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ドジョウ

一応書いておきます


グロ注意


途中遊んでいます

「アリスとNがこんな小さくなるなんてね」


大学の学食の隅で俺たちは昼食をとっていた俺はラーメン、大輔は生姜焼き定食、ユリアさんは唐揚げ定食


Nも頭の中でチャーハンを食べている


「ルナフはNの弟子でロリキャラ枠で作ったので」

「大輔はアリスのお兄さんの奥さんの弟っていう設定なので」

「やっぱり物語に子どもキャラっているよね」


なんだろう……このやり取り新鮮だ

自分の物語について話すことなんて今までありえなかったが現在はみんなが自分の世界について恥ずかしがることなく話せている


「私って運転手でね。けど物騒な世界だから自己防衛できる程度に戦闘能力は持っているの」

「私も自身の戦闘能力は持っていないんだよね……アリスは持っていたんだけど」

「俺も物語をつなげるために弟子が必要だったからそんなに……」

「二人とも何言っているの?」


俺と大輔の言葉に目を丸くする。なんかおかしなことでも言ったのか?

だって主要キャラじゃないんだよ。なぜか覚醒したらルナフだったけど


「大輔はある力が使えるようになると無茶苦茶強くなるってアリスが言っていたよ」

「え?」


大輔は首をかしげる

大輔の記憶にある部分では全く心当たりがないらしい


「ルナフだって、私の弟子なんだから強いに決まっているってNが言っていたよ」

「何そのNの過剰な期待」


《過剰ではないよ。私の弟子だ、ルナフは強くなる。というか強くなってもらわないと困る》


「まあ、それについてはそれぞれの頭の中にいる人たちに任せよっか。ところで……今何時だろう」


時計を見てみると午後1時を過ぎたあたりだ。大学は授業日だが今は授業時間であるから人がまばらになっている


「じゃあそろそろかな? 首都防衛戦」


ユリアさんが腕時計のボタンを何回か操作すると空中に映像が現れた。


びっくりして手が止まる


「いいね、その顔。SF出身だからこういうのも使えるんだよ」


映像では東京湾が映っていて海の中に巨大な影がある。どうやらどこかのテレビ局の中継映像らしく、音声も入っている


「東京湾に巨大な影が現れました。タンカーより大きく覚醒者由来ではないかと思われます。東京湾周辺は避難命令が出され、自衛隊が出動して……」


まるでゴ◯ラみたいだな


「これが今日起きる首都防衛戦。巨大魚弩ジョウ討伐戦」

《川魚のくせに海にいるっていうツッコミは不要だよ》

「幾ら何でも大き過ぎますよ! 確かにNさんでも倒せませんよこれは!」

《ルナフになった》


その巨大魚は海面から頭部を出した。大量の海水が滝のように落ちて沿岸に波として押し寄せている


露わになった頭部にはドジョウの面影があるが


龍のように見える


「国民の避難が住んでいないから自衛隊も攻撃しようにもできないんだよね」

「そんなこと言っている場合ですか?! 今にも上陸しそうですよ!」


弩ジョウが体を大きく揺らして東京の方へ向かっていく。あのまま上陸したら東京どころか日本が麻痺する

東京壊滅なんかしたら世界経済にも大打撃を与える


とうとう弩ジョウが陸地に乗り上げようとしたその時


弩ジョウが色とりどりの光と爆炎に押されて東京湾に戻されていった


現代兵器などではない

魔法や神通力などの超能力による攻撃だ


「異世界チートの集団、異世界同盟のお出ましだよ」


テレビにもその姿が映る

ある者は空を飛び

ある者は地上で杖を構えて

ある者は大量の魔法陣を空に出していた


ぱっと見強くは見えない人が殆どだが全員何かしらのチートを持っているのだろ


中には筋肉ダルマの怪物のような人もいるが


「あの人たちがいれば

「ちょっとなにこれ!」


厨房の方からおばちゃんの悲鳴が聞こえたと同時に厨房から慌てて人がたくさん出てくる


そして一目散に逃げだす


食堂には何が起きたのかわかっていない学生とテレビを見ている学生に分かれた


ピチ


厨房の方から何かが動いている音が聞こえた


《……何?》


Nがわからないということは前回まで起きてないことだ


厨房から聞こえる音は大きくなり増えていく

ユリアさんは立ち上がり様子を伺う

大輔はユリアさんの影から顔を出して伺う

俺は念の為魔力を動かしておく




ピチ ピ

ピチ ピチ ピ チ

ピチピチピチピチ チ

ピチ

ピチ

ピチ

ピチ

ピチピチピチピチ


ピチ

ピチピチピチピ

ピチ

ピチ

ピチピチピチピチピチ

ピチ

ピチ

ピチ


厨房からピョンと一匹魚が荒ぶりながら出てくる。


ドジョウだ


通常サイズのドジョウだ

陸に上がった魚らしくはねている


「なんだドジョウか」


厨房の近くにいた学生たちが飛びしてきたのがドジョウだとわかり安心したのか厨房の様子を見にいく


大輔がホッと息をついたがすぐに虚空を見た


《ルナフ! 逃げて!》

「みんな逃げて!」


Nさんとユリアさんが叫ぶのと厨房を見にいった学生がドジョウの大群にのみ込まれたのはほぼ同時だった。ドジョウの大群に押されて倒れこむ学生たち。あっという間に


「でも、あいつらが」

「もう助からない」


大輔が助けに行こうとするがユリアさんに掴まれて出口へ向かう

私もその後に続く

出る寸前に飲み込まれた学生たちを見ると口の中に大量のドジョウが入り込み、白目を向いていた。


食堂から出るとあちこちから悲鳴が聞こえてくる。トイレからもドジョウの大群が現れて同様に人が飲み込まれていく


水回りから出てきているということは水道から現れているのか


《ルナフ、他人の命は後回しに……自分の命の防衛を最優先として》

「はい」


いくら魔法が使えても単体攻撃魔法の初級ぐらいしか使えないから焼け石に水


スノー程度じゃ攻撃にもならない


「この状態じゃ地上はすぐに埋まるね……なるべく高所に向かうよ!」

「「はい!」」


ユリアさんに続いて上へと向かう

エレベーターは使わずに階段で向かう。


ふと地上を見るとどうに飲み込まれていく人が大勢いた。空を飛べる覚醒者が何人か助けようと手を伸ばすが多くの人に掴まれて落ちてしまい道連れになっている。


別の建物からは二階の窓を突き破りドジョウと人が滝のように流れて地上に落ちて潰れていく


他にも見た人がいたらしく階段の途中で吐き出している人もいた


「いつからこの世界はB級映画になったのよ」


ユリアさんがそう叫ぶ


《何なのよ今回の首都防衛戦は!?》


Nが頭の中で何もない空間を行ったり来たりと落ち着かない様子で歩き回る


階段を駆け上ると人の流れが止まった

屋上の扉の鍵が閉まっているらしく学生たちがタックルで開けようとしているが頑丈で開かない


「早くして!」

「何やっているんだよ!」


後ろからは罵声が聞こえてくる。焦る気持ちはわかるがあの人たちだって


ユリアさんが時計を操作して空中のモニターを出すとタブレットのように操作していく。画面には何かの箱が現れてその画面で手をかざすとユリアさんの手には同じものが実物として現れた。


箱の中からは大量の工具が出てきて拳大ほどの立方体を取り出すと人垣を押しのけて扉へ近づく


「二人はそこで待ってて」


ユリアさんがタックルしている人たちに話しかけて立方体を見せしばらく問答するとタックルしていた人がどいた


鍵穴に先ほどの立方体を当てると立方体の表面に文字がいくつも現れカチャカチャカチャっと音がするとあっという間に扉が開いた


開いた瞬間周囲の人が我先にと屋上へと流れ込んでいく


私も大輔も流されてあっという間に屋上へと出た


「よし、捕まえた」


ユリアさんがいつのまにか戻ってきて私と大輔の手を取る

はぐれないようにするためだろう


屋上の端へとたどり着き振り向くと次々と人が流れ込んでくる

この状態だと屋上もすぐに人で埋まってしまうだろう


「日本壊滅だね」


ユリアさんの呟きに眼下に広がる東京を見る


地上の道路はすでにドジョウで埋め尽くされて蠢いてる

ドジョウの大群には動かなくなった人間の手足や顔がありそれを見た大輔がうずくまる


私は物語内で死体を見慣れていたからなんとか耐えられるがドジョウの大群がヌメヌメとしているのが蠢いているのが気持ち悪い


東京湾の方を見るとまだ光が収まっていない

戦いが続いているのだろう


「一体、何が起きているの?」



弩ジョウは

弩級とドジョウを組み合わせたものです

誤字ではありません


今回書いてて楽しかった

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