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?with八葉のターン!

八葉(ヤツバ)


文章が丸ごとなくなっているところがあったのでくわえました

2019/7/13


前回の要約


巻き戻し発動

天災の日に戻る

山手線が今回の騒動に関与している?

「ハローリアルワールド」


軍服ワンピースの少女は現実世界にたどり着くと懐中時計を確認する


「時間が戻った……」


時間が戻った

これを認識しているということは因果から外れた存在であるということ。


「ッ……」


心臓に痛みが走るがなんとか持ち直す。


巻き戻しを彼女は何度も経験している筈だがいまだになれないのか落ち着きなく周囲を見渡す


時間は天災の日の明け方

場所は東京都庁の建物の上

眼下にはドジョウに覆われる前の東京の街並みが広がっていた。


普段の東京を彼女は知らないが知っている人が見ればいつもよりも騒がしいと気づく筈だ

緊急車両が多く出動していてあちこちからサイレンが聞こえてくる


覚醒者になったばかりの都民が慌てて救急要請をしたからだろう。目が覚めた者たちは自身の体がいつもの自分とは違う体になっていて


そんなことしても元の体に戻るわけではないと知っているのは因果から外れたものたちだけ


「ようやく見つけましたよ」


少女の他にもう一人屋上に人がいた。

軍服の少女はゆっくり顔を向けてその姿を確認する。屋上の入り口に防寒対策をして軍服少女を睨むJK


「なんだ……あなたか。Nが世話になっているよ八葉」


八葉はやっぱりと呟く。強風でめくれそうになっているスカートを手で抑えながら尋ねる


「何故私の名前を?」

「Nに関する情報は全て集める」

「関係者の情報は手に入れているということね……なら、私の正体も?」


軍服少女は首を横に振る


「残念ながら詳しくは知らない。どの時間軸でも一般人を叙述で操っている。自分の手は使わずに。何の能力も持たないあなたが都庁の屋上にこれたのは都庁の職員を利用したから」

「十分持っているじゃない」

「次から尾行を頼む人材は選んだ方がいい。バレバレだった」


八葉は尾行を頼んだ人を思い出す。確か興信所の人間だった筈。念の為そういう人材にしか頼んでいなかった。全員プロに頼んだ筈だ。それでもバレた。これ以上となると覚醒者レベルになる。


そして覚醒者を叙述で操るのは少し面倒だ

自分の世界のルールで生きていて現代人の価値観と違って制御しにくい


「善処する……それで、あなたは一体何者?」

「それはそちらも探っていたのでは?」


八葉は前回の軍服少女の行動を思い出す。新宿駅で結界を破壊して姿をくらませ、次に現れたのは都内の骨董品屋で懐中時計を購入

ドジョウ襲来の日には都庁の屋上……ここで傍観していた


「あなたの行動の監視は重要事項の一つとして傀儡に命じていた。だからあなたがどこで何をしていたのかはわかっている……完全ではないけど」

「その結果何がわかった?」

「今手に持っている懐中時計……それ、前回で買ったものよね」


先程軍服に少女が見ていた時計だ。蓋つきの懐中時計でこれといったおかしな点はない。蓋の表面には一筆書きで八芒星が描かれている


「ええ、そうよ前回の天才の日から数日後に買ったもの」

「それです。なぜ時間が巻き戻されたのにその時計を持っているのか?巻き戻しが起こると所持品や身体能力はリセットされるというのに」

「それはあなたも察しているのでは?」

「因果から外れた存在。それも、巻き戻しの影響を受けない存在。オリキャラとかの設定とかで外れたわけではない。本当の意味でこの宇宙の因果から外れた存在」

「ふふふ……Nにバレないようにはしていたけどまさかミステリー少女にバレちゃうなんて私もまだまだね」

「教えて、あなたは覚醒者なの?」

「ここまで教えたご褒美に教えてあげよう。答えはYES」

「目的は?」

「そうだね……Nの救済かな」


八葉の脳裏にはあの少女の姿が思い浮かぶ。見た目の年齢

大人ぶっている少女というより大人が見た目通り少女の言動しようとしているけどうまくできていないように見えた


そして八葉たちに巻き戻しの解決を頼みこの世から消滅した


「Nの救済? もうすでにNは」

「知っている、Nを救済する前にNはいなくなっちゃった。だからNの弟子を助けている」

「新宿駅の結界を破壊したのも」

「そこにルナフがいたから。犯人はシメといた」

「何でNを救済しようと思ったの?」

「それは答えられない、そろそろいい? 時間がないから」

「っ……最後の質問、その軍服とコート……コートに関しては少し違いますがなぜNと同じものを?」

「それは簡単だ、私はNに憧れて魔女になったのだから。形から真似てみた」


軍服の少女は最後の質問に答えると屋上から身を踊らせる。重力に従い下へと落ちていく。


八葉は軍服の少女がどうなったのか確認せずに携帯を取り出すと傀儡にいくつか指示を出す。魔女といっていたのだ、どうせ空飛んだり転移して無事。無能力者である八葉に追いかける手段はない


時間が始まったばかりでしかも慌ててここに来たから傀儡としたのは道中のタクシーの運転手と都庁の職員数名のみ。しばらくはいろんなところに潜入して傀儡を増やさなくてはならない


あの魔女に尾行は意味がないのはわかった。なら別のこと、ドジョウに関して行動すべき。犯人の足取りは何回も傀儡にした警察のお陰でわかっている。

この情報を託せるのはもういないけどNか


「ユリア」

『うぅ……な゛に゛』


電話越しの彼女は体の変化にまだ慣れていないらしくうめき声のように出た。仕方ないことだ。体が変わったばかりで体のダルさが抜けない筈

八葉もなんとか都庁にたどり着いたが今すぐ眠りたいと思っている


「ドジョウ終わらせるよ。チート連中に任せられない」

『同意見……けどもう少し待って。まだ体が』

「動けるようになってからでいい。ルナフを連れていくかはユリアの判断に任せる」

『じゃあ連れていくよ……というか今日中に動く筈』

「そんなわけ」

『大輔は何もできなかったけどあの子巻き戻し直前にどうにかしようとしていた。それにあの子にはNが付いている。ルナフちゃんがダメでもNがいれば』

「わかった……私は会合の日までいつも通り暗躍してくるから。ドジョウの犯人の足取りについてはわかっている範囲だけメールで送っておく」

『わかった……じゃあおやすみ』

「おやすみ」


電話を切り東の空を見る


もうすぐ夜明けだ


お読みいただきありがとうございます


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