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想像の世界〜自分のオリキャラになりました〜  作者: 旧天
幻想異聞奇譚 第二章 要塞学園迷宮
140/167

2-3 亡霊

ブックマークありがとうございます。


この物語は以下の要素を含みます。


・超不定期更新(半年に一回とか)

・競馬場に行ってしまった作者


いつもありがとうございます。

『何処で会う?』


『なるべく人がいない場所が良い』


ーー何処がいいと思う?


《一番なのは都庁の屋上だけど、近いのは古神川の橋の下なんだよね》


ーーその二択の基準が非常に気になる。


『じゃあ、古神川の橋の下で』


『分かった』


全く『因果の脱出』に顔を出していないということと、Nが消滅したということで心配になったから会うことにした。


放課後少し遠出して待合場所に向かう。県道が通る橋の下は川原になっていて、平日の今日は人が誰もいなかった。


どうやら私の方が先に着いたらしく、誰もいない。


「大輔」


「わっ……びっくりした」


誰もいないと思ったら、松村が先に着いていた。背後から声をかけられたから飛び上がってしまう。文句を言おうと口を開きかけたが、余りにも異常な雰囲気で絶句する。


「……」


「どうした?」


そこにいたルナフは、何というか……相当辛そうな顔をしていた。服装が黒いセーラー服に白い肌が合わさって、亡霊のようにも見える。


表情は笑顔を取り繕っているが、全然隠しきれていない。酷く疲れて絶望している。よく動いているなと思った。ここまで追い詰められた人は今まで数回見たことあるけど、例外なく壊れていた。


「泣くなら、胸貸すよ」


「……全く関わりがないから元がどんな性格か知らないけど、それは大輔か? 近衛か?」


「近衛朱莉の方」


「……流石、アリスの作者。Nと一緒に行動していたことはある」


アリスがNと一緒になにしていたのかは少しだけ聞いている。そして、Nがどんな感じだったのかも聞いている。


戦いが進むにつれて余裕がなくなりアリスに助けを求める程、精神的に落ちつめられていたこと。隠れて吐き、それでも戦いを続けようとしていた。何度も逃げるように言ったが、自分がやらなくちゃいけない仕事だと断り続けた。


「胸貸すとか、日常的にやっているのか?」


「女子相手にはね」


「元男だけど」


「今は女で私は男。気にしたら負け」


「そうか……大丈夫だよ。ちょっと、色々あっただけだから」


遠い目をする。一体なにを見てきたのだろうか? 


「使徒とかいう存在に修行をつけてもらっていたら、得体の知れない化け物に飲み込まれた。それで気づいたらNがいなくなっていた」


「大丈夫のレベルを超えているから」


「うん、それも分かっている」


「やっぱり大丈夫じゃないじゃん」


大丈夫と言いながら大丈夫なラインを超えていると自覚している。深い意味でもあるのか、マジで心が壊れて正常な思考が出来ていないのか。


状況的に後者だろう。


ーーアリス、N相手にはどうしていたの?


《取り敢えず座らせて紅茶を飲ませた》


ーー理由は?


《紅茶がNの好みだった。ルナフちゃんはホットミルクの砂糖入り》


ーー了解。


* *


ーーホットミルクなんてコンビニで売っているわけなかった。


《しかも今は夏だしね》


「どうした? 慌ててコンビニに駆け込んで」


「ホットミルク買ってこようと思って」


「それはアリスさんの入れ知恵?」


「そうだよ」


代わりに買ってきた蜂蜜入り飲料を手渡し座らせる。松村は礼を一言入れ、一気に飲み干す。喉が渇いていたのかな?


「ホットミルクか……え?」


松村が落ちていた枝を手にして、コンクリートに書き始める。コンクリートだから文字を書けているわけではないが、頭の中では見えているのだろう。


「『    (あの人)』関連……大輔」


「朱莉だけど何?」


「Nの……師匠かな? その人の好きな飲み物ってわかる?」


《緑茶》


アリスが緑茶を飲みながら答える。


「緑茶だって」


「何で『    (あの人)』の事をアリスさんは知っているの? Nが教えたとしてもオーバーワールドに消されたから、分からない筈なのに」


雰囲気が明らかに変わった。魔力だろうか? 青銀の光の粒が松村の周りを漂い始める。


敵意、その矛先は俺に向けられている。


「なんで、どうして私が知らない事をアリスさんは知っているの?」



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