表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/167

修行

未来のために書いておこう


お帰り

家に帰った


《修行だよ、全員集合!》


Nが腕を上げて一人で盛り上がる

既に集合している

黙っていたら咳払いして


《さて、今回は魔法を3つ覚えてもらう》


何事もなかったのように始めた


《さて松村君、君の予想では私は何を教えると思う?》


まず、初級の単発攻撃魔法

次に身体強化

あと1つは魔力感知かな?


《正解!》


Nが頭の中でくす玉を割る

頭の中だからって自由だな


《では早速攻撃魔法からいってみよう》


いってみようっていうけど攻撃魔法なら人がいないところが良いのでは?


《まず腕立て100回!》


ハ?


腕立て100回?


なんで?


《修行で腕力が必要だから》


いや、攻撃魔法と腕立てが結びつかないんだけど


《十分間腕を上げっぱなしに出来るほどの腕力あるの?》


************


「さっき教えた攻撃魔法はちゃんと覚えている?」


師匠となったNさんは10m離れたところで的を作っていた。さっき教わったのは対人初級氷魔法だ

名前はない

だけど判断しにくいから勝手に


「名前をつけるならスノーにしなさい」


スノーにした

スノーは細かい氷を作り出してそれを纏めて放つ


雪玉のようなものだと教わった


「はい」

「じゃあ片腕を上げて」


右腕を上げた


「真っ直ぐ腕を伸ばして、手のひらは的に、初めてだからリラックスできるように足を開いて」


Nさんが文字通り手取り足取り指導する


「よし」


体は大丈夫だと判断したNさんが一歩下がって


「撃てえぇぇぇぇい!」


号令とともに私は教わった魔法を腕を通して発動する


ぽしゅ


と音がして親指ほどの雪玉が放たれて二メートルほどで地面に落ちた


情けない音に恥ずかしくなる私

笑っちゃいけないと思っているのか顔をそらして必死に耐えているNさん


太ももを抓ってこらえ切ってから


「よし、ひたすら撃ちまくれ! とりあえず十分は腕を下ろすな!」


こうして地獄の修行が始まった


************


……今のは


《ルナフの記憶ね、私との修行を思い出したんだと思うよ》


確か、翌日腕が上がらないほどの筋肉痛に見舞われるんだ


《さ〜て松村君?》


意識をNの方に戻すと満面の笑みで


修行をしよう(地獄を見にいこう)



************


やあ

Nの七日間修行へようこそ

七日間君たちの教官であるNだ

ここでは気軽にNと呼んでもらって構わない

早速だが君たちはここで死んでもらう



間違えた、死体になってもらう

死体になってからが修行の本番だ

それまではただのお遊びだ


安心したまえ、比喩だ


では早速始めていこうと思うがここで注意点

やる気のないやつは失せろ

君たちが本気でやらないとただの虐待になるからね


ルナフもやる気がないなら帰ってもいい


いい?


では始めよう


ではまず基本的なこと、この修行を始める準備段階だ


とりあえず腕立てをゆっくり10回だ


言い忘れたが、これは魔法使いの修行ではなく戦士の修行だ。当然肉体的な修行もする


準備はいい?


7カウントで伏せて7カウントで上がるんだ

大丈夫、君ならできる

私も一緒にやる

君一人に辛いことは押し付けないさ

よし、いくよ

一緒に声出して


1,2,3,4,5,6,7

1,2,3,4,5,6,7


よし一度体勢を楽にしてくれ


今のでわかっただろ?

一回でもキツイのが10回ある


まだ始まったばかりだ

こんなの序の口だ

よし続きをしよう

まだまだあるからね腹筋背筋スクワット走り込み懸垂……


*

*

*

*

*


90分における準備時間お疲れ様

では最後に言っておこう

今回行った筋トレは筋肉をつけるためじゃない

体が動けない時、疲れ切っている時に動くために行ったに過ぎない


まあ、多少は筋トレ目的もあるけど


辛い?

辛いよね

一緒にやっている私だって辛い

立ち上がる事すら難しい


疲れたよね

休みたいよね

お風呂入ってサッパリしたいよね

こんな事したくないよね






いいよ

やめたいなら今はやめていいよ

修行なんて放っておいていいんだよ



だけど、必ず戻ってきてね

この修行は君が自分の意思でやってほしい


保障しよう。この七日間修行をやり遂げたとき、君は変わる

どんなに辛い事が起きても諦めない



たとえ心の底から信じていた人が敵になっても



辛くても変わりたいという気持ちがあれば君は変われる

辛い、やめたい、休みたい

そこから一歩踏み出すんだ

その一歩は君を変える一歩だ

もうダメだというときこそチャンスなんだ

君が変われるチャンスなんだ


さあ立ち上がって

私の手を握って

一緒に一歩踏み出そう






よく踏み出した


この一歩を忘れるな


これが君が変わる一歩だ

ブックマーク登録がじわじわと増えて嬉しいです

ありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ