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想像の世界〜自分のオリキャラになりました〜  作者: 旧天
幻想異聞奇譚 第一章 末世の北極星
107/167

1-21 身体測定

ブックマークありがとうございます。


《じ〜》


Nの出番はまだ先です


「じ〜」


龍崎はこれからです


「じ〜」


バチカルはまだまだ先です

「これより、トレーニングを開始する!」


「その前に一つ良いですか? この体操服といいセーラー服といいエーイーリのジャージといい何処から持ってきたんですか!」


「「廃墟で拾った」」


明け方公園の運動場に私たちはいた。これからトレーニングを始めるということでセーラー服には着替えず、代わりに体操着を着ている。


エーイーリは私と同じ体操服を、龍崎さんは羽織りのままだ。人類滅亡後と言っても差し支えないこの日本で体操服を廃墟からわざわざ拾って来てくれたのだ。蜘蛛人間がいるのに良く探索できるなと感心する。


「細かいことは置いておく、まずは今の体を把握をする。というわけで身体測定だ!」


「げ」


げっと言ったのは私ではなく松村さんの人格の方。彼は身体測定に限らず、陸上競技は全て苦手なのとトラウマを抱えている。運動全般ではなく陸上競技が苦手なのは、幼少のことから習い事で水泳をやっていた為。


「嫌なのは分かる。50m走は10秒台。ハンドボール投げは10mも飛ばない。握力は20kg前後。上体起こしはそこそこ良くて30秒で25回。上座対前屈は30cmを少し超える。そして……」


エーイーリが足元に置いてあったラジカセでテープを再生し始める。彼だけでなく、多くの人がトラウマになったであろうあの音源が流れ始める。


ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド


私自身にトラウマはないが松村さんの人格が嫌がっている。


「20mシャトルランは30回しか走れなかった」


同年代は余裕で50回行く人が殆どであるのに早々に脱落して床に倒れ込むほど貧弱な体、それが松村圭太の身体能力であった。


「恐らく今の私の方が身体能力良いですね」


12歳の女子に負ける16歳の男子高校生。私が生きた世界は戦いが身近にあったのと修行をしていたということもあり、平和な現代日本で育った運動音痴の男子高校生に負けるなんて考えられない。


負けたらNさんを失望させてしまう。


「今回は比べるのではなく本体の身体能力を把握することが目的。過去のことは忘れて今を確認しましょう」


そんなわけで廃墟から拾ってきた身体測定の器具を使って私の身体能力を確認していった。


************


握力

右: 27.2kg

左: 25.4kg


上体起こし

31回


長座体前屈

平均58.5cm


反復横跳び

57回


立ち幅跳び

236cm


ハンドボール投げ 

平均20m


50m走

7.02秒


シャトルラン

72回


************


「チートだろ……」


最後のシャトルランをやり終え、思わず俺はルナフの人格を押し除けて発言するほど彼女の身体能力はおかしかった。12歳女子の身体測定の平均値がどれほどなのかは知らないが50m走7秒台は十分早い部類だろう。握力も野郎だった時の俺より強いし、長座体前屈なんか膝に顔がついていた。止めにシャトルラン。72回なんて俺にとっては未知の領域、体力まで俺を上回っていた。


「しかも試しにやった開脚が土の字できるなんて」


座った状態で股を開いて体を前に倒す開脚前屈だっけ? 体がバッキバキの俺は足を180度開くのすらできないのにルナフは簡単に開き、上半身を地面につけて見せた。それでも余裕があるのだから恐ろしい。


「Y字バランスも平然とやっていたからI字バランスも練習すればできるかもしれないさ」


「私の本体ということもあり、ある程度予想はできていましたが数値で見てみるとかなり高い能力値だということを見せつけられたな」


エーイーリは記録していたノートを見せてくれた改めて見ると私の身体能力は12歳の女子とは思えないほど高スペックだ。


彼がチートだと言いたくなるのも分からなくもない。


「結果を見る感じ、提案した戦闘スタイルに魔改造するのは不可能ではないだろう。ここからさらに身体強化魔法を使いつつゴキブリのように魔改造していく」


「想像はできますが表現を考えてください」


別にゴキブリなら私も彼も掴める程度なので問題ありませんがもう少しマシな表現というものがあるでしょう。


ちなみに私がゴキブリを掴める理由は蠱毒の時の牢屋で散々見かけて鬱陶しかったから掴んで牢屋の外に放り投げていたから。

彼が大丈夫な理由は家族の構成上(両親と姉と妹)、父親が仕事にいない間は男が松村さんしかいなかって為無理やりゴキブリ処理をやらされていた為。慣れて掴むぐらいは平気になってしまった。


「まあまあ……取り敢えず今日はここまでにするさ。時計では既に夜の8時を回っているさ」


「そうだったんですか。空がずっと曇り空で明るさも変わりませんし、お腹も空かないんで腹時計も機能しませんし時計がないと全く分かりませんね」


本格的なトレーニングは明日からということになった。


この世界に来て恐らく2日、時間の流れが現実世界と全く違う為いつ脱出してもちゃんと現代に戻れるか分からなかったが私の場合は現実世界に錨があるから戻れると龍崎さんは言ってくれた。その錨というのはパンゲアさんで神さまの使徒であることから現実世界の目印になっている筈だと。現実世界のことはあちらの使徒に任せれば元の時間に戻れるらしい。


龍崎さんを助けたアンダーワールドはそうやって戻っていったそうだ。龍脈を確かめたら確かに覚えのある雰囲気の龍脈の塊があったから戻れそうだった。


だから出来るだけこの世界で修行することになったのだ。


「よーし、明日から猛特訓だ!」


強くなって全てを取り戻す。

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