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想像の世界〜自分のオリキャラになりました〜  作者: 旧天
幻想異聞奇譚 第一章 末世の北極星
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1-38 木更津市街地戦

ブックマークありがとうございます!

この小さな体にどれ程の可能性を秘めているのか、作者である()()自身も知らない。


物語の進行上必要だったモブキャラ。でも何故かオリキャラの中で、3本の指に入るほどお気に入りとなっている。


Nが出来ると託した。


未知の可能性。



希望。




その希望を容易く挫けさせる、天の使いが現れる。


オーバーワールドの使徒、イナバ。


その特徴はドッペルゲンガーと似たようなことが出来る。任意の覚醒者の能力、姿を模倣する能力。ただの物真似と侮っては、こちらの命は簡単に奪われる。


使徒と戦っても、通常の覚醒者では勝ち目は皆無。


命を狙われたら、戦うのは絶対避ける。逃げることでしか生き残れない。


では、逃げ場所を失ったら?

助けが望めなかったら?


相手は待ってくれない。逃がしてくれない。それでも、いつかは倒さないといけない敵。


そのいつかが、今になったのだ。


だから勝たなくてはならない。やらなければやられる。


自身の命を守るために。自身を鼓舞するように魔力を体内で巡らせる。龍脈からも吸い上げ、身体強化を施す。師匠、エーイーリ、龍崎さん、パンゲアさんとの修行で何度も使ってきた。


色々な人の


その覚悟を踏み躙るようなことをイナバは行う。自らの胸にサーベルを突き刺し、自殺をする。訳の分からない行動に困惑したが、その感情はイナバの体が光に包まれたことで払われた。


ドクン


体が吹き飛ばされそうになる程のプレッシャー。否、鼓動だった。イナバの鼓動が2km離れているこちらまで伝わってくる。得体の知れない恐怖がこの身を襲う。


光の内側から肉塊が脈打ちながら膨らむ。この時点で弩ジョウを大きく上回る体躯だ。その肉体から蛇のような頭が盛り上がり唸り声を上げる。


鼓膜が破れそうなほどの轟音。


その唸り声に共鳴し、地震が起きた。地震だけでは無い。海となった神奈川県の方で赤い火が地面から湧き出していた。山の部分が消えた元箱根の方で赤い火が上がる。


箱根の方面だけで無い、様々な場所で赤い溶岩が噴き出していた。まるで、日本列島が生きているかのように大地が揺れる。


再び、イナバが唸り声を上げる。だが唸り声を出した口は先程とは別のものであった。口、顔が二つある。そう思った次の瞬間にはその倍、さらに倍へと増えた。


八つの首に八つの尾。そして、山のような巨体。これほど特徴が揃っているのだ。分からないわけがない。


日本人なら殆どの人が知っているだろう。様々なゲームや物語で登場し、ボスキャラとしての地位を確立している。元となった神話、知名度、強さ、全て申し分ない存在。日本を代表する怪物と言っても過言では無い。


「八岐大蛇」


巨大生命体というのは、在るだけでこれほど怖いのか。それに加えて、その正体を知ってしまった時の戦慄。そして、日本を崩壊させる力。


間違いなくイナバの切り札。


「それがどうした」


自身で導いた考えを、鼻で笑って一蹴する。元から厄介な相手であることには変わりない。震度7より上の地震がないように、相手のレベルが上すぎるとあまり違いが分からない。


それに、生物であるのだから殺せる。それに八岐大蛇は超有名な話だから倒し方も有名。ザックリ纏めると八岐大蛇に酒を飲ませて、酔い潰れたところでトドメを刺した。


問題は、この辺りにあいつが満足しそう酒はない。都庁よりも体高があるあいつが、酔い潰れる酒など一体どれ程の必要なんだ?


あと気になるのは自我の有無。ああいうタイプって暴走するのがセオリーなんだけど、自我あるかな? 


『マツムラ……コロス』


中途半端に残っていそうですね。あと八つの口で喋らなくて結構です。


それに、今ので分かったことがある。それぞれの頭部が独立しているわけではない。つまり脳が一つしか無い、もしくは並列思考が出来ないということ。複数の脳を並列で動かして一つの思考にしているタイプなら一番厄介。


そして、こういう多頭系の相手の弱点は決まっている。首を切り落とす。


最後の気がかりは、いったい誰のキャラの模倣なのか? 日本神話そのものの模倣なのか、日本神話を元にした物語のキャラの模倣なのか。後者だと、アレンジが加えられていて弱点やら何やら変わっている可能性がある。再生能力まで付いていたら最悪だ。


元から付いている可能性はあるけど。


「だからといって、やることは変わらないんですよね」


《1、己を知る》


竜王の加護(仮)を授かったが、使い方がいまいち不明。


《2、相手を知る》


八岐大蛇イナバ。デカイ。なんか火山と共鳴している。地面系の攻撃と火属性を使いそう。半暴走状態。


《3、周りを知る》


謎の壁により増援は望めない。そもそも、アンダーワールド勢が助けに来てくれるか分からない。


《4、無駄な戦闘は避ける》


避けられるなら、避けますよ。どこに安全な場所があるのでしょうか? 半分暴走状態とは言え、ずっとこちらを見続けている。


《5、相手のペースに合わせない》


戦場を作る。今の日本はあいつのフィールドだ。だから氷河期に戻してあげましょう。蛇は変温動物だから寒かったら寝ますよね。


あれ? 竜王の加護(仮)持ちの私も冬眠しますか?


《6、生きることを最優先とする》


勝機が見えるまでは無理しない。


《7、逃げるは恥だが敵を煽るのを忘れるな》


逃げる状態じゃ無いですし、煽りとも違いますけど。


「イナバ、言葉が聞こえるならよく聞け。それからオーバーワールド! どうせどっかから見ているんだろ!」


叫ぶ。胸の内でずっと溜まっていた鬱憤を、恨みを、願望を。


「記憶の選別、人の洗脳。そして何よりも、お前は俺から2人も大事な人を奪った。それ以外にもいるかも知れない。いや、あの2人はまだいい方。奪われたと分かるんだから……それ以外は」



どんな人たちだった? オリキャラたちだけじゃ無い。現実の人間だって何人も消されていたはずだ。


「許されると思っているのか? 世界が見ていなくても、周りが知らなくても、俺はお前達がしたことを絶対に許さねぇからな! 何度だって立ち塞がってやる!」


松村ルナフ

12歳(不老)

竜■王の魔女

戦闘能力 判別不能


一時的に特急特異点に飲み込まれ、累計1ヶ月強オーバーワールドの使徒と魂を繋ぎ、それ以外の使徒と特急特異点にも関わりがある。世界の理を変化させる存在達と大きな関わりを持つ。それに影響されてか、存在自体が大きく揺らいでいる。


戦闘能力は未知数。竜王の加護(仮)を手に入れたと本人は判断しているが、元から龍脈を使えていたことを失念している。それに気付くにはまだ時間がかかる。気づいた時、本当の覚醒を果たすだろう。



「何度だって立ち塞がってやる!」


抜粋元不明

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