表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
想像の世界〜自分のオリキャラになりました〜  作者: 旧天
幻想異聞奇譚 第二章 要塞学園迷宮
147/167

2-7 誰も知らない使徒

私は何度だって蘇る!

必ず書いてみせる!


約半年ぶりです。

お久しぶりです。

更新再開です。


平成に始まって、未だに作中が平成の物語です。

「使徒か……自覚はないけど使徒みたいなの、私」


「自覚がない?」


八葉さんは周りをキョロキョロと見渡すと、人目から隠すように私との距離を詰める。手招きするので顔を寄せると八葉さんは自分の太腿を見るように指で示す。


制服のスカートを八葉さんが摘み上げ僅かに太腿を晒すと、そこには革で出来たレッグホルスターがあり、青いナイフが数本留めてあった。護身用に持っているには物騒すぎるし、そのナイフは僅かながら、だけど華やかな装飾がされている。


市販のものではないのは明らかだ。

つまり、覚醒者の道具だ。


「えっ……八葉さんって戦闘タイプでしたっけ?」


「ううん、()はただのアドバイス役。だけど、私に混じった二つは戦闘向きなの。ある時から、使い方だけは分かるオリキャラが私に混じったの」


八葉さんは懐から今では珍しいガラケーを取り出す。ガラケーをどう使うかは分からないけど、何か怪電波でも出すのかな?


「八葉さんのことを、知っているのは?」


「今回の巻き戻しで知っているのはパンゲアとユリア……イナバも知っているね。因果の脱出はあなたと和也とルナフちゃんを除いて知っているわ。ルナフちゃんの場合、私がこの場に来た時に使徒だと察知して警戒を跳ね上げたけどパンゲアがいるから放置されている」


松村の方を見るとパンゲアさんに頭を撫でられて、嬉しそうにしていた。警戒していたようにはとても見えない。


「想像以上にダメージが深刻だね。Nがいないとは言え、あれだけ精神的にダメになるとは……」


私が戦おうとしない理由はもう一つある。怖いのだ。松村があそこまで精神を崩壊させたのは、Nがいなくなっただけじゃないと思う。


何か強烈な出来事があって……。


「N以外にも何か要因があるのでは?」


「私もそう思うよ。恐らく、本当の意味で戦ったのだと。命が簡単に失われる戦場を。Nたちが、アリスたちが生き抜いた戦争のように」


《あれと……同じ》


命が簡単に失われる戦場。そんな戦場に居合わせた? 現代日本において、そんな大規模な戦闘が行われる場所があるのだろうか? Nがいなくなったのはつい最近だ。


そんな戦場が何処にあった?


弩ジョウとは違う、戦場が何処にあった?


私の知らない場所で、何があった?


私が知らないだけで、この現代日本で地獄があった?


松村の大事な人が……Nが失われる戦場が。


気づかないうちに戦いが終わっていて……。


私は何もせず、知ろうとせず、知る権利があって目を逸らし続けて。


松村に背負わせていた。


みんな戦っている中、戦おうとせずに、現実から目を逸らして。


* *


「アリス、あれだけ強力な兵器を使っている割に、何も成果が出せずにいるではないか。聞いたぞ、バリスを私用で起動させたそうだな」


「これは由々しき事態でありますな」


アリスが評議会に召集され尋問されていた。安全圏でヌクヌクと肥えた、戦いを知らない奴らが、人伝に聞いた噂と偽りだらけの報告書で責める。


指揮官という立場でありながら、戦場を自ら知ろうとせずにいる。


「戦いとは結果が全てなんだよ!」


戦ったことのない奴らが、戦わずにいられる状況を作る戦士に落胆する。


* *


そんなの、今の私って……あいつらと同じ。物語のあいつらと同じ。アリスの戦いを知ろうとせずに、必死に戦って、アリスが多くの仲間を看取ってどんな気持ちで生きているか知らずに、平和を謳歌した。


あいつらと同じって!


そんなの嫌だ。


「八葉さん。俺は……私は何をすれば?」


「何をって」


「これ以上、被害を増やさない為に。松村を、苦しませないように」


「……そうだね。オーバーワールドの戦力を削ぐことが現状優先事項。遅かれ早かれ、ルナフちゃんを始末しようと、使徒たちが攻め込んでくる。私たちは、それらを排除する」


「それでね! 蜂蜜入りのホットミルクがとっても美味しいんだよ!」


戦いがなければ、松村はあんな風に楽しく生きていたのかもしれない。誰かが戦わなくてはならない。その誰か一人に、私は背負わせてしまっていた。


「私たちはずっとNに、ルナフちゃんに、そして松村に背負わせ続けていた。連合があったときから。私も表舞台に立たないと、お姉ちゃんを守らないと……今私何か言った?」


「松村に背負わせ続けていたって」


その後は自然とお開きになった。松村はパンゲアがずっと見守っているとのこと。


私は自分の物語を読んで大輔のことを知ろうとした。


《大輔を後任にしたのは、ちゃんと戦うことができるから》


アリスがそう言った。

ならばその力を知ろうとした。


松村一人に背負わせないように。


そして翌日の朝、オーバーワールドが強襲してきた。



松村にではない。



私と松村とパンゲアさんと八葉さんにだ。

これだけ更新が開くと、忘れているところがあるんですよね。


例えば

連合やポラリスの名前を誰が知っているのか?

この時イカリ(因果のリーダー)が何をしているのか?


(追記)

……あ、気づいていない人はそのままで。

ははは、重要人物の名前忘れていたなんて口が裂けても言えないので。


まあ、はい。


ごめんイカリ、イナバと間違えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ