2-11 好きな人
分量間違えたのでアンダーワールド勢のイチャイチャ? です
「八葉さん!」
沖縄へ向かう船内で、ルナフちゃんと再会した。私の周りにいた連合艦隊の海兵たちが全員ルナフちゃんに敬礼する。
全世界にオーバーワールドの存在を伝え、リアルワールドと取引して洗脳を1日限定で解き、連合国家艦隊を結成に尽力し、さらに■■として最前線に立つ。
何処かの地域では救世主とも呼ばれているとか。そして、その背後にいるのはルナフちゃんの相棒と、神奈川覚醒者連合の幹部の唯一の生き残りのアリス。
「まさか、ここまで軍を集められたとはね。流石、Nの作者」
「いやぁ、本当に俺がNを想像したんですかね? 痕跡しか無いですけど、こんな短期間で戦力を整えられたのはNがお膳立てしてくれたからですよ。それに、アリスさんと八葉さんも協力してくれましたし」
Nの戦いを知っている身からしたら、ルナフちゃんの功績は納得する。よく、キャラのスペックに作者が追いついたなと。
「それを差し引いても、文句なしの功績だね」
「……えへへ、私、頑張りましたから」
照れるのを堪えようとしたらルナフちゃんが出てきたらしく、見た目相応に笑顔で照れた。
「私はNさんの一番弟子ですから!」
* *
『作戦は失敗した!』
撤退していくルナフちゃんとその相棒。その2人への道を塞ぐように私は立つ。
「オーバーワールド」
「協定では、こちらに直接関与しないと決めたはずだが?」
「本当ならそのままにする気だったよ。だから私はずっと後方にいた」
「何か心を変える出来事でもあったのか?」
天を見上げる。満月が輝いていてとても綺麗な空だ。光を失った沖縄の大地では星空がよく見える。
「輝きかな?」
「輝き?」
あの子は輝いていた。
「私は読者だった。だけどね、いつの間にか私は取り込まれていた。心を」
「何が言いたい?」
「よくある言葉だよ」
私にもあんな時期があったな。
「恋して奮起する女の子は美しい。だからアラサーのババアも応援したくなっただけ」
「恋か、くだらない。この世で最もいらない要素だ!」
「全世界の人類を敵に回すような発言……って元から回していたか」
ナイフを抜き、戦闘態勢をとる。
「オーバーワールド、恋をしたことはあるかしら? 身も焦がすような、体の内側から込み上げる、熱くて酔いそうで抑えきれない恋を」
「したことないな」
「じゃあこれは予想できなかった筈だ。例え実らぬ恋だと分かっていても、相手のためなら命をかけてしまう。あの子はずっと側にいた。ずっとずっと支え続けてきたからこそね」
「?」
「恋する乙女は強いっていうこと! アリス!」
* *
「〜♪」
「バチカル」
「〜♪」
「バチカル?」
「〜♪」
「……アリス」
「はい♪」
やっと?がこっちの名前で呼んでくれた。散々忠告やら警告やらドクターストップを無視して戦った罰。
「何だか上機嫌ですね」
「そりゃ勿論、しばらく?が私に頭が上がらないと思うと」
「マジすんませんでした」
「ふふふよろしい」
?は戦艦の食堂で私に手料理を食べている。色々と体が回復してきて、その分エネルギーが欲しくなったかららしい。
「今まで少ししか食べられなかったバチカルの手料理が食べられるのは嬉しいな」
「お? これはプロポーズですか? みそ汁一生作ってほしいというやつですか?」
「……」
「…………ごめん」
「いや、構わぬ。こやつが気の利いた返答を出来ないのが悪いのじゃ。妾が後でキツく言っておく」
急に所作が上品になり、?は落ち着いた佇まいでご飯を口にする。
「だが、この機会に問うておこう。近衛朱莉、アリスよ。其方はこの身と心中しても良いのか? 最後は悲惨だぞ」
「……姐様って乙女心分からないのですか?」
「ほう?」
口元を吊り上げ、?は足を組み手招きする。大人しく従い、彼女の前に立つと?が顎クイして……待って直視できない! 普段の放っておけない?も良いけど、イケイケの?も良い。
「妾の目を見よ、そして今一度、あの時言った言葉を答えろ。其方は何故、ここまで協力する」
「?のことが好きだからです! 恥ずかしいから言わせないでください!」
「……妾としては、好きだから死なせたくないと答えてほしかった」
姐様は再び座り食事を再開する。
「其方が妾の作者を大事に思うように、妾たちも大事に思う。だからこそ、死んでほしくないのじゃ……むっ」
姐様が頭を振り、表情を人格を変える。
「クソ作者だけど、私たちのこと大事にしてくれるからね。アリスさんもよく知っているでしょ? クソ作者、身内が1番大事だからね」
「……だからこそ、自分を疎かにする」
「そう、本当に自分勝手なクソ作者だよ」
「だから放っておけない」
「その結果アリスさん自身が死んでも?」
「好きな人と一緒に死ねるなら、私は構いませんよ」
それぞれが戦う理由
松村ルナフ→ 奪われたNを取り戻す
?→ 未来を取り戻すため、父親との約束を守るため。
* *
?がアンダーワールドに至った経緯はかなり後の話なんですよね……いつ書けるかな?
沖縄奪還作戦って結構惜しい所まで行っていたんですよね
エーイーリ「物語が進むにつれて株が上がるタイプのキャラです⭐︎」




