。使徒は『何がしたいの?』と尋ねるように首をかしげる。


ヒビを入れることすら叶わなかった右手を引っ込める。


無茶苦茶痛い


流石に12歳の肉体では出力が足りない。身体強化でも魔力量が少ないから貫通しない。あらゆる点で未熟


まだ英雄になる前

魔法使いとしては新人の身


わかっていたが殴らないと気が済まなかった


「なぜ……私を解除した?」


頭の中で意識を失って倒れているルナフが見える。なるほど、これがいつも2人が見ている状態か。


いつもと逆の状態になっている

ルナフ&松村君が頭の中に、私が肉体を動かしている


こんなことあり得るのかと聞かれたらあると答える

私は松村君の頭に残されたNの記憶を基にして作られた擬似人格、松村君と同じ脳を使う並列思考の存在。

並列しているのだから入れ替えることも可能


だが私が乗っ取らないように魔法で私を松村君の副人格としていた

相性が良すぎてあっという間に松村君たちの人格を消滅させてしまう


私外側に出てしまってはいけないのだ


「少しだけ……移動だけすればすぐに戻す……できる?」


使徒は東を指す

Dr.Kを指しているのは少し考えればわかった


どのみち、自分では元の状態に戻れない

大人しく従うしかない。さっさと移動して戻してもらわないとまた松村君の人格が消滅する。そしたら私がいなくなった意味がなくなる


返事をするかわりに箒を呼び出す。


魔力が少ないといってもやり方やちょっとした小細工すれば魔力をほとんど使わずに空を飛ぶことはできる。


「では、気を失っているユリアを担いでいきます」


そういって天使のような翼を出してユリアをお姫様抱っこで持ち上げるとゆっくりと上空に上がっていく。スカートだから見えてしまうのではとこちらが気にしてしまうがロングスカートだからか見えることはなかった



私も箒に乗った状態で流れ星を構築して浮かぶ。上空100mあたりで方角を確認してそちらの方向に箒を向ける。


「あなたは何番目のルート?」


使徒が放った言葉に心臓が止まりそうになる


何番目のルート、それを聞いて黒歴史ノート以外にパソコンに保存してあるデータを思い出す。

ルナフに引き継ぐ直前でも虫食い状態で詳細を見ることはできなかった。

私が完璧に思い出しているのは黒歴史ノートの五冊


第1ルートのみ



「……やっぱりあれは知っているのね。私たちの物語を」

「当然……質問に答えて」


当然か……さすが使徒と言うべきか

アレに仕えているだけのことはある

私が知らないことまで知っているかもしれない


「わからない」

「そう……」


深くは聞いてこない。向こうもわかっていたのだろう。私が完全に思い出していないことを。実際に巻き戻しの累計時間は何十年もある。だけどその間ずっと私は物語の完結を見ることはできなかった。


「1番目のルートなのか……2番目のルートなのか……最悪の3番目のルート……私が知らないルートかもしれない」

「何番目かわからない……だからNと名乗っているN番目のルートとして。ルートによって名前が違ってくるから」


初めて覚醒した時、自分の名前が何かわからなかった。候補は頭の中に浮かんだがどれが正解かわからなかった。鑑定したらわかると思ったが出たのはnameless


自分は一体何者なのかわからなかった

だがなんというか

こう思えた


「私はなんだってなれる……人類を救う英雄にだって、主人公を支える影の実力者にだって、世界を滅ぼす黒幕にだって、愛する人に全てを捧げることだって……………………愛する人に?」

「Nが知らないルート……あなたも完全に思い出していない」

「私が恋? 馬鹿馬鹿しい」


私が恋をするルートなど存在しない

私に恋をする資格はない

そもそも相手がいない


「そうですか? 14歳のくせに大人に見せようと必死に頑張って背伸びしている。可愛い弟子のためならなんだってする。本来の自分を隠していたがある人物と関わりを持つようになりやがて」

「悪いけどこれが素なんだけど」

「……あり」

「なし!」


構っていたら相手の思うツボだと判断して無視し始める。


しばらくすると海が見えてきた

水平線に太陽が沈もうとしていて空が橙色に染まっている


***********


二人が光を巻きながら飛翔していくのを地上の人々は見ていた。青い光と金色の光が二筋、流れ星のように東へ向かっていく。


光が通った後には光の粒が漂い、オーロラのようにも見えた


ある者は世界の終焉だと叫び


ある者は謎の天体現象とネットに投稿して


ある者は光の正体を知り敬礼をして


暗躍している八葉は自分がやるべきことを理解する


************


気絶していたユリアを叩き起こした


「なんで口調がN?」

「知らなくていい、さっさと船を。切羽詰まっているから詳細は後でこれに聞いて」


当然だが使徒もついてきている。ユリアにとっては得体の知れない化け物と幼女の姿をしたNがいるからか混乱してフラフラとしている。


ユリアが腕時計を操作すると小さなボートが出現する。それに乗り込みユリアの操作で沖合にいるDr.Kの船へと向かう




日はすっかり暮れてしまい肉眼ではどこに船がいるかわからない。だが隣にいる使徒には見えているのか時々ユリアに指示をしている


「ねえ、あなたが出しゃばってきたということはいよいよまずくなったということ?」

「ええ、私以外の使徒も少し、あのお方もやってきています」


アレが来ているとなると本格的に時間がおかしくなり始めたということ。

アレが覚醒したということはこの世界の寿命が迫ってきているということ


それも、今までとは比べものにならない速さで


やはりやり直しは世界に負担がかかる。私たちとアレの目的は一致している筈だ。


「それと、あのお方からNに言伝があります」


アレからの言伝?


「あなたが本当に時間の流れを正常にしたいなら、ルナフをパンゲアに……私に預けなさい……とのことです」

「あなたに? 」


私が知る限り彼女より強い者はいない。その下でルナフが修行できるなら願ったり叶ったりだ


「忘れていませんか? 私は使徒ですよ」


ドヤ顔をしようとしているが全くできていなくて苦笑いみたいになっているパンゲアから目をそらし自分の手を見つめる


何でドヤ顔したんだ?


あ、これルナフの体だった


「別のことを忘れいたよ」

「?」

「私を解除したことを忘れていたよ。一発殴らせてくれればこれ以上言わない」

「殴るのはアリスの役目では?」

「あいにくと逃げる必要がないからね。煽るより殴るべきだと判断した」


龍脈のエネルギーを右腕に集中させる

自身の魔力が無くても周りにはある。この世界には龍脈という馬鹿でかいエネルギー源がある。


天災の日以前から存在していたのかはわからない。だが使えるものは有効活用しなくては


ルナフに教えた身体強化と教えていない身体強化を併用し、さらに拳に衝撃魔法も加える。これが魔法で殴る時の基本となる型


ここからさらにいくつもの魔法を組み合わせていく


ルナフにはまだできない複合魔法


私がやるときは魔力の関係で銀色に拳が輝くがルナフは青白く輝いていく


龍脈は底なしかと思えるほど膨大なエネルギーを含んでいる

この星全域を巡っているものだ


星の大動脈といったところだ


「それは防げませんね……」


船上ということもあり逃げ場はない。上空に逃げればいいかも知れないが逃げても追いかけるし障壁があるから威力が落ちるとわかっているから仁王立ちする


「潔いのは好きだよ」


物語内最強クラスの戦闘技能によって放たれた渾身の右ストレートは障壁を突き破り


頰を腫れさせることに成功した


************


「右手が痛い……」


そして戻ったルナフの右手は赤く腫れ上がっていた。


ブックマーク、評価などしていただけると嬉しいです


次回は気長にお待ちください

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