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待たせたな

ただいま

《待たせたな》


Nが明後日の方向を見て低い声で言う

タバコ吸ってダンボール使って潜入ミッションでも始める気なのか?


まあ、本当に久しぶりぶりな気がするけどNについては放置しておこう


ダンボールに入って出てこなくなったし。もし記憶のNに干渉できるならガムテープで塞いでやろうと思っている


「それじゃあ早速だけど僕たちの拠点へ行こうか」

「あ、ツッコミは不要ですか?」

「ご注文はツッコミですか?」

「いらないから大丈夫。移動しながらお互いのことを把握しようか」


イカリさんのを挟むように俺たちは歩く。小学生二人を連れて行く謎の男性エルフという構図が出来上がっている


改めてイカリを見ると羨ましいぐらいのイケメンだが自分がなりたいかと聞かれたら答えはNOだ


整いすぎて逆に怖いというのかな?


「それじゃあ軽く因果の脱出について説明しようか。どのくらい前任から説明されている?」

「俺は繰り返す時間を動かすために活動しているとしか」

「私も同じく」


俺も大輔も大雑把にしか説明されていない。Nは元から最低限の情報しか教えないタイプで後は自力で集めろとかいうやつだからな


私も修行の時は少ししか教えてもらえなかったですし


「まあ大雑把にいうとそうだね。僕たちは時間を繰り返している犯人を突き止めて繰り返しを止める」


犯人を突き止める?

Nは既に犯人はわかっているって言っていたけどイカリたちには報告していないのか?


頭の中のNは首を横に振ると


《それについてはイカリたちに言わないで……それで? 犯人を突き止めてどうやって止めさせるつもりなの?》


言わないということはイカリたちを信用していないのか?

それとも教えてしまったら犯人から呪いとか飛んでくるのか?


「止めるって具体的にどうやって止めるんですか?」

「それは犯人を突き止めてからだね……話し合いで済めばいいけど時間を巻き戻しているから話し合いに応じず逃げる可能性があるし……どのみち武力衝突は避けられないと思うよ」


つまりノープランか

《ノープランね……私がいない間に何か決まったか期待したけど巻き戻しの犯人についての手がかりさえ掴んでいないなんて》


なんでNは手がかり掴んでいるんだ?


《偶然という名の必然》


教えてくれないのですね


************


着いたのはとある大学


「元々大学の友人が覚醒者で僕と彼が繰り返しに気づいたから今の組織が立ち上がった。徐々に仲間を増やして今に至る」


大学内は誰でも入れるらしく警備員に何も言われずに入ることができた


若干エルフにロリとショタという謎の構図で注目が集まっていたがただそのぐらい


遠巻きに見られていただけだ


大学の奥へと入って行くと人気が徐々に少なくなっていきそして一つの小部屋へとたどり着く


次来るときちゃんと到着できるか心配だな


イカリは軽くノックすると返事を待たずに入って行くその後に俺と大輔が続く


部室にはJK一人

異世界風の男一人

ツナギを着た少女が一人


の計三人がいて

ツナギの少女は自身の周りに工具が散らばっていて機械の修理をしていた


異世界風の男は棒を持って素振りをしていた


JKは窓の外を眺めていたがこちらを向いた


そのJKになぜか釘付けになった

目が離せなく無くなったというか


《先に言っておく……JKは一番信用できるけど完全に信じちゃいけない》


Nの言葉にマジマジとJKを見てしまいJKも視線に気づいたのか見つめ返してきた


「ああ、そのロリっ子がNなんだ」

「よくわかるな……僕は一回確認しないと分からなかったのに」


JKは微笑しながらこう答える


「だってそっくりじゃん、師匠に」


JKと目が合う

その目は暗く……闇のようだった。そこまでも深い闇で見れば見るほど引きずりこまれてしまう


ずっと見ているとのみこまれてしまい自我が崩壊しそうになる


あれだ

あの言葉が具現化した人だ


《深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだ》

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