お約束?
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「蛙が潰れたような音がしたからなんだと思ったら空を飛ぼうとして落ちたのね」
頭は打たなかったが背中を強く打ってお母さんに救助され、背中に湿布を貼ってもらっている。
バチン!
「湿布貼る時なんで叩くの?!」
「くっつけるため」
背中がヒリヒリとしているが湿布がひんやりとして気持ちいい。
「そういえば……服買ってこないとね」
今は覚醒者になった時に体と一緒に変化した水色のワンピースではなく母親の運動着を着ている。空を飛ぶからワンピースは流石に服を借りた。
前回の時間では母親がいつのまにか買ってきていた服を着ていた。
「今から買いに行く?」
《TSのお約束ktkr!》
……
Nさん!
あなたそんなキャラじゃないですよね!
……
Nが頭の中の風景をクローゼットにして大量の服を見せてくれる
《ふっふっふ、前回はお母さんが買ってきてくれたけどTSの定番をやっていなかったからね!》
いや、TSの定番する暇がなかったし疲れて精神的に磨耗してたから気にする余裕なかったしそもそも
というか既に累計で2週間はルナフで過ごしているんだぞ。今更服を買いに行く程度で恥ずかしがることはないだろ
《TS物語で定番をやらないとは愚か者の所業! 恥を知りなさい!》
あの〜Nさん
聞いています?
時事ネタを組み込んでくるのはいいですが
《だけどね……今回のは耐えられるかしら?》
ルナフの記憶もあるから恥じらうことがそんなにないというか。まあ、今更何をいっているんだっていう感じだ
《服屋で他の人に見られながら着せ替え人形になる恐怖、存分に味わうが良い!》
Nさんが顔を真っ赤にして目をくるくると回している
ああ
1週目とかでやられたのか?
《この時松村ルナフは知らなかった、これから起きる惨劇を》
ダメだこの師匠、早くなんとかしないと。
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母親となぜか付いてきた姉に連行されるように服屋へとやってきた。とりあえず服の数が欲しいから安い店にやってきた。
「学校行く時ってどうなるんだろうね?」
「さあ? とりあえず出席停止になっているからその間に学校は考えるでしょ。俺は約20cm縮んでいるから元の制服とかジャージを着ることができない」
設定では140cm、調べてみたら10歳の平均身長だから12歳にしては小さい方だ。見た目は完全にロリになっちまったということだ。物語を書いた頃は家にインターネットが繋がっていなかったから調べれなかったのと適当でいいやって思ったからだ。
それと頭の中でNとの身長差を考えた時の理想が140cmだったということ。ちなみにNは160cm。身長高くて胸が大きいって本当に14歳なのか?!
Nは着痩せするタイプで服を着た状態じゃわからないが脱ぐとそれなりの大きさを持っている
《やーい絶壁!》
出発する前から変なテンションなNが
俺というよりルナフに向かって言っているのだろう
……
Nさん?
……
《弟子の顔がかなり怖いんだけど!》
でも俺としては小さい方が前の体と変わらないからいいんだけどやっぱり女になったから胸は大きい方が良かったな
《恨むなら過去の自分にして》
「何ぼーっとしているの?」
母親がカゴの中に次々と服を入れていく相変わらずセンスが壊滅的だ
「お母さん!その服のセンスはない!」
母親のセンスはいうと大阪のおばちゃんみたいな服ばっか持ってくる。
対する姉は現役女子大生、そして俺の性格をわかってくれていて派手ではない服をチョイスしてくれて別のカゴに入れていく
それでもスカートが多い。
というか二人とも入れすぎ
「お姉ちゃん、空飛ぶからズボン」
「ズボン? まあ空飛ぶならそうだよね」
「圭太、これなんかどう?」
「却下!」
誰がヒョウ柄の服なんて着るか!
前回母親が買ってきてくれたと思っていたけどひょっとして姉も同行してなんとか大阪のおばちゃんを回避してくれたのか?
「ちょっとそれ地味すぎない?」
「「お母さんのは派手すぎる!」」
お母さんが持ってきたのは紫色のスパンコールのワンピースだった
「お母さんはもう選ばなくていいから圭太と二人で下着見に行って」
「えー、でも」
「お母さんいこう!」
母親の袖を掴んで下着コーナーに向かう
こういうのは普通逆だろ
TSして下着を買いに行くのが嫌な息子を母親が襟を掴んで引きずるのがTSものだろ!
なんで息子が母親の袖を引っ張って下着の方を見に行かないといけないんだよ!
《私の時はお姉ちゃんに着せ替え人形にされて下着は自分で選んだな〜。お母さん蚊帳の外だったよ》
流石に下着は元男では選べなかったのでおとなしく店員さんを捕まえてサポートしてもらうことにした
ん?
お母さん?
いつのまにか服選びに戻ってお姉ちゃんと口論している
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「だからそんなの着るのお母さんぐらいしかいないって!」
「こんな地味なの圭太は着ない!」
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「サイズ測りますねー」
「お、お願いします」
《いいねいいね、その頰をほんのり赤くして恥ずかしがりながらも店員さんの指示に従うロリ》
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「だいたいお母さんと圭太のセンスはずれまくってる!」
「小学生の服を選んだことのないくせに!」
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「お母さんとかお姉ちゃんは着ていないの?」
「向こうで私の服について口論していて」
《まだやっているね……》
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「地味!」
「派手!」
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「え? 覚醒者なんですか?」
「はい、今朝目覚めたらこんな体になっていて」
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「私がお金出すんだから!」
「それはそれ! これはこれ!」
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「まさか店員さんもなろう読者とは」
「TS娘の下着選びを手伝う夢が叶うなんて思ってもいませんでした……このサイズですとノンワイヤーがいいですね」
《店員さんの手が早くなっている……》
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「お母さん、私が小学生の時にどれほどの苦労したか知ってる?」
「文句言わなかったじゃない!」
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「ありがとうございます。助かりました」
「こちらこそありがとうございます。叶うはずのない夢を叶えることができました。恥じらい顔、いただきました」
《すっかり店員さんと意気投合しちゃって》
そういえばNって軍服自作とかしたのか?
《軍服だけは古着屋でベースとなる服を買って魔改造して魔法道具に加工して作ったよ。本気の戦闘ならやっぱりあの軍服じゃないとね……そろそろ止めたら》
別れる前と同じ場所で二人は口論していた。
籠は2つあってそれぞれが選んだ服が入っている。俺としては姉の籠の方を選びたい
「二人とも、周りの迷惑になるから」
「「どっちの籠!」」
「お姉ちゃんので」
お母さんがその場で崩れ落ちてお姉ちゃんがガッツポーズをする。
TSなのにやっていなかったので……
次回、反撃開始