反撃……できそうにないです
火サスで使われそうな崖の上に2つの人影があった
一人は黒髪の少女でもう一人は少女に首を掴まれている。すぐ後ろは崖で落ちてしまったら命を落としてしまうだろう
顔には旧天と書かれた紙が貼ってある
《次回予告で反撃開始……だけど反撃開始できなかった。まあそこは大目に見てあげましょう。所詮予告だし》
「な、ならこの手を」
《だけど》
ギロッ
紙に隠れてNの目は見えないはずなのに旧天は震え上がる
《回想でルナフを慰めた時……重要な文章が抜けていたよね》
「そ、それは」
《なぜ忘れたか正直に話したら助けてあげる》
「ほ、本当か?!」
《ええ、私が嘘ついたことある?》
ある
「例の文章はどこに入れるか迷ってて別のところに保存してあった。本編とは別の場所に……そして昼食を食べている時に忘れて本編はそのまま投稿してしまった。文章が抜けた状態で」
《そして投稿後読み返して抜けていることに気がついたのね》
「だがあることに気がついた。例の文章は後々にとっておいた方が面白いと」
《その結果書き始めていた分をゼロから作ることになった。さらに私用で忙しくなっていて書く時間も少なくなっている」
「そうだ……これが真実だ」
Nに助けてくれと隠れている目で訴える旧天
だがNは旧天を持ち上げると海の方へゆっくり歩いていく
《言う相手は私ではなくいつも楽しみにしている読者に向けて言うべきよ》
「こ、ころすのか?」
旧天の下にもう地面はない
《正直に言ったら助けてあげると約束したな》
「そうだN……助けて……」
《あれは嘘だ》
絶叫と共に崖の下へと落ちていく旧天。波に飲み込まれて消えていく
N「そもそも二回も半年休んだ旧天に救いなんてない」
ルナフ「なんだこの茶番。そもそもこんなの書いていないでさっさと本編かけ」
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まずいつもお読みいただきありがとうございます
そしてごめんなさい
私用で2週間ほど投稿速度が落ちます
というのを前回書き忘れていました
8月2日まで投稿速度が落ちますので気長にお待ちください
そしてサブタイトルの通り反撃開始できませんでした
「ル、ルナフちゃん?!」
「心配おかけしました……大丈夫です」
「いやでも呼吸困難になっていたし」
「大丈夫です、Nさんに助けられたので」
《いいこいいこ》
Nさん、もう大丈夫なので手を放してくれませんか?
頭の中でNさんはずっと抱きつきながら歌っている。こうしていると落ち着くけど眠りたくなってしまう
《こういうときはありがたく受け取りなさい》
あとでお願いしま……す……zzz
「Nに?……って寝てる?! こんなところで眠っていたら悪い人に連れていかれるよ!」
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なんとかNさんを剥がして目を覚ます。まだ至近距離にいて頭を撫でてはいるが
「まず、記憶は無くなっていないね」
「はい、屋上から急に自分の部屋になっていて」
「ルナフちゃんが因果から外れた存在じゃなかったら困ったけど問題ないね」
いい子いい子とユリアさんに撫でられる
「はっ! 自然と頭撫でてた……」
「思い出していないだけで撫でられやすいという設定でもあるんでしょうか?」
《ない……と思うけど》
現在進行形でNさんが撫でているから裏設定みたいな感じであったのかもしれない。ノートに書かずにこっそり付けた設定が。
「なんか気持ちいい」
ユリアさんが目を細めて和んでいる
「って、和んでいる場合じゃなかった。今朝、八葉ちゃんから連絡があってドジョウの犯人について」
《……あの子、やっぱり只者じゃないね》
「住所職業年齢電話番号本名シンクロ率特殊能力学歴今までの交際した人数小学校の卒業作文小中高大の成績がわかったって」
《もう何も突っ込まない……》
Nさんが驚きを通り越して呆れている。
住所本名電話番号ならまだわかる。だがシンクロ率、小学校の卒業作文、成績まで手に入れているのはどういうことですか?!
「思っていることはわかる……さすがミステリー出身だね」
八葉さんがロッキングチェアに揺られて新聞を読む姿が頭に浮かぶ
《いやあの子探偵ポジションじゃなくて事件解決のアドバイスをする謎の美少女JK(自称)だから》
探れば探るほど犯人がわからなくなってきた刑事。現場100回と事件現場に再び訪れた刑事がそこであったのは謎の八葉、いつも事件解決の手がかりを教えてくれる彼女は今回の事件の全容を知っているかのようにヒントを出していく。言いたいことだけ言って立ち去る八葉を追いかける刑事。だが人混みに飲み込まれてしまい見失ってしまう
後日、八葉のヒントのお陰で犯人逮捕に成功、事件の全容も明らかになっていく。だだが被害者や加害者の関係者にの中に八葉の姿はなかった。
彼女は一体何者だろうか?
《私も詳しくは知らないけど君が……ルナフが考えるとしたらそんな感じになるのかな? 》
これってよくあるパターンで一連の事件の黒幕と親しい人とか過去にあった黒幕の事件の関係者とかそういうパターンじゃないか?
《王道もいいけどオリジナリティが欲しいよね》
《それが難しんだよね〜》
「それが難しいですよね〜」
「何が?」
「物語でオリジナリティを出して成功するにはです」
オリジナリティを求めてつまらなくなるのはよくあるパターン。そしてオリジナリティに走りすぎて内容がわからなくなってしまうパターン
「はいはい、話を進めたいからちょっとそれは置いておこうか」
ユリアさんは腕時計型のSF端末を操作して空中に画面を投影する。
画面に映されたのは
中年のメタボ体型の男と年老いて痩せた男性
どちらがどっちなのかわからないが元の姿と覚醒者としての姿だろう
「中村 和樹、覚醒名はDr.K。実年齢は53歳、覚醒年齢は63歳、前回の時点でシンクロ率87%東京都在住だって。八葉が集めたデータでは覚醒の日から9日後、6月23日に小さな船を盗み出してどこかに出航した後行方不明になっている。ここから先は裏付けがされていない情報だけど出航した翌日に判別不能なほど大破した船が東京湾で見つかっている。その船に乗っていたのがドジョウ博士じゃないかと思っているらしい」
じゃあ8日後になるのか。
それまでに戦えるようにしておかないと
「本人の戦闘能力は高くないけど……実際に見たとおりドジョウを使わせると簡単に日本を崩壊させることができる」
次は早くて月曜日だと思います