extra operation: ν
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「Abyssus abyssum invocat」
それは地獄だった。全てがゴミのように裁断されてばら撒かれていた。
「Fiat eu stita et piriat mundus」
世界の破壊こそ彼女の正義。
「Memento mori」
忘れるな、彼女は必ず現れる。
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嫌な夢を見た。
ベッドから飛び起きると吐血した。真っ赤な血かと思ったが吐き出されたのはドス黒く濁った血だった。泥のように粘り気があり、ヘドロのように体を重くする。その血の中に黒い蛆が蠢いている。こんなのが肉体を蝕んでいる。自分が生命体であるのかすら疑ってしまう。
満身創痍なんてもんじゃない。致命傷だった。
いつ倒れてしまってもおかしくはなかった。それでも前に進まなければならなかった。
後ろに未来はない。
過去の栄光に縋っていては脱落するだけ。
現状維持は後退
後退すれば冥界へと連れ戻されるだろう。
「片付けないと……っと」
ベッドから立ち上がろうとしたが意識を一瞬失って向かいの壁にもたれるように倒れる。頭をぶつけたような感じがしたが痛みは無かった。胸に手を当てると心臓が弱々しく鼓動していた。
「生きている……よね」
自分が死ぬことはあり得ない。だが五体満足ではない。今の自分は生命維持装置で生かされている状態だ。こんなのがかつて人類を絶滅させたオーバーワールドに挑もうというのだ。
「大丈夫……大丈夫……まだ戦える」
次回
松村ルナフ魔改造計画始動




