2-12 Legendary limited express singularity
ブックマークありがとうございます。
予定では最後の謎の人物、ヴィアの登場です。
正体がよく分かっていないキャラ一覧
?
オーバーワールド
神さま
パンゲア
アリス(バチカル)
アリス(大輔の脳内)
八刃
ユリア
和也
etc
書いてて思ったんですが、そういえば殆どキャラの正体判明していないなと。
2018/6/14 00:10 JST
とある国のとある島の、とある海岸で車椅子に乗った?と、アリスが美しい花畑の中にある細い道を進んでいく。
その2人の周りを馬に乗った騎士たちが守護するように、アリスの歩く速さに合わせて進む。
そんな彼女たちを花の隙間や空から妖精たちが見ている。天を仰げば、何処までも伸びる一筋の光が地平線から地平線へと流れている。
太陽は存在せず、だが朝日のように暖かい光に包まれた世界。
まるで御伽噺のような世界に……誰かが想像したかのような世界に2人はいた。
「綺麗だな……朱莉」
「うん……え、今私の名前呼んだ?」
「……たまには呼んで良いだろ。ここでは、オーバーワールドの目も無い。それに、見えているのは私だけだ」
「私だけ……そうだね」
曇った表情をしたアリスはゆっくりと、?の耳元に口を近づける。
「それにしても、今回は待遇は良いね。前回は島の土踏む為に戦艦が大破するぐらい戦ったのに」
「ヴィアも、自分の世界に土足で得体の知れない生物を入れたく無いだろ。前回だって、私は結局入れなくて朱莉が通信機器を持って繋げてくれてようやく話せたのだから」
?の肉体には幾つものボツ案が、蛆のように住み着いている。そんな生命体を領域に入れたく無いのはおかしく無い。むしろ、今回が特例なのだ。
「ハテナ様、間も無くです」
?とアリスが顔を上げると、巨大なお城が突然現れる。一度見たことあるアリスはあまり驚かなかったが、初めて見た?は口をポカンと開ける。
「……ごめん、クソ作者びっくりしすぎて思考停止した」
「無理もないよね。流石伝説の特急特異点……城門の前で大勢の騎士を引き連れているのが、ヴィアだよ」
前にいた騎士たちが傍にそれ、2人はこの世界の主である女王ヴィアと対峙する。?が立ちあがろうとするのをヴィアは手で制し、アリスはたち上がろうとする?の肩を押さえつけた。
「とうとう、この時が来たか。約束だ。貴殿たちの望みを今一度言ってみせよ」
「では、お言葉に甘えて。今代のワンダーワールドに力を貸してほしい。ヴィア」
「承知した、月からの来訪者よ。私の想像の世界、再び救世の剣となろう」
* *
「パンゲア、お前は残れ」
特急特異点リアルワールドであるショタ神さまが、飛び立とうとするパンゲアを引き止める。
パンゲアは都庁の屋上の縁にかけていた足を、ゆっくりと下ろすと不服そうな顔で振り向く。
「……何故? ……私、Nの……弟子の……師匠。だから……助ける」
「それを待てと言っているんだ。お前があいつを気にかけているのは理解しているし、面倒見ろと言ったのも俺だ」
「……じゃあ……えっと……何だっけ……why?」
「さっき自分で『何故』って言っただろ。お前、デフォルトだと戦闘に極振りしすぎなんだよ」
「ゴキブリ?」
「極振り! 一つの能力に偏ってるだッ!」
神さまは座っていた椅子を消滅させると、パンゲアの横に立つ。眼下で栄える人類を守るのがリアルワールドの役目だ。
「俺が見ていろと言ったのは、松村がワンダーワールドに再び覚醒しないか見張れという意味だった。最も、オーバーワールドの誘拐でこちらが介入する前に使徒になってしまった。起きたことはもう覆せない」
「……」
「ワンダーワールドがどれほど恐ろしい力を持っているか知っているか? 他の特急特異点とは根底から違う」
「それが……何か? オーバー……ワールドに対抗する……為には」
「ワンダーワールドはな、劇薬なんだよ。世界にとってな」
神さまが握り拳を強く握り、その中に力を収縮させる。
「本来は、ワンダーワールドの暴走を止める為の他の特急特異点だった。だが、この世界では暴走したオーバーワールドに対抗する為に、ワンダーワールドがルール違反で誕生した……!?」
その収縮させていた力を、後方へと投げつける。その力の行方を、『何故そんな無駄なことを』と考えながら目で追うパンゲアの視界に、見かけない人物がいて警戒を引き上げた。
「誰……? 使徒?」
神さまが放った力はその人物が、ヴィアが持っていた剣によって弾かれ天空へと消えていった。
「動くなパンゲア! 殺されるぞ!」
モードチェンジしようとしたパンゲアを神さまが声で引き止める。パンゲアが神さまの方を見ると、冷や汗をかいているのが分かった。足が震え、ガタガタと歯を鳴らす。
「流石、伝説の特急特異点だな。今、殺す気で放ったのだが」
「%#$€%}%^*%%」
「すまん、日本語で喋ってくれないか?」
「Sorry, can you speak in Japanese?」
神さまと同じ気持ちだったパンゲアがうろ覚えの英語で相手にお願いする。そもそも相手が喋っていたのが英語なのか分からないが。
「これは失礼。知っているのは私だけだったか……今の攻撃は一体?」
「いきなり背後を取られたら誰だって驚く。驚いたから攻撃しただけだ。何故こうも力を持つ奴は背後を取りたがるんだ?」
「趣味だ」
その者は持っていた剣でコンと地面を叩く。
「時間がない。要件だけ伝えよう。今回の戦いには私も参加させてもらう」
「戦い? オーバーワールドとのか? それとも学園のか?」
「違う。リアルワールド、貴殿との戦いだ」
* *
「何だった……今の……使徒?」
数分話し合い、というか一方的な要求を告げられリアルワールドは呑んだ。戦ったら容易に勝てる相手であるが、戦うことは出来なかった。
ここで勝っても、相手には協力者がいる。アンダーワールドと対峙することになる。
「あれか? あれはな、過去の特急特異点だ。特急特異点同士の戦いに勝利し、世界を更新した勝者。本来は諦観者だった奴だ」
「味方……」
「敵だ! 現実をひっくり返す奴は全員敵だ! パンゲア、お前もだ! 何故お前は俺の使徒でありながら、俺の命令に従わない! 何故、松村ルナフを殺さない! 特急特異点になる前に殺さなければ、世界が壊れる」
パンゲアは神さまの言葉に首を傾げて分からないふりをして、そっぽを向く。
「ふざけるなッ! 何故だ……何故」
「分かっていますよね、私があなたの使徒になってあげた理由が。私とあなたは主従の関係ではなく、互いの利害が一致したに過ぎません」
「……」
モードチェンジしていないのに、パンゲアが流暢な口調で言葉を紡ぐ。信じられない光景を見て、なんとか頭を回転させて神さまは答えを導き出す。
「パンゲアの作者か」
「ええ、えぇ、私はパンゲアの作者。そして、何処にでもいる、恋する乙女」
何、よくある話だ。ゲームや物語の剣などが、何故そのような名前になったのかとか疑問に思うことはなかったかい? まあ、描写している物語も多いと思うが、そこまで本編に絡んではこないことが殆どだろう? では、各特急特異点の皆様、あなた方が使うその力、それぞれ名前があると思いますが……一体誰が決めたのでしょうかね? 何故名前があったのでしょうかね? 簡単な話ですよ、過去に誰かが使って名前をつけたから。名前が時の流れで変わることだってよくある話でございます。シャングリラワールドが、勝手に力の名前を『シャングリラワールド』にしたように。
え?
話が長い?
お前、シリアスキャラじゃないだろ?
私潰すの?
へぶぅするの?
——沖田ユイ
あ、最後に
「しつこい!」
割と真面目な話ですが、元特急特異点は使徒クラスの力を使うことが出来ます。つまり、野良使徒です。流石に特急特異点には勝てませんが、現在の使徒相手なら勝つ確率が高いです。
使徒レベルの存在の戦闘能力順位は以下のものです。
ヴィア 1位
パンゲア 2位
N 3位
因みにですが、現在のパンゲアは弱体化しています。




