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想像の世界〜自分のオリキャラになりました〜  作者: 旧天
幻想異聞奇譚 第一章 末世の北極星
122/167

1-34 変身

この更新で恐らく今年最後の更新となるでしょう。


今年も一年有り難うございました。

襟の中にいた謎の生命体を放してあげる。音もなく飛び立ったソレは、あっという間に見えなくなった。大きさは掌ほどしかないのに、私を1km以上移動させたのだ。


「あの馬鹿」


そうさせたLの方から膨大な魔力が躍動している。私の記憶にはない魔法式、つまりボツ案となったもの。そして、規模からしてとっておきの魔法……最終魔法クラスの攻撃魔法だろう。


ボツ案としてあったのか。



ルナフが極地に至ったパターンが。




「不思議なものね、手に取っただけで使い方が何となく分かるなんて」


彗星蘭の髪飾り。これが何なのかは分からない。恐らく消えた『    』(あの人)関連だとは思う。


オーバーワールドを退けられるとすると、勇者(魔王)と竜王に並ぶ世界の守護者の筈。


即ち、物語の世界の根幹に関わるもの。?が、わざわざ呼び止めるほどの効力がある。


分からなくなったからこそ、見えることがある。これは、使い方次第で世界をひっくり返すことができる。


天より降り注ぐ流星。最終魔法の割には威力が抑えられている。


「贅沢な使い方ね」



終末を告げる獣。

世界の守護者関連。

そして、手加減した最終魔法。



状況として似ている。


マスターも同僚も竜王も『  』も民間人も精霊も皆んな死んじゃったあの戦いと。


恐らく、数秒後に立体魔法陣が構築。一時的にスタンさせる名称封印が目的なのだろう。


多く見積もって5秒。

少なく見積もった場合は効果なし。


それでも、3kmを駆け抜けて、髪飾りを付けなければ。



そこまで察せたら迷っている暇はない。


魔力を回す。


箒を呼ぶ。


幸いにも障害物となる構造物は、ロスト・ライフで全て消え去っている。


陽子加速装置のように、神奈川県だった場所をグルグルと回る。


加速は最大限に、流星群に紛れる為に自身を魔力へと変換する。


肉体を捨て、本来の姿へと戻る。


人の領域に留まるな。相手は世界だ。


「第一段階、限定解除」


風を束ねる。

魔力を束ねる。


「突撃魔法: 流れ星!」


銀の星となった私は空を駆ける。流星と並走するようにシャングリラルナフ、略してシャルへと突撃する。私に気づいた蜘蛛人間が飛びかかってくるが、反応した瞬間には通り過ぎた。


Lの近くを通った時、彼女は小さく呟く。


「ヴァルハラで会いましょう」



現実世界には1人しか戻れない。



「ええ、行ってきます」


封印は成功していた。


だが、次の瞬間には最終魔法も封印も全て吹き飛ばされていた。


その時には、蜘蛛人間のドームをぶち破っている。シャルが驚きを隠さず、私の名を叫ぶ。


「N!」


紫色の目。普段のルナフは緑色の瞳をしている。その目が憎しみで染まっていた。


何があったのか、何故私を憎むのか?


「シャル!」


シャルは拳を、私は足を向ける。


「そこから出ていきなさい!」


「消えろ! 魔女!」


激突。


初撃は私の方が勝り、肉体を吹き飛ばす。


空気砲×100(お黙り)


追撃の手は緩めない。


ロスト・ライフは生贄があるから使用できる。ハッキリ言って効率が悪い。かかる時間も、回転数も大きい。


ロマン砲。


それ以外の魔法を使わないと言うことは、それ以外の魔法が使えないと考えて良い。


「グランド・アイス!」


「あんたにグランドなんか百万年早いわよ!」


風と氷がぶつかり、ダイヤモンドダストが現れる。その中で拳と拳がぶつかり合う。


その結果は拮抗、互いに譲ることなく力を込め合う。


「どう、N。貴方の大事な人が奪われた気持ちは」


「あなた……シャングリラの意識」


シャルがキシシシと笑う。



「どんな気持ち?」


「こんな状況じゃなければ、ぶっ殺していたわよ」


「キシシシ、そう言ってくれて有り難う。それだけで満足」


「じゃあ返してくれる?」


「い・や・だ」


その返答は膝蹴りで。それをしっかりガードされるが、膝蹴りした足とは逆の足で踵落としをする。


「それぐらい読んでるよ」


踵落としの足は掴まれ、投げ飛ばされる。四肢で着地をするが、左手を踏みつけられる。


「第一段階でも届かない?」


「第三段階でも勝てるよ」


「へ〜、薄々いるだろうと思っていたけど。並行世界の特急特異点?」


「う〜ん、惜しい」


当たり判定を一瞬消して脱出する。


「その獣のような姿、弟子には見せたくなかったんじゃないの?」


「第三段階以外ならいいのよ!」


伸びた爪で切りつける。だが、蜘蛛人間が間に入り防がれる。鮮血が広がり、視界を隠されてしまう。地の壁の向こう側から氷の弾丸が現れ、その内の一つは私の顔に当たる弾道。


それを牙で砕き、血の壁目掛け


「うん、やっぱりつまらないね」


下から、腹に拳を入れられる。


「魔法使いの癖に肉弾戦なんて美しくない。それに遅い。咲け、氷華」


腹を裂き、胃を貫き、体に氷の根が張る。当たり判定を消そうとするが、核を掴まれている。



弱点を知られている。




知っているからこそ、見えなくなることがある。知りすぎているから大事なことを、警戒すべきことが分からなくなる。



例えば


「ようやく捕まえた」


シャルの頭に


彗星蘭の髪飾り


「その花……王女の?!」


「帰ろう、2人とも」

2020年12月30日21時51分時点でpv数が


49993


あと7人足りなかった。


フライングで5万pvありがとうございます!


来年もよろしくお願いします。

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