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想像の世界〜自分のオリキャラになりました〜  作者: 旧天
幻想異聞奇譚 第一章 末世の北極星
113/167

1-25 使徒vs使徒

ブックマークありがとうございます。


年内に現実世界に帰還できるかな?

「主が殺せと言うからな。そちらには弱体化しているとは言え、アンダーワールドの使徒もいる。手加減は出来ないからそのつもりでな」


イナバがポケットから手を出しため息をつき、面倒くさそうな顔をする。あまり戦いたくないと思っているのか。できればそのまま下がって帰って欲しいと思う。本体を強化したとはいえ、辛うじて戦えるレベルにしか育っていない。使徒となってから訓練はし続けているけど、今まで全力の戦闘をしたことはなかった。龍崎さんは一度追い払ったけど殺し合いにならば瞬殺される。


私たちの勝利条件は本体を現実世界に送還すること。時間の流れが独立しているこの世界で本体が死んでしまった場合、現実世界に戻ることは出来ない。すべての計画がおじゃんになってしまう。


敗北条件は本体の死


対する敵の勝利条件は私たちの殺害。敗北条件は不明。


この戦闘を回避する方法

なし


故にこの選択をする。

否、最初からこの選択しかなかった。


「龍崎さん、手筈通りに」


「わかったさ……」


「2人とも、どうしゔっ」


後ろで身構えていた本体を、龍崎さんが背後から手刀で気絶させる。2人を守りながら戦うのは不可能。ならば私が時間稼ぎをしている間に本体を現実世界に送る。これは最初から決めていたこと。


予め用意しておいたポイントで、本体が気絶しているうちにNさんが現実世界へと引っ張っていく。気絶させたのは本体を説得する時間がなかった、説得しても無駄だと思ったから。あとは現実世界のパンゲアさんが守ってくれるはず。


その間私がイナバを止めていればいい。


「じゃあ、後は」


「ええ、そちらはお願いします」


龍崎さんが本体を背負って跳ねるように目的地へ向かっていく。それが見えている筈なのにイナバは止まったままだった。


「手加減が出来ないと言っていながら見逃すのですか?」


「戦力が分散されるのは寧ろ好ましい。各個撃破すればいいだけだ。その方が楽に戦える。それに、お前はこいつに勝てたことがないんだろ」


イナバが自身の肉体を、Nの体を親指で指さす。確かに倒す戦力の内二人が、設定上勝てたことがない理不尽な強さを持つNさん。イナバが化けた偽物だけど覚醒者の制限がなくなった状態では勝ち目がない。


「そう思うのはご自由に。別に、私は勝つのではなく負けない為に戦うのですから」


今すぐ殴り掛かりたい気持ちをぐっとこらえる。できるなら言葉で足止めしたい。戦い始めたらどちらかが死ぬまで続くのだから。


「そう言えば、オーバーワールドとはどのように連絡を取っているのですか? ここは時間が独立しているので現実世界とコンタクトをを取るのは難しい筈なのです」


「誰が教えるかバカ」


まあそうですよね。



イナバは二人が向かった方角を見る。即ち、松村圭太の実家の方向。明け方公園とは別に?が用意した安全地帯。そこにはNさんが帰還魔法を準備している。


「あっちは何がある?」


「空気」


「バカにしているのか?」


「バカにしていますよ」


相手の注意をこちらに向けろ。向こうのことは忘れさせろ。


「まあいい、お前をさっさと殺して追うか」


イナバの足に力が入る。戦う時の入れ方だ。


じゃあ、こちらも。

さんざん師匠の真似されて腹が立っていますし。


「ところで、あなた自身の能力はコピーでいいのですか?」


「見れば分かるだろ。その通りだ」


「それからあと三回殺せば死にますよね」


初めてイナバが驚いた顔をする。命にストックがあるのは秘密にしていたのだろう。だけど私たちには意味がない。だって廃棄された時間軸で?は全てのオーバーワールドの使徒を殺している。だから私たちアンダーワールドの使徒は殺し方を知っている。


「それが分かったところでどうする。まさか倒せるとでも言うのか?」


倒せるとは言っていない。


「それこそまさか」


短距離転移でイナバの背後に回り込む。驚きながらも、しっかり反応して私の蹴りに対応して障壁を張る。だけどその障壁が無いかのようにイナバの顔面に。


あぁ、なんか知らなけど凄いスッキリした。


「今のは?」


軽く吹き飛んだイナバは借り物の魔力を確かめて魔法が使えることを確認する。


「借り物の力でしかないのによく威張れますね」


「なんだと?」


「なんでしたっけ? 虎の威を借る狐でしたっけ? 自分の力でもないのに、自分が努力して手に入れた力でもないのに、何でそんなに強気でいられるんですかね」


もう一度同じ攻撃をするが、やはりイナバはダメージを負う。


「散々威張ってた癖に力も使いこなせていない。目で見てから反応している。体のスペックに頼った動き。あなた自身本当は弱いですよね。楽でいいですよね。強い人のをコピーすれば良いから」


「言っておくが本気を出していない」


涼しげな顔をしているが目の奥では困惑している。


「出ました俺はまだ本気を出していない宣言! 確かに本気を出していないでしょうですし、私だって殺されるでしょうね。だけど全て終わらせてもあなたに未来はありませんよ。この世界から脱出するにはアンダーワールドの承認が必要。敵対関係であるあなた方には承認が下りることはない。故にあなたはこの世界から出ることが出来ない」


「それでも構わない。全ては主が目指す世界の為に」


「へー、その主はあなたを捨てたのに献身てきですね。あなたが別にいなくてもいいと思ったからここに送り込んだのですよね。分かりますか? オーバーワールドの目指す世界にあなたは不要だと言われたんですよ。私はそういう人を見るのがだ~い好きなんです。今まで頂点に立っていた人が転がり落ちて見捨てられて、それでも自分は負けていないと周りには言うけど影では爪かじっている人とか。いい加減自分の状況を把握してください。この世界は物語じゃないんですから、没落から始まる成り上がりなんてないですよ。そんな妄想は『なろう』だけにしてください。過去の栄光にすがるのは止めて下さい」


「そんなこと想像していない。俺は今の状況を受け入れている」


「へ~、なんで爪かじった痕があるんですかね。なんで夜な夜な男の嘆願が聞こえてくるんでしょうね。なんであなたが来た時に『見捨てないでくださいお願いします』とか聞こえたんでしょうかね? オーバーワールドに強制的に送られた=捨てられたんですよね? あれ? なんで握り拳を作っているんですかね」


「黙れ」


あぁ、図星でしたか? そんな山姥みたいな顔しちゃって。うちの師匠の顔でそんな顔しないでくれませんか?


「黙れ!」


私に殴りかかるが、簡単に避けられる。ついでにカウンターで鳩尾に入れておく。苦しい顔をして倒れこむその姿は哀れ、醜い……色々表現があるけど。


「本当……無様ですね♡」


体が熱くなる。狂っている自覚はある。その自覚があったから叛逆の魔女になった。


「黙れ!」


イナバが今思い出したかのように魔法陣を展開する。残念ながら私にそれを受け止める術はない。あんなことを言っていながら私には勝負に勝てるビジョンがない。


「そちらもその気になったようですし。始めるとしましょう。見捨てられた使徒さん」


「見捨てられてなんかない! 主が殺害命令を出したのだから!」


だけど戦うことはできる。私が使徒として戦う最初で最後の戦場。出し惜しみはしない。


「使い捨てですね」


実際はどうなのかは分からない。だけど適当なことを決めつけられたら、誰だって腹が立つ。私だってやられたらイナバのようになるかもしれない。


「その減らず口、縫い合わせてやる!」


「その仮面、引っぺがしてやりますよ!」


魔法陣を展開し、アンダーワールドとしての使徒として世界に接続する。この魔法陣は?から教わった道順。使徒として戦う為ステップ。上書きする世界への抵抗。


「ハロー! アンダーワールド!」


忘れられた世界の叛逆だ。


【World call『Under World』】


私を呼び出す。


【Error 】


そこにはいない。


【Retry 】


あるのは虚無。


【Reject】


何もできない。


【Suggest】


だから道を示す。


【Approval 】


私だけの道を。


【Complete 】


私の為だけに想像された物語を。


【A.D.2016. 『蜿幃??ヮ鬲泌・ウ』】


終わりを見ることが出来なかった物語を。


「私はルナフ。アンダーワールドの第二使徒にして、あなたを倒す為だけに想像された叛逆ノ魔女なり」

弩ジョウ戦と同様に序盤は主人公不在

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