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想像の世界〜自分のオリキャラになりました〜  作者: 旧天
幻想異聞奇譚 第二章 要塞学園迷宮
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2-18 整理

お久しぶりです。

本日6月14日は、投稿開始から5周年となります。


半年ぶりの更新なので通常話の更新となります。

(本当は沖縄奪還作戦書きたかった)


いつも更新が空いてしまってごめんなさい。

「こここ、これで失礼いたします。せせ線路が近いですけど、りり寮にいればばば、安全でっっす」


「あ、ちょっと待って! 聞きたいことが……行っちゃった」


目を合わせることなく、アルペジオと名乗った生徒は会釈して、私たちの視界から消えていった。


八葉さんが引き留めようと手を伸ばしていたが、それも虚しく宙を切っただけ。道中も何も会話ができなく、まるで、この世の全てに怯えているように見えた。


「行っちゃいましたね……いじめって、ああいう反応を面白がるイカれた奴が消えないから起きるんですよね」


「人間は相対的に自分が優れていると思わないと、精神が壊れる生物だからね……さてと、状況を整理しようか」


寮のロビーには多くの人が集まっていて、こちらに話しかけようとしているが、八葉さんが『大事な話がある』と言って退ける。それでも食い下がらない奴らには、


まあ


その


怖かったです。


「さて、コーヒーがないけど、状況は私の物語と同じ。目の前に広がるのは史上最も不可解な事件、巻き戻し。それに関連する謎の空間、要塞学園迷宮」


* *


『でさ、あの少年が可愛くて……コーヒー?』


* *


対面に座る八葉さんは足を組み、紙コップに入った水を一口飲む。


「現在の目的はルナフちゃんの回収。彼女は14区にいるとに情報が手に入った」


近くの生徒からもらった紙に、ペンで『14=ルナフ』と書かれてある。


「対して私達は47区にいる。迷宮に入る前は、私とルナフちゃんは一緒に行動していたけど、今は別々。代わりに大輔がいる」


『47=八、大』


「どうして別々の場所にいた私たちが合流して、一緒にいた2人が別々に」


「正直、手段についてはお手上げ。だから、理由を考えよう。何故、47と14なのか。この数字には何の意味があるのか。ここは物語。どうして地区が47もある?」


八葉さんがまた、水を含んでいる。対して私は落ち着けない。全然わからない。確かに、名前がある限り、何かしらの意味はあるはず。


だけど、どうして数字なのか。


「ちなみに、私の予想はついているよ」


「え、教えてくださいよ」


「ヤダ♪」


八葉さんが肘をついて手を組み、その上に顎を乗せる。


「私は探偵じゃないんだよ。謎を解く主人公にアドバイスをするお助け役。主人公が悩む姿を見るのが大好きな、女子高生」


「趣味悪」


「私の対面に座った時点で、大輔は私の主人公となった。ミステリーのね。でも、初めての探偵役だからサービス。私たちが迷宮突入前にいたのは?」


「学校」


「その学校があるのは?」


「S市」


「そのS市があるのは?」


「神奈川県って、まさかそんな単純な」


「そう、地区の数字は都道府県番号。高校生には馴染みがないかもしれないけど、色々な申請で使うことがあるからね。大人になったら、見る機会があるよ」


* *


『大人に、なったら』


* *


「それじゃあ、14というのは」


「神奈川県を意味する。対して47は沖縄県。まるで、私たちを遠ざけるために、とにかく遠くへ飛ばされたようだね」


周りを見てみる。沖縄県らしい特徴がないか探してみると、すぐに見つかった。シーサーが置かれていたり、沢山のお菓子の中にサーターアンダギーやちんすこうが置かれている。


「……の割には、みんな方言とか使いませんね」


「この迷宮の作者は、方言とか面倒くさがるタイプの作者のようみたいだね。沖縄らしさのチョイスも、沖縄のイメージそのもの。ここに泡盛置いてあったら良かったのに」


* *


『泡盛』


* *


「ちょっと引っかかっているのは、アルペジオの最後の言葉。鉄道は沖縄にはない。となると、暴れる重力と同様に、鉄道は迷宮特有の機能かもしれない」


「鉄道ということは、移動と物流が目的なのでは? 地区が、県ごとにあるということはそれぞれ広くなると思いますし、そうなると移動も困難です」


「高校生の移動手段と言ったら、自転車、公共交通機関。遠くに行くなら鉄道一択ね。飛行機は日常的に使わない。もう一つ気になったのが、安全ということ。近いと何が危険なのか? 都合よく、近くにあるみたいだし見に行ってこない?」


「抜け出すんですか?」


「夜遊びだよ。それとも大輔の夜はゲーム三昧かな?」


* *


『ただ大人ぶっているだけか』


* *


寮、というからには門限があると思うが、まだしばらく大丈夫らしい。近くの生徒に鉄道を見に行くと伝えたら、あっさりと場所を教えてくれた。


危険というのは何だったのだろうか?


滅茶苦茶になった重力の先に、よく見るタイプの線路が敷かれていた。建物の中に鉄路があること以外、特におかしいものはない。


「近くを走っているわけでもないね」


線路に耳を当てて八葉さんは呟く。線路はしばらくするとカーブして見えなくなっている。反対側もだ。


「架線もなく、第三軌条もない。となるとディーゼルタイプの列車が使われている?」

バイクで600km走ったら体がボロボロになりました。

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